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ℤ9を買いました

Nikonのミラーレスのフラッグシップ「Z 9」を購入しました。

表題は装飾文字でロゴと同様に、上記では正式表記の通りZと9の間に半角スペース入れましたが、以後は「Z9」で表記統一します。

先日、写真の専門学生から「なぜフラッグシップモデルを購入したのですか?」とご質問いただいた際に、ちゃんと整理ができていなかったので、自分の備忘録も兼ねて、気持ちが新鮮なうちに書き残します。

ざっくり言うと、
・撮りたいと思い描いていたシーンをZ6では撮り逃すから
・仕事として受ける機会が増えたから
・使わなくなった時の価値の高さ
の3点です。

想像を顕在化する、撮り逃したくない一瞬

Nikonに乗り換えてからは、DXのレフ機2台、FXのミラーレス機2台をそれぞれ使い、今回は、Z6・FTZをZ9・FTZⅡに入れ替える形でZ9を導入しました。現在はD500とZ9の2台持ちです。

・D7100 2014~2021
・D500 2018~現在
・Z6 2021~2023
・Z9 2023~現在

D500はメーカーも「最強」と謳っている通り、APS-Cのフラッグシップということで、物凄いカメラです。とにかくAFが食いつく。
一方でこれまで使ってきたZ6はZマウントの初代機ということで、まだまだAF追従に伸び代を感じてしまう機種でした。

そもそもなぜZ6を買ったのかというと、下記3点。
ミラーレスを試してみたかった
フルサイズを試してみたかった
・Z6Ⅱが発売され、型落ちのZ6の中古価格が下がった

実際にZ6を使うことで得意苦手をそれぞれ感じました。
得意:フルサイズならではのダイナミックレンジの広さ。白飛び黒潰れ耐性。何よりミラーレスの恩恵、軽くて持ち運びが軽快
苦手:動きもの、特に画面内で奥行き方向に動く被写体の追従

つまるところ「軽くて持ち運びやすく、画質も良い。しかし、撮りたいシーンが撮れてないことが多い」という印象を持ったのです。

この「撮りたいシーンが撮れてない」ギャップを解消するために最強のAF性能を持ったZ9を選びました。

カメラの方に向かってくる被写体に、Z6はとにかく追いつかないんですよね。
・野球だと、三塁側で撮影していて、一塁から走者が二塁を回って三塁に向かってくるシーン。
・トライアスロンだと、バイクやランで奥から手前に向かって走ってくるシーン、逆に過ぎ去った後の背中の追従。
Z6ⅡやZ7Ⅱは試していないので、AFが自分の求める水準まで改善しているのかもしれませんが、ではなぜZ9にしたのかは次の項目で。

信頼される業務仕様のフラッグシップ

有り難いことに副業で撮影でお金をいただける機会が増えてきました。クライアントの要求通り納品するためにも「より確実に撮れる」を選ぶことに迷いはありませんでした。

その上でD6ではなくZ9にしたのは、ざっと思いついた下記3点。
・メカニカルシャッターレスのため、シャッター耐久回数という概念がなく、オーバーホールでのシャッターユニット交換を省け、ランニングコストを抑えられる。
・コンサートなど無音が求められる現場で、サイレント撮影の操作性が高い。
・4500万画素と高画素によるトリミング耐性がある。(DXクロップで1900万画素も残る⇔D6やD500は約2000万画素)

クライアントも同じ条件下で最高の機材を持ってる人と、持ってない人なら、持ってる人に依頼したいですよね。

あとは、本業もプロフォトグラファー相手の撮影関係の仕事をしているので、自分も相手と対等に話せるように、というメリットもあります。

中古市場での価値の高さ

今回購入するにあたり、Z6とFTZを下取りに出して、その合計は10万円弱。
Z9新品の相場が63万円(2023年2月購入)ということで、差し引き53万円しました。
一方、購入日に確認した中古買取価格が(下取りクーポン利用など条件が整うと)48万円近くあり、仮に今すぐ使わなくなったとしても「5万円でレンタル利用した」くらいの傷の浅さで済みます。

Z9は他社のフラッグシップや、Nikonの一眼レフのフラッグシップD6より安価な設定ですが、情勢次第では値上がりするかもしれませんし、資産として持つにも良いタイミングなのでは、とも思っています。

いつかZ9を売却することがあれば、それまでにしっかりと元を取るほど撮って、価値が高いうちに手放し「53万円で買ったけれど実質無料だった」って言いたいですね(笑)

Z9に対する使い方の懸念

一番はやはり「大きさ」「重さ」です。
大きさに関しては、現在使っているカメラバッグに入れる時の向きを変えなければ収まらないし、重さに関してはZ6ほぼ2台分の重量があります。

気軽に持ち運べないことも難点ですが、手持ちが大変になるのもまた難点。シェイクダウンした際に、FTZⅡを挟んで70-200mm f/2.8Eを使ったのですが、FTZⅡのマウント耐荷重を考慮して、ボディではなくレンズを持たなければならず、常に重い。翌日を待たずして右肩に筋肉痛が走りました…。

あとは「データ量の増加」です。
4500万画素×秒間20コマって、Z6の2400万画素×秒間12コマの、約3倍です。データ容量をかなり食いますし、現像作業していてPC側のメモリにも影響してくる部分。内容によっては事前に画素数を落として撮るようでしょうか。

この辺りは最適解を自分の中で見つけていきたいと思います。

懸念していたけれど大丈夫だったこと

購入前に一番気にしていたのはローリングシャッター歪みです。
Z9はメカニカルシャッターレスということで、電子シャッターしかなく、これが「シャッター耐久回数」という概念がなくなるメリットもあるのですが、一方でローリングシャッター歪みが懸念されました。

知り合いのC社ユーザーの電子シャッターでの野球作例を見た際に、高速で動く部分(スイング中のバット、ピッチャーの投球モーション)に看過できない歪みがありました。
Z9はセンサー読み込みが高速化され、大きく改善されているとは聞いていましたが、自分が撮るシーンで実用的かどうかは気になるところ。

購入前にレンタルすれば良かったのですが、Z9ユーザーのプロフォトグラファーに聞いてみたところ「特に不便を感じることはない」とのことで購入し、実際に野球撮影で試用したのが下記のサンプル。

Z9 + AF-S NIKKOR 300mm f/2.8G ED VR II
ISO200 F2.8 1/2000s

全く歪みがないです(笑)

あと自分のフィールドでは、自転車のロードレースで真横から撮影し、ホイールのスポークが歪まなければ、何も言うことはないです。

今後のレンズ検討

現在所有するレンズは以下の通り。
[F] 300mm f/4E
[F] 70-200mm f/2.8E
[Z] 24-70mm f/2.8S
[Z] 28mm f/2.8
[F] TC-14E Ⅲ

徐々に更新していければと思っていますが、まず試したいのが
[Z] 400mm f/4.5S
[Z] 26mm f/2.8
の2本、そして余力があれば、
[Z] 70-200mm f/2.8S です。

Z100-400も試用しようとは思っているのですが、400単にしたのは、
・普段からAPS-Cに300mmをつけていて、ちょっと引きたいと思っていたところ
・このレンジの望遠ズームは久しく使っていないこと
・単焦点ならではの解像感の良さ
・ズームより開放F値2/3段分の明るさ
・何より操作上の迷わなさ
という理由でして、早速1ヶ月以内にレンタルしようと思っています。
その際には、300mm f/4EにTC-14E Ⅲをつけたものと、AF追従性、解像度に関して比較するつもりで、入れ替えの検討材料にします。
(それでも300mmを手元に残しておくべきなのかなぁとも思う)

また、26mmは既に28mmを置き換えるつもりでいます。より広い単焦点で、パンケーキレンズなので超薄型、しかも作例を見たらパキッと写ることに驚きました。28mmより高額ですが、その価値ありそうです。

本音はZ5とか軽量フルサイズミラーレスに26mmをつけることで、機動力をMAXにして、ポテンシャルを発揮させたいところ。ロードバイクで出かける時に、Z5+26mmだけ持って行って、さまざまな景色を眺めながら進めたらな、と将来的には思っています。(個人的にZ30のフルサイズ版がほしい)

一方、ZマウントのレンズばかりになるとFマウントのD500を使う機会がだいぶ減ってしまうのですが、D500は絶対に手放せない思い入れのある機材のため、70-200はZに更新しなくても良いかな?という気もしています。
Z9にFの70-200をつけていても、これ以上の欲が出ないので。

代わりに85mmの単焦点(F1.2は自分にはスペックオーバーなのでF1.8)あたりをポートレート用にも使いたいところです。以前、Z85mm f/1.8Sをレンタルして人物撮影した時、良い意味で癖がなくてとても良かったことを思い出します。

さいごに

「ちょっと無理してでも、背伸びして良いものを持つと、それに見合うような自分になろうとする、見合う自分になる」

形から入るってとても大事だと思うんです。
今の自分にはまだまだ釣り合わないかもしれませんが、きっとこのカメラと仲良くなって、使いこなせているときには、自分もそれだけ成長しているということだと思います。

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人が夢中になったり、壁にぶつかっても向き合って励んでいたり、好きなことに熱中している時の表情って、とても素敵で、誰しもが主人公。

これからも、自分が主人公として写していただいた喜びが原点であることを忘れずに、大切な人、応援したい人の想いを、温かく、熱く撮って、届けたい。

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UNSTOPPABLE, Nikon Z9.

継続した撮影活動のため定期的に機材の点検修理を行っています。 もし私のご活動をサポートいただける方がいらっしゃいましたら、機材経費に充てさせていただけますと幸いです。