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クリスマスなど、消え失せろ!


もうじきクリスマスです。

でも楽しそうな人々に混じってただ独り、不機嫌な頑固者がいました。

それはスクルージという、銀行の経営者。事務員のミッキーがストーブを炊こうとしただけで、ガミガミと文句を言うけちん坊でした。

「あのう…スクルージさん。今夜は早く帰らせてくださいませんか。」
「ふん、いいともミッキー。だが、給料はその分差し引くぞ。」

スクルージは、金貨を数えるのに夢中です。お金を儲ける事しか、考えてないのです。

「メリークリスマス! おじさん、家に食事に来てくださいよ。」

甥のドナルドが訪ねて来ましたが、スクルージは「ふん、さっさと帰れ」と追い返してしまいました。

募金集めの二人連れが来ても、
相手にしません。
「クリスマスなど、消え失せろ!」

その晩スクルージが家に帰ると、7年前に死んだ仕事仲間のグーフィーの幽霊が出て来ました。

「相変わらずだな、スクルージ。今夜君の所に、3人の亡霊が来るだろう
彼らの言うことを良く聞いて、その冷たい心を入れ換えるがいい。」


夜中過ぎにまず、1人目の亡霊がやってきました。(ジミニー・クリケット)

「僕は、過ぎ去った過去のクリスマスの亡霊だ。えっ、随分小さいって?優しさという物差しで測れば、お前の方がもっと小さいだろうよ。さあおいで、過去のクリスマスを観に行こう」

過去のクリスマスの亡霊は、スクルージを昔の町に連れて行きました。
賑やかな家の中を覗くと、若い頃のスクルージが踊っています。

「あっ、あれは私、そしてダンスの相手はイザベルだ。あの頃は楽しかったなぁ…だけど、今は・・・」

過去の亡霊と別れたスクルージは、忘れていた優しさを思い出しました。


そこへ、今度は見上げるような大男が現れました。

「わっはっは…儂は現在のクリスマスの亡霊だ。意地悪という物差しで測ればスクルージ、お前も山の様に大きいさ。」

現在のクリスマスの亡霊は、スクルージを1軒のみすぼらしい家に連れて行きました。

「おや、ミッキーの家だな。クリスマスなのに、なんて貧しい食事だろう。それにチミーという、あの小さい子は、体の具合が悪そうだ…。」


気が付くと、いつの間にか、辺りは墓場に変わっていました。

「あっ…あなたは、みらいのクリスマスの亡霊さん?」

3人目の亡霊は、黙って遠くを指差しました。小さなチミーが死んで、哀しむミッキーの家族の姿が見えます。

未来のクリスマスの亡霊は、続いて新しい墓穴を指差しました。

「これは、誰のお墓ですか?」
「スクルージ、お前のだ!」

スクルージは怖ろしい力で、真っ暗な穴の中に突き落とされました。
「うわぁ、まだ死ぬのは嫌だぁ、助けてくれえぇ!」


ーリン、ゴーン。リン、ゴーン。ー

鳴り響く鐘の音で、スクルージは目が覚めました。

「良かった、夢だったんだ。私は生まれ変わるぞ!メリークリスマス!」


元気よく町に出たスクルージは寄付をしたり、甥っ子を呼び止めて挨拶したり、上機嫌です。

それからスクルージは、贈りものを担いで、ミッキーの家を訪ねました。

「ミッキーくん、今日から給料を増やすよ。一緒に銀行を経営してほしいんだ。」

「わあ、ありがとうございます!」

明るい笑顔いっぱいの、クリスマスです。(ミッキーのクリスマスキャロル)


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(賢者の贈り物)

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