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日本人大学生は留学に夢を見過ぎ

日本人の大学生、一般的に「留学」っていうものに夢を見過ぎじゃない?っていうお話。
学部交換留学生向けの奨学金情報についても少し言及しつつ。

ここでいう留学とは、大学学部の長期交換留学(半年〜1年)のことを指し、短期留学や学位取得のための正規留学、ダブルディグリープログラムなどは含まないことにします。

別に留学ネガキャンがしたいわけじゃなくて、いわゆる大学学部の交換留学で得られるものって、一般的な日本人大学生が想像しているものとはちょっと違うよっていうお話。
交換留学をしようか迷ってる人、応募したはいいものの留学先での生活が想像できない人とかはぜひ読んでください。

理系の研究留学とかはまたちょっと違うのかもしれないけど、文系学部生で交換留学をする人はほとんどこの記事のような留学生活を送ることになると思うので、参考になるかな〜と思います。

ちなみに私は学部時代に2度交換留学をさせてもらえたのですが(めっちゃラッキーだったと思います)、留学自体はしてよかったし、いい経験になったと思っています。

英語が喋れるようになるわけじゃない

おそらく留学を考えている人の多くが「英語(もしくは留学先の言語)のスピーキング力を上げたい!」と思っているはずだけど、それだけが動機なら交換留学という選択肢を選ぶ必要はないかもしれない。

私自身はブリティッシュアクセントに淡い憧れを持って、IELTS OAのスコアが7.5(TOEFLに直すと100↑くらい?受けたことないからよくわからん)の状態で英国に交換留学したが、留学に行ったことでスピーキング力が大きく伸びた!という実感はなかった。

交換留学生に期待されることはあくまでも「英語を学ぶ」ことではなくて「英語で専門分野を学ぶ」こと。そしてアカデミックな英語と日常生活で使う英語の間には大きな隔たりが。
確かにアカデミックな論文を読んだりエッセイを書いたりすることには慣れたかもしれないけど、毎日学校と寮を往復するだけでは、当然英語のスピーキング力は身につかない(当たり前だけど)。

交換留学生で渡航後に英語のスピーキング力を伸ばしていた子は、元々コミュニケーションが好きで初対面の外国人にも臆せず話しかけられるタイプだったり、英語の勉強が本当に好きで、言語学習アプリで知り合った外国人と延々とチャットしていたり、毎晩外国人主催のパーティーに参加していたりするような、outgoingな子ばかりだった。
現地の大学の勉強に加えて、これができる日本人は滅多にいないので、それ以外のほとんどの学生は大学と寮を往復して、readingとessayに追われる留学生活を送ることとなる。

英語圏の若者のように会話できるようになりたい!洋画を字幕なしで見られるようになりたい!というのが留学の動機なら、学部の交換留学より、働きながらどっぷり現地の生活に浸かれるワーホリ、語学学校+ホームステイで留学、とかの方がよっぽど良さそうだな〜と思う。

外国人の友達がいっぱいできるわけじゃない

日本でも社交的じゃなかった人が、海外に行っていきなり外国人の友達にたくさん囲まれて毎日パーティー三昧になれるかって言ったら、もちろんそんなことはない。たまにいる並外れたコミュ力の持ち主はその限りではないけど。

あとやっぱり人種ごとに固まりやすい傾向はある。
日本人は韓国人、台湾やシンガポールなどの中華系など、アジア人と仲良くなりがち。数人仲のいい白人はいても、結局ずっと一緒にいた仲良しグループは韓国人とかマレーシア人が多めだった。
これは差別とかの問題じゃなくて、文化的な背景が似ている方が単純にストレスなく一緒に過ごせるからだと思う。
(🇬🇧だけ?周りの留学経験者の話聞いてたらどこも一緒だな〜という感じがしたけど)

私のフラットにはムスリムの子がいたんだけど、食べ物や生活習慣での制約があるから、他のフラットの子達(その子以外にムスリムはいなかった)と一緒に食事をとることができないって言ってた。
人種、育った地域ごとに、仲良くなりやすい・なりにくいは絶対にある。

就職活動に有利なわけでもない

就活楽にならないかな〜と思って留学を考え始める学生もいるだろうけど、「交換留学に行きました!」だけではガクチカにも何にもなりません。

今時交換留学に行ってる学生なんて腐るほどいるし、海外大の正規生だっているし、交換留学した事実だけをガクチカにするのは、「日本で大学に行きました!」って言ってるのと変わらん。

重要なのは留学先で何をしたか(〇〇な体験をして視野が広がった〜とか、〇〇に取り組んで行動力を示すことができた〜とか)であって、交換留学に行ったという「事実」だけが評価されることはないと思う。

ちなみにボスキャリとかロンキャリに参加できれば就活有利なんじゃね?って思ってるかもしれないけど、海外選考で交換留学生を受け入れている会社ってあまりないし、キャリアフォーラム系で内定がもらえる学生は一般選考でも内定がもらえるレベルの学生なはず。

むしろ交換留学生(帰国子女とか大学入学前に海外滞在経験がある人を除く)が「海外経験」を武器に海外大正規生と戦うのって戦略として間違ってるんじゃ、、、?とすら思う。
「海外経験」✖️「(海外大正規生が経験してないような)日本の大学時代のガクチカ」の組み合わせで初めて彼らと同じ土俵に立てるんじゃない?一部のガチ優秀層を除くけど。

お金のことは意外となんとかなる

交換留学行きたいけど金銭面で渋いな〜って思ってる子(特に欧米に行きたい人!円安すごいよねいま)には、意外となんとかなると伝えたい!

私が留学先で出会った交換留学生の日本人は、体感9割がなんらかの給付型奨学金(返済義務がないやつ!)を受給していた。

ありがたいことに日本には
・年収制限なし
・成績制限なし
・交換留学生向け 
の奨学金が大量に存在していて、額もかなり大きいから、応募してみるといいと思う。
そして募集人数もかなり多いから、数打てば1つには引っかかるはず。

私の周りでもらってる人が多かった奨学金は、

業務スーパー奨学金
めちゃおすすめ!特に現地での活動や専攻に制限をかけられることもなく、月20万円くらいもらえる。あと募集人数が多い。
トビタテ!留学ジャパン
私はこれをもらっていました。留学先での実践活動がマストで、実践活動先を探したり留学プランを調整したりするのがちょっと大変。
月16万くらいもらえる。自由に留学プランを設計できるのは魅力的。
JASSOの交換留学奨学金
JASSOといえば貸与型奨学金のイメージだけど、これは返済不要の留学奨学金。あと審査が上の二つの奨学金に比べて通りやすいらしい(そのかわりもらえる額も少ない)。
うろ覚えだけど欧州の都市なら月10万とかだった気がする。

の3つ。
以上の奨学金は全部給付型で、まあ円安だし欧米にいる限り余るってことはないけど、生活費のかなりの部分はカバーしてもらえるかなって感じ。
私はトビタテ以外にも給付型の奨学金を2つもらっていたので、毎月30万円強くらいいただけていました…(多分自分の初任給より高い、ありがたすぎる)。

なのでお金のことは意外となんとかなります。

頑張れる人は場所や環境を変えなくても努力し続ける

結局これにつきます。
留学して伸びる人って留学しなくても努力できていた人だと思うし、留学しなくても頑張れる人は自分のいる場所で頑張り続けられるんだと思う。

学部の交換留学によってハードスキルが劇的に伸びる!なんてことは、正直あまりない。
異文化の中での暮らしや学びを楽しんだり、自分と違う価値観に遭遇する経験値を積んだりするのが学部交換留学の真髄だと思うので、あんまり期待せず(?)、でもできることには全力で取り組めば、実りある留学生活が送れるのではないでしょうか。完。

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