めがねをこねた

 注意力散漫が祟って眼鏡をクッションの下でピザ生地のようにこねた。現代美術の展示にあってもギリギリ疑わないほど歪んだ眼鏡のフレームを瞬時にして完成させてしまった。幸いレンズは割れていない。

 これは個人的なことですがわたしは眼鏡を壊したことがありすぎて、眼鏡屋でフレームをなおしてもらうときに「歪んだときと同じ力を加えるので壊れる可能性がありますがよろしいですか」と店員さんに問われるのがお決まりになっていることを知っている。

 分かっとる。全部自分の不注意が引き起こしたことだけど、なんだか、こう、その文言がわたしを試している気がして、気の持ちようによってはちょっと、がーーとなる。



ので、眼鏡屋さんに行くのを渋っている。
眼鏡は自分の握力の範囲で手でフレームを無理矢理もとに戻した。依然として歪んだままである。具合悪い。

 

いいなと思ったら応援しよう!