納税と社会保障。
父が9月に眼の手術をしました。
他にも、ぜんそくや前立腺がんを煩い、通院しています。
そのため、高額医療補助の対象になるので、9月分の医療費が少し、返還されるとのことで、申請書を持って役場へ行きました。
(※高額医療補助は自治体、所得などの細かい条件で変わってきます)
受付で
「税務課に繋ぎます」
と言われて、なんだろと思いながら、待ちました。
「この還付金は国保税の納税に充ててください。」
「えっ?国保税…?」
「滞納されてますよね?」
「滞納というか、確定申告をしてから、納付書が届いて月に3万も払えないので、8月から前倒しで分納にしてますが?」
(※現状の所得は減ったけど、前年は所得があったので、国保の納税額が高すぎて分納の相談をしました)
「しかし、当初の計画より納税額が少ないので、この計画だと来年までに完納できませんよ?」
「知ってます。でも、父が眼の手術をしたり、泌尿器の方でも、治療方針が変わったので、一度に払う医療費が変わってきてしまって…でも、来年の6月までになんとか、払います。」
「しかし、この還付金は国保税から出てますので、国保税の納税に充てて欲しいんですが…」
「いや、そう言われても。このお金は私の手元に入るお金ではないので。それにこのお金で、水道代を払う予定なんですけど。」
「このお金は国保税から出てますので、国保税の納税に充てるようにご理解してもらえませんか?」
「いや、あの…いきなり、そう言われても困るんですけど。」
「このお金は国保税から出てますので、国保税の納税に充ててください。」
なんか、この人、イラつくな。
確かに滞納してる方が悪いし、少しでも納税に充ててくれというのはお役人さんなら、分からない理屈ではないけれど…
それにしたって…
ちょっと、お兄さん。
もうちょっと言い方があるんじゃない?
そんなに何度も、国保税から出てるって念を押さないでくれる?
遠回しに税金ドロボーって言いいたいの?
ドロボーじゃないし
税金から出てるのは知ってるし
滞納というか、納税が追い付いてないのも、知ってるけど
だからって、余った金があるなら、全部、納税に充てろって言うのはちょっと、話が横暴なんじゃない?
税金さえ、払っとけば生活できるわけじゃないんですけど。
解せないことは色々とあるけれど、今、ここで声を荒げたとこで、いきなり明日から国保税が下がるわけでもない。
「とりあえず、今回は今まで通り、振り込んでもらえますか?また還付金があったら、納税に回せるかどうか、父と相談します。」
「そうですか。でも、このままでは完納できないので。国保税から出てるものですし、納税に充ててもらいます。」
「えっ?返って来ないってことですか?」
「振り込みをせず、このまま納税に回すこともできるので。」
「いや、困るんですけど。さっきも言った通り、他にも支払いがあるので。」
「そこは国保税から出てますので、どうかご理解ください。」
いや、待ってよ。
ご理解も、なにも!
それとこれとは話が違うだろう。
還付金を強引に納税に回すなんて…
これって、合法なの?
合法だとしても、国保税から出てるって念を押して、人をまるで税金ドロボーみたいに言うなよ。
しかも、他の役場の人にもやり取りは丸聞こえ。
それはそれで、とても屈辱的だった。
だからって、引き下がるわけにもいかない。
「いえ、困ります。私の手元に入るお金ではないし、他の支払いもあるので。」
「じゃ、ちょっと上の者と相談します。」
しばらく待つと
「上の者と相談しまして、今回は口座に振り込みにさせてもらいますが、なるべく還付金は納税に充ててください。」
「…はい。」
家族4人で、年間の国保税は約190,000円。
月々30,000円~35,000円の支払いになる。
とても、払える金額ではないので、分納の相談に行った時も
「お父さんの国民年金と、お兄さんの障害者年金などを合わせると、支払いできないことはないと思うんですけど?」
と言われて、空いた口が塞がらなかった。
「お兄ちゃんの障害者年金を全部、取り上げて月々の生活費を差っ引いて、お小遣いを渡せって言うんですか?それじゃ、なんのための障害者年金か分からないし、多少はお金の管理ができないようでは将来、親がいなくなってから、困るんですけど。」
私がそう言うと、隣にいたベテラン風のおじさんが、まぁまぁと間に入ってくれたけど
私はもういいですと言って、とにかくなんとか払いますからと役場を出て行った。
その舌の根も渇かないうちに今回はこれだ。
190,000円程の納税額に対して、今回の還付金は約7,000円。
たった7,000円。
されど、7,000円。
私は溜め息をついて
繰り返し、考えた。
お役人さんとしての理屈は正しい。
滞納してるのは確かに悪い。
それぐらい払えないなんて、どんな生活してるんだと言われるのも承知だけど
それとこれとは話が別だと思う。
どう考えても、別なはずなんだ。
高額医療補助は社会保障の一環だし
申請してくれと書類が来たから、申請したわけで。
それを強引に納税に充てろなんて…
横暴が過ぎる。
それとも、滞納してる以上は仕方ないことなのかな。
それにしても、税金を滞納してる人は1円の無駄遣いも許さないと言わんばかりのお兄さんの物言いが、なんとも言えない重石が胸に落ちてくる。
税務課の人って、みんなこんな感じなんだろうか。
でも、今まで、ウチの自治体で税務課からこんなことを言われたことはなかった。
やっぱり、繰り返し、考えてしまう。
本当は合法か、違法かなんてどっちでもいい。
とにかく、今日を生きることに必死な人間もいるってことを分かって欲しい。
そして、国の制度や自治体の制度も、そういう優しさや、柔軟性を持っていて欲しい。