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リアルバイオハザードな中国の公立総合病院

海外暮らしで多くの人が不安に思うことと言えば、病院だと思います。

私もいろんな国で病院にかかってきましたが、中国の地方都市の公立総合病院が、それはそれは過酷なものでした。


リアルバイオハザードな外観

まず、外観がリアルバイオハザードで怖い。

発熱外来の待合室

無機質で温かみゼロの外観。
硬く冷たい椅子
ずれているコンセントから垂れ下がっているコード類

これにコロナ禍中は全身防護服の医療スタッフがいるのです。

不安が増し増し。

一度夜中に娘が呼吸困難のような症状になって病院へ駆け込んだことがあります。深夜2時。救急外来は地下にあり、待機スタッフは2名ほどで薄暗く光る廊下は完全にゲームのバイオハザードの世界でした(笑)

めちゃくちゃ歩かされる

そして、めちゃくちゃ歩かされます。

私が行っていた第五病院と言う洒落っ気のない名前の病院では、

ゲート→アトラクションの並ぶところのような柵付きの通路を通って体温測定ゲート→少し階段を上がって病院玄関→1階窓口1で受付→窓口3で受付費支払い→2階や3階の各科の診察室前の廊下で待機(待合室は廊下に並べられた硬い椅子)→問診→中2階の血液検査室(怪我以外のほぼ全ての症状でまず血液検査をさせられる)→30分ほど待って検査結果を印刷→それを持って診察室へ戻る→診察→1階で支払い→1階奥で薬の受け取り

このような流れでした。

コロナ対策中は発熱がある場合、これに受付から徒歩5分の発熱外来へ行かされる行程が追加されます。

行ったり来たり、寒い冬も暑い夏も病院の外を歩かされたり、いや逆に具合悪くなるわ!といつも思っていました。同僚のアメリカ人も「ありえない」と文句を言ってましたね。

人数に対して圧倒的に足りない椅子

病院の中に「待合室」と言う場所は設置されておらず、診察室の前の廊下にこんな感じの駅のプラットフォームにあるような冷たくて硬い椅子が設置されています。

それが人数に対して圧倒的に少なくて、混んでいる時は本当に椅子取りゲーム状態。

中国はただでさえ人口が多くて病院も歯医者以外は個人の診療所がなく、総合病院に行くしかない上に付き添いの家族がいる場合も多いので、人が溢れていることが多いです。

なので具合が悪い人たちが立って待たなければいけないことも多いんです。

採血室は2つの窓口に多くの人が並び、採血後の止血時間に座る場所もなく、みんな立って待っていました。ほぼ全ての症状で血液検査が要求されるため、採血室は満員電車状態でした(苦笑)

厳しい医者と看護師

医者は優しい人もいますが怖い人もいます。

私は中国語は日常会話は問題ないですが、やはり聞きなれない医療用語を早口で言われると正確に聞き取れないことも多々あります。

でも見た目で外国人だと分からないため、すぐに反応できずにいると医師や看護師に「あんた聞いてんの?」「いやだからさ」とイラついた口調で言われることもありました。

検査のためにこの紙を持ってどこどこへ行って何々をしてきてください、とか言われるのを正確に聞き取るのは必死です(汗)

プライバシーは存在しない

中国の病院にプライバシー保護という概念は存在しません。

診察中に他の患者が勝手に入ってきて医者に何か質問したりすることも普通。診察室のドアは開けっぱなしで廊下で待っている人がドアの横に立ってこちらの会話を聞いています。

婦人科で下半身丸出しになる診察の時でさえ、前の人がまだ下着をつけ終わらないうちに次の人が呼ばれて入ってきます。

というか2台ベッドが用意されていて、知らない人の隣で下半身丸出し(苦笑)どういう状況よ…

こんな感じの病院で、幼い娘と2人コロナ禍も乗り切りました….。

日本で病院へ行くと、「建物も椅子も医者も看護師もな、なんて温かいんだ!」と涙が出そうになります(大げさ)

本当に日本の病院って患者の負担を減らす工夫が随所にされている思いやりに満ち溢れた天使病院です!



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異国暮らしのリリィ
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