大学の入学式へ向かう女の子の話
こんばんは。今年は桜の咲く時期がずれて
桜の花に包まれる入学式になっていますね。
漫画やアニメ、ドラマの中だけかと思っていました。
さて、今回はそんな素敵な春に
恐らく大学の入学式へ向かう女の子との一幕です。
先日のマダム同様、今回もこの日限りの知らない方です。
通っているスクールに行く際、電車をいつも利用している為
いつものように私は駅へ向かっていました。
丁度、駅の入り口付近です。
ブラウスにリボンが付いている可愛らしいスーツを身に纏い
髪を巻いて、ハーフアップにした髪をリボンで飾っている
とても可愛らしく、初々しい女の子がいました。
「あら、可愛い子がいる。」
「大学の入学式かな〜?新生活だね、ドキドキだね〜。」
そんな事を心の中で思いながら、その子をチラリと見ていたら
スーツのスカートにしつけ糸がついていました。
脳内BGM、天国と地獄が流れはじめました。
恐らく身につける事が初めてのスーツ。
そうだよね、分かんないよね!?
女の子と私の距離は5メートル程。
運良く、周りに人は少ない。
よし、行ける。
この間、約2秒。
急いで走って追いかけ、肩を叩き、声を掛けました。
女の子はイヤホンをしていた為、とても驚かせてしまいました。
ごめん。本当にごめん。
「お嬢さん、突然ごめんなさいね?」
「スカートのしつけ糸って、外しました?」
見間違いだったら謝って逃げるつもりで聞きました。
(後から思いました、それはただの不審者だと。)
女の子は少し焦ったように
「え?外してないです…!」と言いました。
見間違いではなかった事に少し安堵しつつ
(女の子ごめん。)
「そのしつけ糸ね、外して良いものなの。」
「大丈夫、簡単に手で外せるよ。」
「あとでお手洗いに入った時に取ってみて。」
「大丈夫、大丈夫!頑張れ!」
微笑みながらそう言って、先を急ぐ女の子を行かせ
私は先を急いで無いため、のんびり歩いて改札へ向かいました。
駅のホームについて、電車を待ちながら
「分かんないよね〜、初めてだもんね」
「驚かせちゃったなぁ、申し訳ないな…」
と思いながら、私はその時ハッとしました。
大人の余裕を持った感じで伝えましたが
私の服装
・パーカー
・スキニー
・スニーカー
おまけに、女の子よりも身長が私の方が低かった為
完全に小生意気な女になっていた事に気づきました。
年上だと分かってくれていたら、ありがたいですが
顔なんて分からないし、服装で大体判断しますからね…。
変な女に、ドヤ顔で注意されたんだけど。
とか思われていないと良いなぁ…と思いながら
ホームに停まった電車に乗り、遠い目で窓の外を見つめていました。
服装…普段は気をつけてたのに…
日頃から気合い入れないといけませんね…
そんな事を学び、初々しい子を送り出した春の日でした。