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ドラマ『陳情令』感想(ネタバレあり)――江澄に焦点を当てて

友人に勧められて、今更ドラマ『陳情令』にハマっています。ポテト人間です。

『魔道祖師』の存在は、もちろん腐女子として知っていましたし、人気ぶりを目の当たりにしていたので、ハマったら楽しいんだろうなーとは思っていたものの、なんとなく距離を空けていたのです……が、

友人にドラマを勧められ、勧められたらとりあえず見る性質なので見たら、気付いたら1話40分の全50エピソード一週間で見てたアアアアアアアアアアフアアアアアアアアアアーーーー

見てるとき、「あ、これはやばいな」っていうあの沼にはまる感覚がひっさしぶりにありまして。見てる途中は、もう物語の感動というよりも、あーあーやってくれたなあ、どこまで面白くなるんだこれっていう感心が勝ってしまって。後からふと物語を振り返って泣いたりしました。それぐらい、物語の構成が素晴らしかったです。(お前は誰なんだよ)

ドラマはお国の規制上原作上にあるBL表現をカットし、さらに改変して、「ブロマンス」に仕上げてるんですけど、これがまた刺さりまして。最近は、ラブシーンありの所謂BLよりも、友情オンリーのブロマンスにはまっている身としては、どストライクでした。原作厨の私ですが、ドラマで満足してしまっている。こんなこと初めてです。

もちろんドラマに出てくるメインの俳優さんのイケメンさに狂わされ、メイキングに尊すぎて殺され、忘羨推しなのはそうなのですが、、、

今回は物語の感想を、江澄(ジャンチョン)に注目して述べていきたい所存でございます。

※原作は未読です。ここからネタバレありです。ご注意ください。

なんてったって江澄よ。この物語は。この愛すべきポンコツが重要なのよ。

一応説明すると、江澄は、主人公魏無羨にとって義兄弟で、喧嘩が絶えないながらも、信頼し合っていたニコイチ的存在だった人です。けれど悲劇が起きて、魏無羨が江澄の一番の憎き相手になってしまうのでした。

メタ的発言をすると、魏無羨が割と出木杉君なので、物語を進める&面白くするためには、ポンコツ役を誰かが担わないといけないんですね。それを担うのが我らが江澄です。彼がポンコツなのは疑いようがありません。

そしてポンコツくんのもう一つの重要な役割は、ずばり、メインcp(忘羨)の関係をより盛り上げること……つまり、当て馬!!……っていうのは味気なさ過ぎて良くないんだけど、あくまで物語を中立に分析しようとすると、そう見えるわけです。

味気ないと言ったけど、本当にね、江澄と魏無羨だけでも重厚な物語になると思うんだ(笑)藍忘機(メインカプの片方)いなくても成り立つってなかなか無いよ?当て馬のはずだよね……?

というのも、魏無羨の江澄の愛が純真かつ大き過ぎる&二人の絆の描き方がドラマチック過ぎて、藍湛(藍忘機)大丈夫?この愛に勝てる?って思ってくるんですよ。実際クライマックスシーンで、めちゃめちゃバチバチしてたしね、江澄と藍湛。

とにかく江澄は当て馬として優秀過ぎるんだ。エリート当て馬なんだ。(怒られんぞ)私はお前にも幸せになって欲しい。

江澄と魏無羨がTURELOVEだと思うのは、お互いがお互いのために利害を全く気にしないってところが描かれているところなんだよ。金丹の件はもちろんのこと、江澄の方も口はきついけど、最後まで絶対に自分の復讐心のために魏無羨を傷つけたりしなかったし(反論は認めます)、ただ自分の視界に入らないようにしてくれって望んでただけだった。(崖から落ちるとき刺してないんですよ!?絶対に刺せたのに!!私はあそこで息吞んだよ)それに極めつけには、最後の最後に明かされた江澄の秘密もあったしね。

彼らの関係が羨ましいのは、多分根っこに「こいつになら裏切られてもいい」っていうのがあるからだと思うんだ。相手に差し出したものがどうなろうとも構わない。だって俺はお前にだから差し出したんだ。それでいい。みたいな、見返りなんて求めないこのBIGLOVE……もう無理、泣いちゃう。

悲劇のせいで江澄は魏無羨を憎むようになったけれど、江澄の魏無羨に対する気持ちは、最後のラスボスとの戦いのシーンで明かされたようにすごく複雑だったんだよね。養子である魏無羨は、自分より能力があって、しかも人柄も良くて、誰からも愛される。父親は実の息子である自分よりも、魏無羨の方を愛しているんじゃないかって不安がずっとあった。でも、魏無羨の優しさを受け取れる人間は自分も例外ではなかったし、そんな師兄を尊敬する自分もいた。

私はねぇ、あんたもよくやったと思うよ?(誰)だって魏無羨たしかにトラブルメーカーだもん。なのにみんなから愛される(良くも悪くも目立つ)し、何でもできるし。宗主になってからは、立場と師兄の板挟み状態で本当に苦労したと思う。苦労してんのに、簡単にじゃあ捨ててくれとか言われるしね。そりゃ縁も切りたくなる。

あれだよね、兄弟がカリスマすぎて迷惑被る兄弟のそれよね。江澄、私はお前を嫌いにならずにいられない!!明らかに苦労人はお前だから!!お前呼びやめろ。

そして重要なのはここからで、16年後魏無羨が蘇って藍湛と再会して、魏無羨が「生涯俺の隣にいるのは江澄だと思ってたけど、結局は藍湛が傍にいてくれた」って何かにつけ言うんですよね。そのたびに私は心が切なくてぎゅんってするんですよ……。藍湛は魏無羨にとても一途だけど、魏無羨の方は藍湛も江澄も師姉もきっと同じくらい大切な存在なんだろうなと思うんです。陰鉄探す旅の中で、魏無羨が藍湛と江澄の手を両手に引っ張るシーンがあって、ああ、これが魏無羨のもう戻らない青春であり、一番の幸せなときだったんだなと思うと……何とも言えない……無常……。書きながらこみ上げてる。

もちろん藍湛の16年越しの想いにも涙するんですが、失われてしまった魏無羨と江澄の関係が濃密に描かれているからこそ、今藍湛が魏無羨の隣にいることの尊さや得難さが強調されるんだろうと思います。やっぱシナリオが神だ。

当て馬って一言で片付けた自分を殴りたくなってきましたね。

でもやっぱり当て馬なんだよおおおおお、エリート当て馬…………愛すべき江澄……

いや、確かに江澄言いすぎやり過ぎなシーンもあるよ。「こいつ……」って思うところもある。なにせポンコツだからね。

でも、このシナリオの面白さはこいつ抜きには語れねぇんだ!!ってことを伝えたかったのです。何せ魏無羨が江澄救うためにやったことを思うとね……うへぇん……切ないよぉ……

とにかく江澄ありがとう。愛してるよ。

みんな……幸せになれ……

(完)

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