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優先席
「癌でしんどいんです」
言えない…
言ったところでねぇ。
見た目はピンピンしてるもんね。
▪️
学生の前では元気に振る舞っているが、午後は横になって寝ている。
事務の相方も、寝ているから、急用ではない限り起こさないでいてくれる。
ところが、教員も事務も誰もいない場合には、横になれなくなる。
その時は、教務室の扉を閉め、奥で死ぬ。
大抵、15時半を回っているため、限界を超えてしまうのだ。
電話は頭の上に置いて…
▪️
死んでいるのを知っているのは、学校長と事務の相方のみ。
「あ、死んでる」
と、回復するまで、そっとしておいてくれる。
学校長も優しい。
金曜日も寝ている時に携帯を鳴らしたようだったが、自分が起きるまで待っていてくれた。
(トップが呼んだんだけどね)
(おやすみモードにしているため、1コールではブルッといわない)
(2回目のコールで震える設定を、知っていてのこと)
感謝しかない。
▪️
事情が分かっているからともいうが、分かっていても悪く言う人はいる。
その人たちの前では気丈に振る舞い、具合が悪いことを気づかれないようにしている。
どうせ悪口しか言わないからである。
後々、メンドクサイ。
▪️
しかしだ。
他では務まらない。
昼寝OKの学校なんてないだろう。
どこまでできるかな。
体制を整えてサヨナラしたいもの。