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【産休日記2】BENTO is コミュニケーションツール

産休に入り1ヶ月、仕事ですり減った体力も精神力も若干癒やされ始めた頃、生活リズムを整えるための小さなやることを探していた。

それまでは
何故か夏の朝日(5時代)とともに目覚め、朝ごはん後に二度寝。
その後パートナーの支度の音で意識を取り戻し、「いってらっしゃい」を言って三度寝。
その後空腹が耐えられなくなり、昼食後お昼寝という名の四度寝。
そこから起きたら、TV見るなり編み物するなり本を読むなりという、最低限食事と睡眠は取るがそれ以外全くしない生活が続いていた。

最初の方はそれでよかったものの、さすがに数日続けると精神も体力も逆に疲れてきた。今後の出産&育児のことも考えると、生活リズムを整えることが必要であることは明らかだったが、通院以外のやることは特にない上、単なる自律ルールだとめんどくさくて長続きしないことは目に見えていた。
何か私にリズムを与えてくれるものは無いものか。

とその頃パートナーは仕事がかなり忙しい時期だった。
朝は8時過ぎに家を出て、だいたい夜10時以降に帰宅。その後も家で数時間仕事というかなりのハードワーク。
さらに、私がコミュニケーションをとりたそうにしていたら寝る時間を割いてでもつきあってくれていた。
非常にできたパートナーである。
Big Love以外の何者でも無いのだが、ひたすら暇を持て余している身としてはちょっと申し訳ない。

何かできることはないか。
と考えた時に、需要と供給がぴったりくるものを発見した。

お弁当作りである。

彼は主な栄養を昼ごはんで摂取するタイプだったのだが、忙し過ぎて社食に行けない日もあるということと、「パートナーの健康のため」という私のモチベーションが保てるかつ嫌いでない作業、ということで、双方からしてwin-winな「やること」を発見したのである。

(と、たいそうな理由があったから始めたように書いたが、実のところパン屋でロールパンを買い、具を作ったが、全く1人では消費しきれなかったためお弁当に持っていかないか?と言い出したのがきっかけではあるが…)

こうしてお弁当作成生活が始まった。


さてまず前提として知ってもらいたいのだが、私の作るお弁当はいわゆる白米と立派なおかずから成り立つThe Japanese BENTOではなく、サンドイッチ、もしくはおにぎりなど、全部がまとまっていて一口で全要素が入りそうなものが基本となる。
なぜなら作るのが簡単かつ栄養入れやすいから。
あと弁当箱を洗う手間が省けるから。

記念すべき1週目は、ロールサンド。

1日目は、サラダ(ハムレタストマトにんじん)、タマゴ、ウィンナーポテト。
2日目は、きのことツナマヨ、てりやきタマゴ、チョコバナナ
3日目は、サラダ(ハムレタストマトにんじん)、ウィンナーポテト
4日目は、ウィンナーポテト、てりやきタマゴ
5日目は、アボカドタマゴ、ホットドック

写真を撮っていなかったのが非常に悔やまれるが、そこそこおいしいラインナップだと思う。
私も全て朝ごはんで食べたが、どれも美味しかった。

1日目、パートナーが帰宅してすぐに
「味濃くなかった?量多くなかった?明日は何個がいい?同じ具になってもいい?」
などと質問攻めの私。
一発目なので相手にとっての適が全く分からず若干不安だった。

「おいしかったよ!一番はタマゴサンドかなー」

やった!
「実はあれ、かぼちゃやブロッコリーもこっそり入ってて以外と野菜とれてるのです」
「おおーそれは嬉しい!」

おそらく野菜不足であろう彼に栄養を与えられたこと、おいしいと言ってもらえたことが非常に嬉しかった。
もちろん次の日も作る。できるだけ味がかぶらないように、たんぱく質と緑黄色野菜を入れ込めるように。

その後も少しずつ具を変えて、あれどうだった?明日はロールパンと食パンどっちがいい?などと問い合わせる。

すると、次第に彼の好みが見えてくる。
「実はサンドイッチタイプの中では、焼いた食パンが一番好き!」
「ロールパンもおいしいって気づいたよ!ちなみにロールパンは焼かない方が好き!」
「枝豆チーズおにぎり食べたことなかったけど、おいしいね!」

なんだか…
コミュニケーションとってる!!
楽しい!!

毎日少しずつ彼の反応を見て、それに返答(焼き食パンに変更など)しつつもプラスアルファで私の意思(健康やおいしさ目指して毎日味の変化)を加え、そしてまたその反応も聞く。

お付き合い開始から数えると10年、こんなにも毎日彼のことを思って何か行動をし、それに対してリアクションをもらっていたことがあっただろうか。

BENTOコミュニケーション、素晴らしい。

でも、毎日弁当作って渡してればコミュニケーションがとれていることになるのかと言ったら、多分そんなことはない。
そう思いつつ、中高の母からのお弁当を思い出す。

毎日お弁当を受け取り食べていたが、私はほとんどお弁当の内容についてコメントした記憶がない。
嬉しいおかずだった時も、苦手なものが多かった時も。
いつも台所に置き、登校前に受け取るだけでほとんどコメントなし。
強いて言えば、いつもと味が違った時ぐらいに何かあったのか尋ねる程度。

これは…
コミュニケーションとは呼べないですな…

母からの気遣いなどを受け取りはするものの、それに対して私はリアクションをしない。
そうすると、母もどう意思をプラスアルファすればいいのかが分からず単純作業となってしまう。一方通行。
6年もやっていたのに、なんてもったいない…

どうやらフィードバックが無いと、お弁当コミュニケーションはかなり浅いものになりそうだ。

と、さらに今回の件を振り返ってみる。

彼はフィードバックが上手い。
「もう毎日このお弁当だけが楽しみだよー」
「あんバタほんとうにおいしかった…」
「いつも足りてない栄養いれてくれるから、ほんと助かってるよ」

褒めるのうまいか!
私の機能としての自己肯定感ももりもり上がっていき、もっとハッピーになれるお弁当を考えるという好循環が生まれている。

もしお弁当作りにしんどさを感じたり、単に注文を聞いて作っているだけだと、これもまた弁当コミュニケーションは萎れたものになるのだろう。

お弁当コミュニケーションにおいて、フィードバック&工夫、大事。


無事出産し、お弁当が必要な学校に通い始めた場合、またお弁当コミュニケーションが始まるだろう。
その時は、毎回感想を引き出してこの深いコミュニケーションを取りたいものだ。

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