知るまこ 第1回 玉金 錦糸町2号店
終業後、後片付けもそこそこに職場を後にした。20:00頃店舗集合ということで、やや足早に階段を下りたが、むっとした熱気が襲ってきた。金曜の夜だというのに、コロナ禍真っ只中のタワマンの林立する湾岸のストリートは、以前ほどは混んでいない。普段と違う経路で移動するため、あらかじめ乗換案内で検索していた半蔵門線内で、安倍晋三首相辞意表明の記事を読みつつ、住吉駅で降車した。
『玉金 錦糸町2号店』というからには、錦糸町駅で降りるのが良さそうなものだが、半蔵門線錦糸町駅から店に行こうと思うと、錦糸町駅前の歩道橋を渡らなければいけなくなる。高所恐怖症の私には、住吉駅から四ツ目通りを北上し、首都高小松川線をくぐり、歩道橋を避けて行くのが良いのだった。
20:00から20:30の間に到着するよとケニーに言っておいたのだが、20:15に到着。店先で、大きなスポーツバッグを背負った、金曜の晩の錦糸町に似つかわしくない高校生が3人、店内を覗き込んでいた。扉を明けた私の背中で、
「これ(お店)やってるのかな…。」「ほら(この人入っていくから)やってるよ。」
女子生徒2人、男子生徒1人の視線を背中に受けつつ入店すると、面接官スタイルで横並びにケニーとうどどんが座っていて、その反対側に着座した。先にやっててくれていいとケニー伝えておいたのに、気を遣ってもらってしまって、鉄板は使われてなかった。関西出身のお二人に”東京のお好み焼き屋さん”なんてド叱られるかな、とも思ったが初回はここに決めてしまったのだった。
お好み焼き(ベース・ミックス)ともんじゃ焼き(明太もちチーズ)をメインで注文した。うどどんが、壺漬けカルビみたいなのも頼んだ。
ケニーが練習用のお好み焼きの1枚目のベースを大きく広げて(しかも真ん中に)焼き始めたら、広げ過ぎだとうどどんにディスられた。
うどどんはもっとこう盛るんだと2枚目のミックスを焼き始めた。こうなると、また大阪の都会の方出身のうどどんと、田舎の方出身のケニーでいつも醜い出身地ディスバトルの応酬が始まるのだった。それでも、ケニーは結局1枚目を上手に裏返し、自信のないうどどんの2枚目も裏返した。
ソースも何もかけていない状態でケニーが切り分け始めるのをうどどんが制し、はけでソースを塗らせた。青のり、鰹節粉をまぶした後、マヨネーズを紗々(チョコレート菓子)みたいな網目状にかけたら、かなりそれっぽい出来になった。関西人にはナチュラルにお好み焼きをそれなりに上手に焼く能力が備わっているようだ。具から出汁が出てるからか、ミックスの方が断然美味しいよ。
うどどんのテキ屋仕込みの鉄板スキルには感嘆するばかりであった。もんじゃ焼きの方を焼くのもお願いしてしまって、ケニーと共同作業で土手なんか失敗しながらも、それなりに美味しく出来上がったのだった。
もんじゃ焼きは、ある程度表面が乾燥してくるくらいまでふつふつさせて待つんだ、とか言ってたら店員さんが、
「このままだと焦げちゃうんで、火弱めますね。」
とか言ってきた。もんじゃ焼きスキルは全員まだ未熟なようだ。お酒は、リルまこは全部で抹茶ハイ2杯とグレープフルーツハイ1杯飲んだ。バニラアイスにチョコレートソースかけるか聞いてくるのがちょっと謎だったけど、数ヶ月ぶりに食べるデザートは甘くてどうにかなりそうでしたよ。
マジカルケニー、うどどん、リルまこの会が、定期的に開かれるような開かれないようなゆるい約束をしました。4人目が毎回代わる代わる来たり、そのまま増えたりするのかな。ボードゲームなんかが前後にできるような場所とか時間があればなお良いとのこと。次回予定は9月25日金曜日とかにしておこう。多分スケジューリングが一番シビアなのが、ケニー。
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