「英語にはリズムがある」
Are you getting help from them?
「Kさん、これを0.5のスピードで音読してみてください。」
先日の英語コーチングコンサルでのひとこま。
Kさんは私の教えた通りに練習をし、その成果を披露してくれた。
狙った通りの結果を出してくれた。
繋がる音・変化する音・消える音
この3つのポイントを分かりやすくするため、
英文に黄色と赤のハイライトをつけ、
音を可視化した。
この音の可視化がKさんにはハマったようで、
ラクに、そして楽しく取り組めるとのこと。
Are you は一つの単語のようにリンキングする→繋がる音
getting の tはd に音が落ちる→変化する音
help のpは唇を閉じたままにし音を消す→消える音
ここで、Kさんがどんな方で、なぜ英語を必要としているのか、書いてみたい。
IT関係の仕事のスペシャリストで、
会社の中でも重要なポジションにいらっしゃる方。
声も話し方も非常に穏やかで、そして真摯で真面目な印象がある。
海外の人とも一緒に仕事をしているため、
英語は必須だが、
今は通訳を介しているため、
自分が英語を話すことはほとんどない。
というより、
Kさんが全く英語が話せないために、通訳をつけている状況。
ただ、通訳では自分の伝えたいことが細かく伝わらない、
と感じていらっしゃり、
意を決して英語を習得することになった。
まずは英語の土台となる、英語の音の習得、
そして、それをベースにして英文一文ずつの音読。
初めてフォニックスを知り、動画を見ながら発音練習するKさん。
1週間ぐらい経つと、すでに効果を感じ始め、
フィリピン人講師とのレッスンで、
Kさんの発音に少し変化が見られた。
モゴモゴしていた日本語の延長のような英語に、
輪郭が生まれ、
口の動かし方も大きくなっている。
こんなに早く効果が出てくるとは。。。
意外だった。
なぜなら、Kさんはベタベタのカタカナ英語からのスタートだったからだ。
そして、
冒頭の英文についても、
最初は単語一つ一つ切れた音で読んでいた。
「アー・ユー・ゲッティング・ヘルプ・フローム・ゼム?」
音源を0.5のスピードに落とし、
可視化したスクリプトを見て、
どこが繋がっていて、どこが消えているのか、
そこにフォーカスして音源を聞く。
そして、それをそのまま真似をする。
1.0のノーマルスピードで何度やっても、音の完コピはできない。
0.5のスピードに落とすからこそ、それが簡単にできる。
コンサル時にKさんが聞かせてくれた音読は完璧。
そして私がもう一度、
消える音 「helpの p 」について説明をしていると、
Kさんが突然、
「あ、p を消すことで、リズムが出る気がします」
と、おっしゃったのだ。
私はエクサイトした。
「そう!その通り!」
そして、
私が手拍子でカウントを取りながら、それに合わせて
「Are you getting help from them?」
と言うと、
Kさんもそれをそのままリピートした。
リズミカルで流暢、そのもの。
最後にKさんがもう一言、
「英語はリズムがあることで言いやすくなるんですね。」
私は「リズム」という言葉は発していなかったのに、
Kさん自身が「リズム」に気づき、
また本来の英語は、
「リズム」があることで話しやすくなる
というところまで体感してくださったことに、
本当に感動をした。
「英語にはリズムがある」
この発見は、Kさんの英語に対するイメージを大きく変え、
新しい世界を経験する第一歩となった。
そして私自身も、この面白さを伝えていきたい、
とさらに確信をした瞬間だった。