雑記_虎の威を借る狐になりたくない

こんばんは。りりです。

ありがたいことに最近、お会いした自問自答ガールズやお洋服・靴・ハイブランドなどジャンル問わず店員さんなど人にバッグをほめていただくことがとても多いです。

この時の鎮魂歌バッグです。普段使いのリュックと雨の日用の合皮のバッグを除けばバッグはこれしか持っていません。これを超えるときめきに出会うことがあるだろうかと不安になりながらも、そのかわいさにひれ伏すしかない大切なバッグでした。

「バッグは自己紹介」
そう考えた時にこのバッグで紹介したい自己は何だろう?「このバッグが好きです」「これを最高だと思う価値観をわたしは持っています」そんなことで十分なんだと思う。ファッションは宗教ではないし、わたしはあきやさんの「この通りでなくてもいいのですよ~(あの笑顔)」という懐の深さが好きだ。

ただ、いつからか違和感を持つようになっていたのも事実だ。わたしは恥ずかしながら目下自分探し中の身であり、何とか自分を大切にするために少しずつ曖昧な輪郭をはっきりとさせていく作業をしている。自問自答をはじめて試着にも慣れ、流行病の影響ですっかり引きこもりが板について苦手になった『人と話すこと』も楽しいと思えるようになってきた。
きっと良い変化なのだと思う。生活や好みが変わっていく自認はあるがわたしのあのバッグがとっても魅力的なことは変わらないしこれからもずっと一緒にいたいと思っている。

身も蓋もない言い方をすれば「あのバッグを持っている人」になるのが不本意なのだ。靴探しの最中に考えていた、「このブランドのこの靴(バッグ)にふさわしい自分でいること」ができていない、と思っている。

3月に靴を買った。わたしを導いてくれる、いわばホワイトラビットのような存在のその靴は実は思った以上に履けていない。天気の悪い日は避けるし今年は暑くなるのが早く、パートを始めたこともあり単純に機会が少なかった。だから寒くなっても履けるように今から暖かい履き心地の良さそうなタイツとお手入れに必要なものを探したりしている。22センチ対応のシューキーパーはコロンブスにあるけれど実際入れてみないと役に立たないかもしれないのでまだ買えていない。それでもまた早く履きたい、新しい場所へ行ってみたいと思っている、大切な靴だ。
見ての通りハイブランドではあるが、わたしはなぜかこの靴に親しみを感じている。それはハイブランドの中では法外なお値段ではないとかブランドの立ち位置的な話では決してない。しっかり高いと思いながら買ったし高いと思いながら履いて高いと思いながらソールの裏張りをお願いしている。この靴にはブランドの歴史とロマンが詰まっておりかつわたしの足に合う。それだけの価値があると納得したうえで、長いお付き合いができると確信したうえで選んだものだ。

一方であのバッグはわたしがあのブランドのあのデザインが欲しいという具体的な欲望をもってして手に入れたものである。その選び方が悪いというわけではない。ないけれど、購入してから約8年(!)、あまりの値上げと希少価値によりファッション性よりもその値段ばかりが独り歩きしている気がしてならないのだ。それでもわたしはこのブランドに魅力を感じているのでいそいそと店舗に出向きとても高価なバッグを持たせてもらいかわいいですよねしか言えなくなって品番を控えてもらった名刺に一緒に記載された値段を見て新鮮に高いなあと驚いている。このサイズなら何とか買えるかな?と無意識に考えてしまう。一言で言えば身の丈に合っていないということなのだろう。でも、当時は高いと思いながらも買う決断ができたのだ。無論非課税で5億もらえるならば今も迷わず買うと思う。ただし買ったとしてそれ以上でも以下でもなく、「そのブランドのバッグの人」になるだけなのだろう。繰り返しになるが未来を想像出来る買い物をしたいというのは結構大事にしている価値観だ。

8年も経つとバッグもさすがにくたびれてくる。推奨されていないようだが近いうちにお直しに出すつもりでいるが、わたしはあのバッグが手元にない期間人と会えないかもしれないと思って今まで出せずにいた。自信が持てなかったのだ。無意識にそのブランドぢからに甘んじていたところがあるのだと思う。着たい服が変わってもすぐに服は買わないで、本を読みましょう、とあきやさんが言っていたことを思い出す。実際今の服に違和感はあれど、何を着ていいのか、何が着たいのかわからなくなっていたわたしは素直に(本はあまり読んでいませんが)服を買うのをやめアクセサリーと靴とバッグの試着するようになった。靴を選びアクセサリーを選びメイクを変え髪型を変えた。自分に自信が少しずつ戻ってきたからこそバッグのちからに頼り過ぎていた自分に気づくことができたのだ。

高いなあと新鮮に驚きながら、それでもこのバッグがある生活がしたいと思ってしまったうえこの人から買いたいと思える販売員さんにも出会うことができたので、近々またカードを切る予定である。パート主婦の身の丈に合わないという価値観の人もいるかもしれないが関係ない。わたしは収入がなくなる時期を見越して会社員を頑張ってきたしプラマイゼロにはならないが新しくパートを始めた。収入だけの話ではなく心の変化を自分でも認めてあげたい。認めてあげられる自分でありたい。

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