セントラル・パークより、愛を込めて
お元気ですか?
私は今、ニューヨークのセントラル・パークにいます。
とても暖かい春の日です。
木陰でピクニックシートを広げ、パソコンを開いて、座っています。
雲がゆっくり流れ、風は少し肌寒いです。
辺りを通り過ぎてゆく人たちの言葉は、毎回違う言語です。
芝生の匂いが、夏が近いことを予感させます。
気づくといつも、この公園に来ています。
嬉しいことがあった時も、
悲しいことがあった時も。
まるで親友に会いにいくかのように、心が落ち着きます。
そして教えてくれます。
答えはいつでも、自分の中にあるよ、と。
木漏れ日が差し込む中、子供達が走り回っているのを見ていると、少し昔を振り返りたくなりました。
この街に、希望が詰まったパンパンのスーツケースを2つ転がしながら、やってきた5年前の日のこと。
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まだ家も決まらず、ニューヨークの空港に到着。
ホテルの中で、たくさんの物件を探し、内見に行き、なんとか一週間で決まった部屋は、とてもとても狭かった。
Studioアパートで、中は綺麗に改修されてたけど、外観はボロボロだった。
それでも、私には関係なかった。
家が決まり、夢に描いた初めての一人暮らしを、この憧れの街NYCで始められることに胸を躍らせていた。
22歳の夏だった。
音大の大学院に受かり、夢への切符を自分の力で掴んだ、そんな自分が誇らしかった。
どんな出会いがあるだろう。
どんな挑戦をしよう。
ワクワクしかなかった。
あの日から5年経った今も、私はニューヨークに住んでいます。
あの頃の自分と同じく、ワクワクしています。
でもあの時よりももっと静かな、内なる胸の高鳴りに近いです。
コロナも、恋愛も、別れも、挫折も、Quarter Life Crisisも経験した私は、あの頃よりひとまわり成長したはず。
少なくとも、そう信じたい。
自分とは何で、自分の幸せとは何か。
大都市にいるからこそ、見失いそうになりました。
そのおかげで、より深く自分を見つめ直すことができました。
今日もニューヨークは美しいです。
また書きます。
セントラル・パークより、愛を込めて。