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「英語を話せることがゴールじゃない」

早朝の雷の音と光で目が覚める。

頭をよぎったのは、

停電になりはしないか。。。
停電になったらネットが使えない。。。
今日、大事な会員様インタビューがあるのに。。。
もし停電でネットが使えなかったら、
他のスタッフにインタビューをお願いするか。。。

目が覚めたと言っても、もちろん眠くて半分しか目は開いてない。
それなのに、一瞬にして不安がよぎる。

それほど、雷の音と光が強烈だった。
いつもと違う何かが、
予期せぬことが起こりそう。。。

そう思わされた。

でも、そんな私の不安とは裏腹に、
雷も雨も収まり、停電することもなく、
いつも通りに朝のコーヒーを淹れることができた。

そしてパソコンを立ち上げ、
今日の予定を確認し、メールチェックを始める。

今日は午後から会員様インタビューの予定が入っていた。

会員様の名前と入会日、担当講師を確認
お子様が参加しているクラス動画を見ながら
その子の表情や雰囲気、そして英語の発話力
お母様のサポートの仕方、など

私がいつもアンテナを張っているポイントに
照らし合わせるようにして、クラス動画を見る。

ん〜、この子イメージしてたのとは対照的に、
けっこう発話がないなぁ。。。
何となく自信もなさそうだし。。。

6歳で、しかも入会から2年だよね。。。
担当講師のことも大好きだと聞いている。
だから、もっと明るくて堂々としてるのかと思った。

ん〜、これはお母様のサポートに何かあるのか。。。

もしくは、英語に触れるのは週一のクラスのみで、
それ以外は全く英語に触れてないのかも。。。

一つのクラス動画だけでは何か掴めないなと感じ、
二つ目のクラス動画を見始める。

二つ目のクラス動画を見ても、
受ける印象はほとんど変わらない。

ただ、お母様は必要なサポートを、
ここ、というタイミングでしていることは分かった。
それを見て、
「あ、この子は大丈夫だ」
と思った。

そしてインタビューが始まった。

とても物腰柔らかなお母様で
ふんわりとした雰囲気のある方。

その隣には、
何かあればすぐにでもママの腕の後ろに
顔を隠してしまいそうな
シャイな女の子がいた。

クラス動画で見た同じ表情で
その子はインタビュー画面に現れた。

その女の子の様子や表情を横目で気にしながら
私は用意していた質問をお母様に尋ね始めた。

話を聞くほどに
お母様と私の間の共感や信頼感が増していくのを感じた。

そしてもちろん、
その女の子にもおしゃべりするような語りかけで
いくつかの質問をし
その子が声を出せるように
そして、そこに共感と受容のエネルギーを私から発し
その女の子が少しでも「うれしい」と感じてくれることを
願っていた。

正直、今回のインタビューは
そんなにいつもと変わり映えしない内容になるかな、
と思っていた。

でも、お母様が何気なく発した次の言葉に
私は一瞬、固まった。


「英語が話せることがゴールではないので」

私のアンテナがその言葉に一気に張り巡らされたのを
体中に感じた。

そのため、一瞬、私は固まった。

「そこ、もっと知りたい」
「どういうこと?」
「普通、子どもに英語を習わせたいという親は
"英語を話せるように”って思っているのに」

後でインタビュー動画を確認したら
やはりこの瞬間、私の表情と体は1秒か2秒、止まっていた。

そして私はメモ書きをしていたノートから
ゆっくり目線を上げて画面にいるお母様を見て

「あのぉ、では、お母様にとって、
お子様の英語学習における ”ゴール"は何ですか?」

と聞いた。

「う〜ん、なんでしょうね。。。」

え?
そういう感じ?
意外とゴールについて明確ではないのか。。。

英語コーチングの世界では
ゴールを明確にすることは、必須中の必須。

でもこのお母様にとっては
「英語を話せることがゴールではない」
ということが
お子様の英語学習における目標、つまりゴールなのだ。

お母様の言いたかったことは
今の子どもの様子だけを見て
英語が話せているかどうか、そこにばかりフォーカスしないで

どんなふうに英語と付き合っていくのか
英語と寄り添っていくのか
英語がすぐ隣にある人生を送るのか
英語を通して広がる世界を経験していくことの面白さ

そんなことをもっと長い目で見ていきたい

そう感じていらっしゃるとのこと。

なんと素晴らしい!

このお母様ならではの
個性が光るインタビューになったと確信した。


「英語」という言語のツールを通して
どんな世界を味わいたいのか
何にワクワクするのか

ここを軸にして
一つ一つ必要なステップを
あなたが、そして私が「楽しい」と思える方向性でやっていく

そうすることで
気がついたら英語を使えている自分になっていて
その世界を楽しんでいる自分に出会える

そんなことを今回のインタビューで気づかされた。

そしてこのお母様の眼差しの中で
あのちょっとシャイな女の子は
少しずつ英語を受け入れ、楽しみ、オープンになっていき、
英語で広がる世界を味わっていくだろうと
温かい気持ちになった。



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