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留学とキャリア形成~グローバル人材とは~
こんにちは!
先日、交換派遣留学生対象の「海外体験をキャリアに活かすためのワークショップ」に参加しました。講師は30年間で1万人を超える留学生と接し、留学希望者や留学生帰国者対象に留学・キャリア講演をしていた方です。留学をキャリアに活かすプロですね。
そこで今日はグローバル人材とはなにか、グローバル人材に必要な要素を留学で身につける方法、留学をキャリアにつなげる方法について紹介します。
内容は参加したワークショップに基づいています。
留学前の人、留学中の人、留学から帰ってきた人、必見の記事です。ぜひ最後までお付き合い下さい。
グローバル人材とは
今日あらゆる企業が「グローバル人材」を求めています。ところで、グローバル人材とはどういう人物のことを指すのでしょうか。英語がペラペラな人?海外の文化に精通している人?
池上彰さんによるとグローバル人材とは、
「世界に通用する人間であると同時に、日本の良さも自覚した上で働くこと
のできる人材」
( 独立行政法人 国際協力機構:池上彰と考える「グローバル人材とは何か」より)
また、グローバル人材育成推進会議によると
「グローバル人材とは、世界的な競争と共生が進む現代社会において、
日本人として のアイデンティティを持ちながら、広い視野に立って培われる
教養と専門性、異なる 言語、文化、価値を乗り越えて関係を構築するための
コミュニケーション能力と協調 性、新しい価値を創造する能力、次世代までも視野に入れた社会貢献の意識などを持った人間」
(経済産業省. 2011年6月22日.『グローバル人材育成推進会議 中間まとめ』 グローバル人材育成推進会議)
まとめると、
1, 日本人としてのアイデンティティ
2, 教養と専門性
3, コミュニケーション能力と協調性
4, 創造力
を兼ね備えた人がグローバル人材ということです。
これらの力はすべて留学で身につけられます。さらに、ポストコロナ社会で求められる力でもあります。つまり、予想不可能な社会を生き抜く力とも言えるでしょう。
ここからは、一つ一つの力は具体的にどのような力か考えてみます。
1, 日本人としてのアイデンティティ
日本という環境で生まれ育ったからこそ持っている考え方、価値観、美意識、世界観、習慣などだと考えます。
例えば、あなたがある国の道を歩いているとします。道ばたにゴミが落ちています。あなたは日本ではゴミを見かけたら拾う習慣がありました。海外にいるから、みんな拾わないからあなたも拾いませんか。
ここで拾う人はグローバル人材の要素を持っているといえるでしょう。「郷に入っては郷に従え」とはいいますが、日本人としてもっている性質で、良いと思ったものは海外でも持ち続けることが大切です。
最近よく英語系SNSで日本の文化を批判しているのを見かけます。「日本人○○しすぎ」とか。でも、そういう性質をもっていたっていいんです。他国の人と関わるときに支障をきたさなけらば何の問題もありません。むしろ、そういう性質はあなたを形成する大事な要素です。
また、日本文化を理解していることもグローバル人材に必要だと思います。私が海外の人に日本文化を教えたときの話はこちらの記事にあります。
2, 教養と専門性
冒頭でグローバル人材とは英語がしゃべれる人のことでしょうかと問いかけましたが、答えは否です。なぜなら、言語は教養と専門性をつけるための「道具」だからです。
グローバル人材とは、教養と専門性をもち、それについて他国の人とも議論できる人のことだと思います。ここで外国語能力が要求されるのです。
そうなるには専門分野に関する記事を英語で読むことも大切ですね。
私はアメリカ留学に向けて科学英語を勉強中です。その勉強法、おすすめの記事ものちのち紹介しますね。
3, コミュニケーション能力と協調性
コミュニケーション能力とは、自分の意見を伝え、相手の意見を理解することができ、さらに、良い関係性を作ることができる力です。今の時代はこれらをオンライン上でも行える力が要求されるでしょう。
協調性とは、異なる意見、立場の人と一緒にひとつのことに取り組むとき、対立しないように上手くまとめる柔軟性といえるでしょう。
4, 創造力
創造力は主に二つあります。
1,無→有を生み出す
2,有+無→有’へ
1は何もないところから新しいことを生み出す力です。創造力と言ったときに多くの人はこちらを思い浮かべるでしょう。
2はもともとあるものに、これまでになかったものを加えることで新しいことを生み出す力です。
例えば、じゃがりこは筒に入ったものが主流でした。しかし、少しだけ食べて残すことが難しい、長すぎて食べにくいという欠点がありました。そこで登場したのがチャック付きの小さめのじゃがりこ。これが発売されてから女性も気軽に購入できるようになり、売り上げが伸びたのではないでしょうか。(調査はしていないです)
創造力は今後の社会に必須となる力だと講師の方がおっしゃっていました。
アメリカ・ニューヨーク市立大学教授はこう予想しています。
「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもの65%は、大学卒業時に、今は存在しない職業に就くだろう。」
つまり、今存在する職業の大半が無くなる可能性があるということです。ということは、創造力を使って、今は存在しない職業への準備が不可欠ということです。
これが起こるにしろ起こらないにしろ、世界は刻一刻と変化しています。その中で生き抜くためには創造力が必要になるでしょう。
留学中のメモは最強
留学中に以上のような力が身につきます。でも、帰国後自分では気がつかなかったり、留学中に考えたことを忘れてしまったりします。それを防ぐために留学中にメモすることが大切です。メモをとった方がいいことは以下の3つです。
1, 日本にないアイデア
2, トラブル克服経験
3, 6つの力の成長記録
1, 日本にないアイデア
日本にない商品、サービス、価値観を小さめのメモに書き留めます。メモはポケットに入れていつでも取り出せるように持ち歩きます。そのメモを面接のときに実際にみせると採用担当の人は一気に興味を持つでしょう。
2, トラブル克服経験
企業が学生の行動力を測る基準にコンピテンシーレベルというものがあります。
引用:富士通ラーニングメディア http://www.knowledgewing.com/kcc/talent-management/blog/2018/03/20/competency.html
講師の方によるとレベル4は5%、レベル5は0.1%の人しかできていないそうです。
留学中に困難を克服したエピソードはこのレベルを証明するのに役に立つでしょう。記憶の新鮮なうちにメモする方が具体的に記録できるので、留学中にメモすることがおすすめです。
3, 6つの力の成長記録
6つの力
・国際感覚、異文化適応能力
・幅広い視野
・コミュニケーション能力
・主体性、積極性
・外国語能力
・忍耐力、我慢強さ
これらを1ヶ月に1回くらい記録し、見直すことで、自分に足りていない部分が見えてきます。留学前に各項目の目標を定めておけば、それを達成するための軌道修正もしやすいでしょう。
留学経験者はこの項目を中心にどう成長したかを振り返ると自分の強みが見えてくるかもしれません。
留学を有意義にするための心構え
今まであげたキャリアに結びつく力は、留学中でも何もしなければ身につかないと思います。なぜなら、現状維持機能がはたらくからです。先延ばしにしたり、恥ずかしいからと言い訳したりしがちです。そこで、講師の方が提案していたことがあります。それは
「あえて」を意識する
あえて、新しいことをする。あえて、今まで自分が避けてきたことをする。
成功の反対は「行動しないこと」
留学を充実させる鍵はこの言葉につきると思います。
私自身もこの言葉を毎日思い出して留学を実りあるものにします!
留学をキャリアに活かすための4ステップ
留学をキャリアに活かすための4ステップ、それはPDCAサイクルです。
PDCAサイクルは
Plan(計画)
Do(実行)
Check(評価)
Act(行動・改善)
の4段階から成り、これを繰り返すことによって、物事を継続的に遂行、改善することができます。
企業面接では、留学先で無計画に行動してきたのではなく、PDCAサイクルを回してきたことを伝えるとよいそうです。なぜなら、再現性、継続した成果をアピールできるからです。
Plan:留学前
海外で身につく力、企業の求める人物像を知った上で、留学の目標、目的、行動することを計画します。できるだけ具体的に何を何のためにするか考えておくと渡航後にすぐに行動に移せるでしょう。
継続するプランの立て方
・期限と数字を入れる。
例)毎日、授業で最低2回は発言する。
・習慣化していることに入れ込む。
例)歯を磨いている間に新しいフレーズを覚える。
・プランの結果をチャックし合う友達を作る。
Do:留学中
渡航前に作成した計画を実行します。そして、実行した結果を記録します。日記でも、SNSでも形態はお好みで。私は留学中にnoteで情報発信していこうと思うので、よかったら読んで下さい!
Check:留学中・帰国後
留学中に一ヶ月に一回は目標と現状を見直して、足りないところを補います。
帰国後は、海外生活で獲得した成果、成長を振り返り、総括します。人生曲線などを用いて、自分の成長を可視化、言語化することで自信につながります。
Act:帰国後
就活で自分を最大限にアピールします。
まとめ
グローバル人材とはなにか、グローバル人材に必要な要素を留学で身につけるためのメモと心構え、留学をキャリアにつなげる方法を紹介しました。
これから留学をする人、留学を終えた人に少しでもヒントになっていたら幸いです。これからも留学、言語学習、理系学生の生活などについて書くので、よかったらフォローしてください~!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!