【撮影解説】夕陽×影×浦大輝
秋の神宮、三塁側から射す西陽。
この光を知ってしまったら、この時間がずっと続けば良いのに、って思ってしまいます。
今回の1枚
【POINT】
・バックネット裏から「ド順光」
・背景にできた影で被写体を引き立てる
【球場】明治神宮野球場
【試合】2018.11.01 東京六大学秋季フレッシュトーナメント
【選手】立教大 浦大輝投手(高松商高)
【カメラ】Nikon D500
【レンズ】AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-ED
【設定】300mm ISO400 f/5.6 1/2000s
撮影想定
2017年に三塁側にビル(日本青年館ホテル)が建ちました。
これが秋の夕方になると三塁側からグラウンドに大きな影を落とします。
時間帯によっては内野が日向、外野が日陰、外野スタンドが日向と…。
このビルが秋の夕陽を遮り、打球も見にくくなり…写真も撮りにくくなってしまいました。
でも建ってしまったなら仕方ない、その影を使ってやる!!!
と言うわけで背景に影を持ってきて日向の被写体を引き立てる作戦。
以前の記事でも紹介したパターンです。
今回はバックネット裏(ホームよりやや一塁側)より右投手の狙い。
右投手は左打席よりやや一塁側、左投手は右打席よりやや三塁側が、
構図の中で投手の動きがクロスするので好きなアングルです。
球場環境
東京六大学新人戦はリーグ戦と違い全席自由席。
観客も少なくアングルを探しやすい機会かなと。
今回は上記の撮影想定で詳しく述べたので割愛。
神宮球場のバックネット裏スタンドは、グラウンドからそんなに高くない高さに位置しているのでありがたいです。
機材設定
神宮のネット裏からマウンドはAPSC×300mmで良い感じ。
露出は晴れの定番、一段絞ってF5.6にしてます。
キットレンズなどでテレ端300mmの開放F値が5.6や6.3の場合は開放で良いと思います。
また、オリジナルはこんな感じ。実は縦アングルです。
既に足元に影がやってきてしまったので、縦のままでは作品として使いにくかったので、大胆にトリミングしています。
解像度の高いレンズを選ぶとトリミング前提で撮れるので撮影の幅が広がると思ってます。
また、背景と被写体の明暗差を出すためにコントラストを大きく調整し、
夕陽に照らされている感が欲しかったので、色温度を少し下げました。
終わりに
野球に限らずスポーツの撮影ではストロボを使わない(使えない)ために、
キャッチライト(瞳に写っている光)がなかなか表現しにくいのですが、
今回は順光のためにキャッチライトを入れることができました。
普通、写真集とか見てるとポートレートは逆光×フラッシュでキャッチライトが入っているので、全く反対の環境条件になるかな。
次回はバッターが打席で構えている、よくある写真を紹介しますが、
「このアングルで撮ると、この打者がよく見える」を研究した1枚なので、
楽しみにしていてください!