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【LAD】帰ってきたエース ウォーカー・ビューラー

皆さんこんにちは。Eliです。休みなし、3都市、2ヵ国をまたいだ9連戦ロードトリップを7勝2敗で終えたドジャース。そんなチームに嬉しいニュースが飛び込んできました。
2022年6月にトミージョン手術を受けた先発投手ウォーカー・ビューラー日本時間火曜日のマーリンズ戦で今季初登板を飾ることが発表されました。

1年半ほど戦列を離れていたこともあり、ビューラーって誰?という方もいるかもしれません。そこで今回はビューラーの姿に迫っていきたいと思います。


ビューラーのキャリア

ドラフトからデビューへ

ビューラーは2012年のドラフトでピッツバーグ・パイレーツから14巡目の指名を受けましたが、大学に進学することを選択し、バンダービルト大学へ進学しました。この大学は現カブスのショートストップであるダンズビー・スワンソンやサイヤング賞を受賞したデイビット・プライスなどを輩出した学校です。
大学のリーグでは21勝7敗、防御率2.87と活躍したビューラー。そして2015年のドラフト1巡目・全体24位指名でドジャース入りしました。

しかしドラフト直後にトミージョン手術が必要なことが発覚。その後手術とリハビリでプロとしての初登板は2016年の8月までずれ込んでしまいました。
2017年をA+出迎えたビューラーはAA、AAAとぐんぐんマイナーの階段を駆け上がっていきついにはメジャーのロースターに登録されました。2017年にはリリーフのみの登板で8試合9.1回を投げ防御率7.71と振るいませんでしたが、デビュー戦では100マイルの速球や大きく曲がるカーブを投げるなど投手としての素質を見せました。

ドジャースのエースへ

2018年は初登板を4月23日のパドレス戦で迎えました。次登板のパドレス戦では6回まで打線をノーヒットに抑え、球団史上初の継投ノーヒッターの立役者となりました。また、この年はNL東地区が激戦だった年でシーズン最後にコロラド・ロッキーズとの優勝決定戦が行われました。ビューラーはこの文字通りシーズンの行く末を決める試合で登板し、ロッキーズ打線をヒット1本に抑える活躍で、ドジャースの地区優勝に大きく貢献しました。
この年ビューラーは23試合に先発登板し防御率2.62、新人王投票3位と飛躍の年になりました。
ボストン・レッドソックスとのワールドシリーズでは7回を無失点に抑えるなどポストシーズンでの強さも見せました。

2019年には182.2回を投げ防御率3.26の活躍で初のオールスター出場、サイヤング賞投票には9位に入りました。
2020年のパンデミック短縮シーズンでは8先発防御率3.44とレギュラーシーズンではまずまずの活躍を見せました。この年ビューラーが輝いたのがポストシーズンです。フル回転の働きを見せドジャースのワールドシリーズ優勝に大きく貢献しました。

NLWC vs ブルワーズ: 4回2失点
NLDS vs パドレス: 4回1失点
NLCS vs ブレーブス: 2試合11回1失点 13奪三振

     →Game 3では5回1失点
     →負ければ終わりのGame 6では6回無失点
WS vs レイズ: 1試合6回1失点10奪三振

これまでのキャリアでビューラーの最高のシーズンと言えるのが2021年です。この年ビューラーはリーグ最多の33試合に先発登板し、207回で防御率2.47、オールスター出場、サイヤング賞投票4位に入りました。
ポストシーズンでもフル回転しました。このシーズンのドジャースは先発投手が深刻なレベルで不足していました。

開幕時
1. ウォーカー・ビューラー
2. クレイトン・カーショー
3. トレバー・バウアー
4. フリオ・ウリアス
5. ダスティン・メイ
デプス: デイビット・プライス、トニー・ゴンソリン
 
ポストシーズン開幕時
1. ウォーカー・ビューラー
2. マックス・シャーザー
3. フリオ・ウリアス
4. トニー・ゴンソリン
離脱: バウアー(休職処分)、メイ(故障)、カーショー(故障)、プライス(故障)

壮絶な戦いとなったサンフランシスコ・ジャイアンツとのNLDSではGame 1に登板して6.1回3失点と試合を作ると、負ければ終わりのGame 3では先発不足のチームを救うために通常より少ない中3日で登板しました。

“To be completely honest, there probably wasn’t anything that could have gone on that I would have told him I didn’t want the ball. As long as I could walk into the clubhouse, I think I was going to pitch.”

「正直に言えば、投げないという選択肢はなかったと思う。クラブハウスに歩いて行けさえすれば、投げるつもりだった」(筆者訳)

ただここでの無理がたたったのかは不明ですが、ブレーブスとのNLCSでは2先発7.2回6失点と本来の力を発揮できませんでした。

2022年は開幕から先発ローテーションで投げましたが、後にトミージョン手術につながる故障を抱えていたこともあり、離脱するまでに12先発で防御率4.02と振るいませんでした。

ビューラーってどんな投手?

全盛期のビューラー

全盛期ともいえる18年~21年ののビューラーは100マイルに達するフォーシームにカッター、横に大きく曲がるスライダー、縦に割れるナックルカーブ、シンカー、チェンジアップを投げていました。

フォーシームのスピン量はリーグトップクラスの平均2400回転、カーブのスピン量も平均2800回転をマークしていました。


フォーシームでガンガン押すこともできますし、カーブ/スライダーで空振りを奪うこともできる。そんな何でもできるパワーピッチャーでした。

故障近くのビューラー

トミージョン手術を受けた2022年のビューラーは投球の回転数が軒並み減少していました。

結果的に空振り率や三振率などが下がってしまいました。また、21年シーズンと比べて強い打球を打たれてしまうようになってしまいました。
リハビリ登板中も球速、スピン量などが戻っているとは言い難く、空振りを積み上げていく故障前のビューラーは戻ってこないかもしれません。

ビューラーに何を期待するか

ここまでメジャートップの先発数をこなしている投手はタイラー・グラスナウの8登板です。シーズン30登板だとすると、残り22登板と言うことになります。
1試合6イニングを投げるとすると、ローテを守る前提ですが残り132イニング程度が残ることになります。
5月中は球数/イニング制限も厳しくなりそうなので、今季は最大でも110~120イニング程度を投げることになるでしょうか。

また、質の面では前述の通り回転数/球速低下が影響でスタイルチェンジが必要になるかもしれません。1年間のブランクも踏まえればエースとしての活躍を求めるのは厳しいでしょう。
ただ、グラスナウ/山本のダブルエースのいるドジャースにはビューラーが気長に調整できる余裕があります。今回ビューラーが入るスポットは選手までルーキーのランドン・ナックが埋めていました。つまりルーキー程度の成績でもOKということです。

成績の目安: 100回程度 防御率4点台

ドジャースとビューラー

ちなみにビューラーは今年がFA前最後の年となります。ファンとしては寂しいですが、おそらく契約延長やFAでの再契約はないと思われます。

ビューラーがダメ→成績が悪いなら再契約しない
ビューラーが完全復活→契約額が高いので再契約しない

ビューラーの成績が何とも言えない感じに終わり、ドジャースがオフシーズンにローテーションスポットを埋めるのに苦労した場合、今年のパクストンのように1年1000万ドル程度で復活を目指す契約があるかもしれません。

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