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本当に再生可能エネルギーが善、火力発電は悪なのか。
こんばんは!久しぶりに記事を書いています
この記事では【火力発電所を無くし、再生可能エネルギーを用いた発電をすれば環境問題は解決するのか】という点について火力発電所の意義についてお話しします
今回なぜエネルギー問題について言及をしているかというと、
Twitterで「気候変動」について興味深い取り組みを見つけたからです
どうやら日本(三菱商事中心に)ベトナムのブンアンに石炭火力発電を輸出することに対して、パリ協定の日本の意向と反しているんじゃないの?と声を上げている方々であるようです
実は私は最初
「わあ、すごいな」
「若者が声を上げるってかっこいいな」
「火力発電所なんて作らない方がいいよね」
なんて納得し、手放しに称賛していました笑
何にせよ行動しない側が批判するのは良くないと考えているので、基本的にこういった活動に対して私は否定的ではありません
ただ、電力関連の会社に就職する人にこの話をした所、あまり良い反応が返ってきませんでした
「批判するだけで現実的な代替案を出していない」
とのことでした。うーん確かに。
もちろん気候変動に関心を持つことは100%良いこと
世界に向かって問題点を明らかにすること、
これには一定の効果があることは明らかです
ただ、気候変動について考えるということは
「火力発電所が無くなれば解決」ということではないはずです
(*もちろんこの活動をされている方々が、そんな単純に考えていないとは思います。あくまで火力発電が悪であるとする世論に対してのお話です)
しばしば「再生可能エネルギーが善で火力発電が悪」とされます
本当にそうなのか、火力発電など従来の発電方法(BER)と再生可能エネルギーを用いた発電(DER)について考えていきます。
■分散型電源DERとは
分散型電源(DER)とは、太陽光発電に代表される再生可能エネルギーによる発電技術を指します。これまでの発電はある程度決まった場所で行われる大規模系統電源(BER)が主流であったのに対し、DERは風力や太陽光発電が主力であり、比較的分散して発電が行われます。
お家でも山の中でもいろいろなところで分散されて発電所があるイメージです
DERの特徴
第一に、発電過程において、二酸化炭素を発生しない
第二に、資源が無尽蔵であり、化石燃料のように枯渇の心配がない
第三に、燃料費がかからないため、限界費用はほぼゼロとみなせる
第四に、発電量は気象条件によって決まり、人間がコントロールできない
『エネルギー産業の2050年—Utility3.0へのゲームチェンジ』より
2015年に国連で定められた「パリ協定」で
__________________________________________________
「産業革命前からの温度上昇を2度未満に抑える」
「今世紀後半にカーボンニュートラルを実現する」
__________________________________________________
とあるように世界では二酸化炭素の排出を抑えることを目標としています
(*カーボンニュートラルとは人為的に排出される二酸化炭素の量と、植物などに吸収される二酸化炭素の量をプラスマイナスゼロにすること。)
したがってDERは環境負荷への面から考えれば
非常に優秀であると言えます
■分散型電源DERの課題点
そんな完璧な発電方法があれば、
世界中DERを普及させればいいですよね
ただ、現実的に普及していないには理由があります
(今回DERの初期費用に関しては国の政策や世界中で対策が練られている為、普及しない理由にはカウントはしません。コスト面に関しては、この先大幅に改善されていく可能性が高いこともあげられます)
【最大の課題点:発電量が安定しない】
再生可能エネルギーの多くは自然由来であり、
天候条件によって発電量が安定しません
(当たり前だと思うかもしれませんね笑)
電気は発電所から各家庭へと届けられる一方通行です
現在の技術では作った電気を貯めておくことができません(これを解決するのが蓄電技術であり、開発が進められている)
したがって天候が悪く発電ができないからといって
事前に再生可能エネルギーからつくられた電力を使う訳にはいかないのです
次に常に【電力は供給量>需要量でなければならない】
という点から
DERのみに依存することは非常に危険です
「食べ物がなかったら一食我慢する」みたいに
「電力がつくれなかったから今夜は暗くても我慢する」
とはなりません
なぜなら電力の需要量が供給量を上回ると
足りない部分が使えないのではなく
社会全体のシステムがダウンしてしまうからです
さらに一度社会システムのダウンが起こると
復旧には時間もコストもかかります
とにかく電力が足りなくなると
社会への影響は非常に大きいんです
それでもいいから再生可能エネルギーにすべきだ
というのは暴論であると言えます
電気が消えれば、犯罪も起こりやすい
電気が消えれば、事故も起きやすい
現代は電力に依存している社会である以上
そんなリスクを冒せません
現実的に考えれば電力の安定供給は社会の維持に必須であり、現時点ではそれをDERは実現できないということです
■安定供給を可能にする火力発電
DERの課題点である不安定な供給に対して
火力発電は安定供給をすることができます
石炭を貯蔵し、毎日決まった量の電力を生み出します
(原子力発電も同様ですが、様々なことを考慮し割愛します)
もちろん二酸化炭素の排出という点では
できれば稼働させない方がいいことは明らかです
ただ、DERのみに頼ることはあまりにも無謀です
まかないきれない分があれば火力発電を利用する
【再生可能エネルギー発電DER+火力発電BER】
が現実的ではないでしょうか
現技術では電力を貯蔵することはできませんが
技術が発展した後に火力発電の全廃止をすることは可能です
リスクヘッジとしての火力発電所の保存
もしくはより環境負荷の少ない新規火力発電所の建設は
理に叶っていると言えないでしょうか
■まとめ
再生可能エネルギーが善、火力発電は悪とされますが
環境負荷の面で言ったら間違いないでしょう
ただ、現実的に考えれば現時点では
「再生可能エネルギー発電と火力発電は互いに共存するもの」です
どちらのメリット・デメリットとも
うまく付き合っていく必要があるだけです
再生可能エネルギーが良いからそれだけにする
というのは非現実的であり、
環境問題を解決するどころか
新たな問題を増やすだけです
私の意見としては
もちろん気候変動は止めたいですが現実点では
【再生可能エネルギー発電DER+火力発電BER】
を肯定します
ベトナムの火力発電輸出もただ悪と捉えるのではなく、
多面的に見て最終的に判断したい所です
(三菱商事の説明が近日公開)
今回エネルギーに関しては無知な状態から調べましたので、様々なご意見があるかと思います。ぜひ勉強させていただきたいので、ご指摘・ご意見お待ちしています。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!
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![Lily@春から商社の総合職](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/42539322/profile_394c4a0ce0283f6d36deb83d13d61152.png?width=600&crop=1:1,smart)