自分の常識は世界では非常識〜ここが変だよカナダ人〜
私は22歳で来日するまで旅行はおろか、ろくに地元(BC州の下のほう)から出た事がなかったので余計にカルチャーショックが大きかったのですが、得に「これってカナダだけだったんだ」って驚いた事をまとめてみました。自分視点なので偏見も含まれています。
ケチャップ味のポテトチップはカナダにしかない
世界中にあると思ってた。カナダのポテトチップの大定番はKetchup、BBQ、Dill Pickle、Salt and Vinegar、All Dressed(いろんなフレーバーを混ぜた味、甘くて酸っぱい)です。塩味なんてまず買った事がない。今でもポテチ=酸っぱい、だと思っています。また、カナダのファーストフード店はどこも3Lくらい入るポンプ式のケチャップ、酢、胡椒、マスタード、ナプキン等が取り放題となっているので、日本のマクドナルドで自分から言わないとケチャップをくれないのがかなり衝撃でした。フライドポテトなんてケチャップを食べるためにあるのに・・・。イギリスのフッシュアンドチップスの影響か、フライドポテトには酢胡椒をかけて食べる人も多いです。Poutineももちろん美味しいですが、イギリス発祥のMalt vinegarは揚げ物との相性が抜群です。
カナダ人は母国愛が強い
90%くらいのカナダ人は大きく「CANADA」と書いてある服を最低一枚は持っています。これはカナダ発祥のブランドRootsやカナダデーの際大々的に売りだされるHudson's Bay(カナダの老舗デパート)やOld Navyのもので、いわゆるお土産屋さんにある観光客向けのものではないです。国際スポーツの応援とか関係なくみんな普段着で着ています。カナダ人はカナダ人である事が自慢なのです。これが普通と思ってたら以外と母国愛を外に出さない国の人のほうが多いんだな、と驚きました。余談ですがToy Story4でデュークカブームが出てきた時とても喜びフィギュアも買ったのですが映画の通りポンコツで、飛ばしても距離が伸びず、すぐに転がってしまいます。そんな所も愛しい。
カナダ人は赤黒チェックのフランネルシャツが好き
また、カナダといえば赤と黒のフランネルチェックシャツが大定番なのですが・・・これはLumber jack(木こり)と言われる髭をはやして山に住んでいるカナダ人のおじさんがよくしているスタイルで(フランネルは汚れに強く暖かいので気温差が激しい山では最適なんだとか)なんで若い世代にまで浸透したのかはよくわかりません。ある年、パスポートが切れそうだったので赤と黒のフランネルチェックシャツの上に「CANADA」とデカデカ書いてあるパーカーを着て写真を撮ったのですが、それを見た友達に「カナダ人アピールが激しい」と大笑いされ、「これで斧持って背景に熊を合成したら完璧」と言われてしまいました。具体的にどういう格好かというと、下の画像を参考にしてください。The Canadian Lumberjack Showと言って斧やチェーンソーでパフォーマンスをする団体です。
カナダ人は政治の話をするのが好き
これも、好きというか小学校から政治の話を授業でするのと、18歳になると投票券が与えられるので高校に政治家が来てスピーチをしたりするので自然と、です。比較的新しい国で若い人が多く政治の影響が目に見えるからこそ、政治問題に熱心になるのかもしれません。友人のいとこ(日系人)が日本出身の彼氏を家に連れてきた際「日本の政治についてどう思う?って聞いたら意見がなくてびっくりしちゃった!うちの15歳の弟だって大人と対等にそういう会話するのに、サッカーの話しかしないんだよ!?」と言ってきて私も「その人本当に大人?」と驚いたのですが、ここまで政治の話を日常的にするのはカナダだけらしいですね。彼氏さんプレッシャーだっただろうな。
カナダ人はアメリカ人と間違えられるのが嫌い
理由は言わなくても・・・と思うのですが、カナダは基本的にアメリカを迷惑な隣人だなあ、と見ています。現PMトルドー氏の祖父にあたるピエール・トルドー元PMの有名な発言のひとつに「アメリカの隣にいるというのは寝ている像の隣にいるようなものだ。寝息、寝返りひとつで大変なことになりかねない」といったものがあります。私は外資系の会社で働いているということもあり、「各国とビジネスをするための注意点、国民性によってどうアプローチを変えるべきか、気をつけるべき文化の違い」などの講習を受けたのですが、教本を読み進めていくと、基本的な性格で「カナダ人は基本的に穏やかで真面目、遅刻は良く思われないがそこまで厳しくない、あまり怒らないがアメリカ人と間違えられると怒る」仕事への姿勢で「カナダ人は家族との時間を第一にする。時間外に連絡するのは好ましくない。アメリカ人と間違わなければ問題はない」総合で「くれぐれもアメリカ人と間違えないようにだけ注意」と書いてあってあまりの雑さに笑ってしまいました。間違えないでください。
カナダ人はすぐ謝る
何故なのか。CanadaとGoogleで検索するとサジェストにSorryと出てきます。出先で知らない人に足を踏まれてもこっちがSorry、車に轢かれそうになってもキレ気味にSorry、店員さんを呼ぶ時もExcuse meの代わりにSorry。よくアメリカと混合されがちなカナダですが国民性は正反対といってもいいくらい違っていて、控えめで謝りがちなカナダ人に対して、アメリカでは謝ると自分が間違っていたことを認めた、弱さの証拠、と見做されることも少なくないそうで逆に多用してはいけないそうです。あまりにSorryを連発するので、裁判所で言うカナダ人の「Sorry」は謝罪の意とは見做さない、と言う法律ができたくらいです。こちらはCBCの記事ですが、何故カナダ人がこんなに謝るのかについて様々な考察がされていて面白いので、もし暇があったら読んでみてはいかがでしょうか。
他のどうでもいい情報
・メープルシロップを塗って燻したハムやベーコンが定番
・アメリカから輸入されたものかカナダ向けのものかはパッケージを見れば一目瞭然(両面に英語とフランス語が書いてある)
・「Eh」と言う、というのはステレオタイプだと思いつつ気づいたら使っている
・控えめとは言ったけど討論は大好き、結果は関係なくていろんな人の意見を聞くのが好き。これはフランス人にもよく見られる特徴らしいです。
・性別、年齢、国籍等を初対面で聞かない。仕事の面接でもこういった質問をすることは禁じられています。知りたければその人が話すまで待てばいいけど、知ったところでどうするの?たまに単刀直入に聞いてくる人いるけどデリカシーが無いと嫌われる可能性があるので注意を。
・COL(生活する上で最低限必要なお金)が高いのでダブルワークや、正社員を2つ掛け持ちしている友達もいます。医療、教育、保護の手当は厚いけど、とにかく物価と家賃と税金がべらぼうに高い。
・いろんな団体が厳しくて面倒臭い
1)マクドナルドのドナルド(英語ではRonaldという名前です)は口が赤く下品だから?という理由でパッケージから消され、コマーシャルでも見ることはないです。
2)企業のコマーシャルで白人の男性、女性、アジア人の男性を起用したものがあったのですがアジア人の女性や黒人は何故いない!と大炎上しました。
3)動物愛護団体が厳しいので動物園や水族館がとても少ないです。研究用や保護目的に飼育しているところもあるのにね。でも田舎に住んでいるとコヨーテ、ラクーン、リス、クーガー、クマなどが庭に出るので実質動物園です。
4)セサミストリートの某キャラクターがゲイカップルだ、某キャラクターは自閉症だ、という理由でTVショーの停止に追い込まれましたが、そういう事をする方が差別では?
5)地元にIKEAが初めてできた時のこと。当時人口の30%がアジア系で20%がインド系、5%がヒスパニック系、5%がその他、40%がいわゆる白人で構成される町だったのですが、どこから見つけてきたのか、ほとんど見たことの無い黒人やアラブ系の人を含め全ての人種・性別が見事に同率で揃っている店員さんを見て、恐怖すら感じました。ここまでしないと差別だと騒がれてしまうんだろうな・・・。
移民が作り上げた国なのでルールも曖昧で文化も複雑すぎる不思議なCanadian cultureですが、どんな人であれ個人として尊重するべし、という強い気持ちだけは伝わってきます(そうか?)今は離れていますが、私は心から母国を愛していますしカナダに産まれてよかったなぁ、といつも思っています。
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