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飼い主の私ができること① 愛犬の目が見えていないと知ったとき 

愛犬の目が見えていないと知ったとき

進行性網膜萎縮症で失明した愛犬と過ごした日々を振り返りながら記しています。病気自体は残念なことですが、飼い主として出来ることを模索しました。10年前に旅立った愛犬への感謝の想いも込めて。
参考になりましたら幸いです。


異変を感じて

元々、動物が苦手だった私が、縁あって迎えた子犬を育てることは想像以上に大変でした。

愛くるしい笑顔に大きな目、その目は緑色に光っていました。

家族に迎えて1年くらい過ぎた頃だったか、少し前からボール遊びをしなくなったこと、お散歩でつまずく様になったことが気になるようになりました。

ただ、変わらず活発でしたので、まさか目の疾患があるとは夢にも思いませんでした。
あるとき、壁に向かって勢いよくぶつかりました。

検査を受けて

近くの動物病院を受診すると、すぐに大学病院付属の動物医療センターを紹介されました。

胸騒ぎを覚えつつ、紹介状を持ってセンターに検査で預け、半日後に迎えに行くと、思いもよらない病名を伝えられました。

遺伝性の眼の疾患で、網膜の視細胞が徐々に機能を失い、最終的に失明に至る病気 進行性網膜萎縮症 でした。

犬の目が緑に光る原因は、網膜と脈絡膜の間に存在する緑色の反射層であるタペタムに光が当たっているため。タペタムは、網膜の視細胞を通り抜けた光を反射して視細胞に戻すことで、弱い光でも感じ取れるようにしているとのこと。

わたしが可愛いと思っていた、緑色の大きな目は、瞳孔が散大してタペタムが見えている状態だったことを、そのとき知りました。

そうか、そうだったのか、弱い光を感じ取りながら暮らしていたのか・・・

診察時には既に失明しており、光さえ失っていました。
平均寿命が15歳といわれるミニチュアダックス。
そのとき、私の犬はまだ2歳でした。

泣きながら帰宅

この先どうしよう、目が曇って運転できなくなるほど泣きました。
助手席でニコニコと微笑む、この犬の目はもう一生見えないの?
この子は私の顔をもう二度と見ることはできないの?

突きつけられた現実に、とにかく悲しくて辛くて、どうやって家まで帰ったのか覚えていません。

できることを探す

ただ、救いだったのが、犬自身に痛みがないこと、治療も投薬も必要がないこと、そして、既に去勢を済ませていました。

治療も投薬も必要ない・・・それはすなわち、この病気が治る病気でないことを意味するのですが、この先どうやってこの犬を育てていくか、飼い主の私に何かできることはあるのか。

泣いていてもしかたない、なんとかしなくちゃ、私が、この犬の目の代わりになる。
何が出来るか、それらを模索する日々が始まりました。


目が見えない犬の飼い主としての想いや取り組んだことを当時を振り返りながら記しています。暫く続きますので、お付き合いいただければ幸いです。


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