健康的で体に優しいチーズの選び方

市場調査をしていてチーズパンが人気の一つだったので、チーズを使ってみたらどうかなと思い立ちました。

健康的で体に優しくて美味しいチーズを選びたくていろいろ調べてみたので、今回の記事はその内容をまとめています。


チーズの原材料

チーズの原材料は乳製品だけではなく植物性のものもあり、選択肢は増えてきています。

健康という観点から選択する場合に大切になってくるのは、使用されている油(脂肪酸)の質と量で、これらによって体への影響が異なってきます。

ですので、健康的なチーズを探すためにその脂肪酸プロファイルを確認していくことにしました。

乳製品のチーズの脂肪酸プロファイル

乳製品
長鎖飽和脂肪酸のパルミチン酸
中鎖飽和脂肪酸のカプリン酸
トランス脂肪酸

パルミチン酸などの飽和脂肪酸が多く含まれているためLDLコレステロールを上昇させてしまう点、またトランス脂肪酸が含まれる点が問題となります。
両者とも心血管疾患のリスクを高める可能性があります。

コレステロール値が高い方や、高血圧、糖尿病予備軍など動脈硬化性疾患のリスクが高く、血中脂質に気を付けなければいけない方は、低脂肪や無脂肪のものが良いとされているので、例えば低脂肪カッテージチーズなどが良さそうだと思いました。

ただし乳製品アレルギーの方は使えませんので、もう一つの植物性のチーズが選択肢となってきます。

植物性のチーズの脂肪酸プロファイル

植物性のチーズの場合には、カシューナッツ、ヤシ油やパーム油、大豆油などが原材料となってきます。

植物性と一括りになっていても、その中に含まれる脂肪酸の組成は同じではなく、選択には少し注意が必要となってきます。

それぞれの脂肪酸プロファイルを確認してみると

カシューナッツ
一価不飽和脂肪酸のオレイン酸(n-9系)※
多価不飽和脂肪酸のリノール酸(n-6系)

大豆油
多価不飽和脂肪酸のリノール酸(n-6系)

ヤシ油やパーム油
長鎖飽和脂肪酸のミリスチン酸、パルミチン酸
中鎖飽和脂肪酸のカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸

つまり、ヤシ油やパーム油を原料とした植物性チーズは、それ自体にはコレステロールは含まれませんが、飽和脂肪酸を多く含みLDLコレステロールを上昇させるため、コレステロール値には注意が必要になってきます。

味の点では、ヤシ油のシュレッドチーズなどはほぼ乳製品のチーズと変わらない風味と美味しさでした。
不飽和脂肪酸メインの植物性チーズも試したいと思ったんですけど、通常のスーパーにはなかなか取扱いがなく、自家製で作られている方も多いようでした。

※不飽和脂肪酸の分類として、以前はω(オメガ)がよく使われていましたが、今はnで表示されていることが多いそうです。

日本動脈硬化学会が推奨する食事療法


動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年度版には、食事療法として、飽和脂肪酸を不飽和脂肪酸に置換することが推奨されています。

飽和脂肪酸を多く含む食品(肉類、乳製品、植物性のパーム油、ヤシ油)は、LDL-コレステロールを上昇させ心血管疾患のリスクを高めます。
ですのでこれらの摂り過ぎを避けるためには、不飽和脂肪酸を多く含む食品(魚、オリーブ油や米油、ごま油、大豆油、アマニ油、エゴマ油などの植物油)に代えることが推奨されています。

帝京大学理事・臨床研究センター長の寺本民生氏によると、「1ヶ月くらいの食事療法でLDLコレステロールは10〜20%くらい下がる」のだそうです。

トランス脂肪酸

心血管系疾患のリスクを高めるとされて、特に欧米では社会的な問題になっています。
反芻動物の肉や乳製品、熱加工した植物油に多く含まれています。

日本人でトランス脂肪酸を摂り過ぎている人は極わずかとされていますが、欧米はかなり基準を強くしています。
過度に心配する必要はないとも言われていますが、加工品のお菓子、揚げものなどはできるだけ避け、乳製品は低脂肪、無脂肪のものを選ぶのが無難かもしれません。

まとめ

健康的で体に優しいという点から選ぶとしたら

乳製品のチーズでは、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を控えるために低脂肪、無脂肪のチーズ

植物性のチーズでは、その原材料表示をチェックして、不飽和脂肪酸の多いカシューナッツや大豆油を使用したものが良さそうだと感じました。

飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を多く含むものを選択する場合には、リスクを理解して少量にとどめてバランスに気を付ける必要があるように思われました。


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