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リリとルル。8


お姉さん猫のルル

49.私はルル。
なんか他にリリお姉ちゃまを揶揄うネタないかしら。
あれもやったし、これもやったし、もう無いかも。
そうだわ!確か、そろそろ隣町で会合があったはずだわ。
ミーコにも会いたいし。
いつだったかしら、えーっと、、、来週ね。
お姉ちゃまにも言っておかなくちゃ。


妹猫のリリ

50.私はリリ。
隣町、、、。
楽して隣町まで行けないかしら、、、。
意外と遠いのよね。会合も面倒だし。
でも、ミーコには確かに会いたい事は会いたいのよ。
積もる話もあるし。
よし、ローラースルーニャンゴー(キックボード)でルルと行くわ!
2人乗り出来るわよね。
ヘルメットすれば平気ね!

51.私はルル。
風を切って颯爽と行く。
私達は、鳥になる。
ローラースルーニャンゴーで、華麗にぶっ飛ばした。
会合は、主に縄張り内での揉め事、隣町同士での協力についてで、私は真面目に聞いていたけど、リリお姉ちゃまは、鼻提灯で寝ていた。
もちろん、会合で出たお菓子は全部食べた後、寝ていた。

52.私はリリ。
あんたら、先月捨て猫拾ったんだって?
情報屋ミーコ、流石なんでも知ってる。
私達は、ニャオンのフードコートで隣町の会合後、落ち合った。
そうなの。あの後どうなったのかしら、、、。
その様子じゃ、何も知らない様だね。

53.私はルル。
あの子、ミーミーと名付けられて、あんたらのお嬢様の友達の祖父母の元に行ったそうだよ?
それは可愛がって毎日お祖父さんが背負ってるらしい。
さすがミーコ。
なんでも知ってるわね。
他には何か無いの?
そうだなー。
ここのニャオン改装工事が来月から始まるらしい。  

54.私はリリ。
え、じゃあミーコとの情報交換の場が無くなっちゃうじゃない。
河岸(かし)を変えるしかないわな。とミーコは、渋い顔をした。

*ルルの説明しようコーナー!
河岸を変えるは、飲食、遊び、稼ぎなどの場所を変える事よ!

55.私はルル。
ニャオンがダメなら、一時避難的にニャックで会おうか。
ニャンキューセットがあるし。
ちょっと学生が多いけど。
ミーコの提案はナイスだった。
ミーコとは定期的に会っている。
やはり情報は欲しい。
しかもとっておきの。
私はちゅーりを差し出した。
とっておきのお願い。

56.私はリリ。
えー、嘘でしょ?!
思わず悲鳴が漏れた。
ミーコが言うには、綾小路家の瑠璃姫が、チャラ男のレオ太に、かどわかされて駆け落ちしたと言うのだ。
綾小路家と言えば元華族様。
そこの飼い猫と言ったら血統証付き箱入り娘のお姫様だ。
レオ太の方は顔がいいだけの猫だった。

57.私はリリ。
レオ太、チャラ男だったけどイケ猫だったから、ちょっとショック。
でも、ルルとミーコにそんな事言ったら馬鹿にされるから、黙っとこう。
リリ。今、ちょっと残念て思ったでしょう。
や、やだっ、そそそんな事ないわよ。
ミーコに言われて焦る。
ルルはじとっとこちらを見ていた。

58.私はルル。
ミーコとの談話は、別名噂話とも言う。
実に有意義なひと時だった。
こーゆー時のために私は、ちゅーりを取っておく。
あらゆる情報を引き出すには賄賂は必要だ。
猫の世界にも賄賂は必要なのだ。
なぜそこまでして情報をと思うかも知れないが、情報は財産だ。
そう心に決めるルルだった。

59.私はルル。
家に帰ってから、、、もちろんリリお姉ちゃまの爆走ローラースルーニャンゴーで帰宅。
私は瑠璃姫とレオ太の駆け落ちについて考えた。
何が良かったんだろう、、、。
愛ね。
突然リリお姉ちゃまが呟いた。
愛こそすべて。
危険な逃避行。
リリお姉ちゃまはそう言いながらバレエを踊った。

60.私はリリ。
ちょっと、その避難訓練みたいな動きやめてくれる?ルルが嫌そうな顔をする。
失礼ね、バレエよ、見て分からないの?
分からないから言ってるのよ。
ああ、愛こそすべてなんて、なんだか少女歌劇が見たくなって来た。
ニャルサイユのハラ
略してニャルハラ。

61.私はルル。
ニャンコハラスメントに立ち向かう主演の猫乃瞳(ねこのひとみ)のニャスカルが素敵なのよね。リリお姉ちゃまはうっとりとした。
ニャルハラのチケット入手は極めて困難。
毎日行きたいと叫ぶリリお姉ちゃま。
お嬢様のコネを使っても無理。
最後は自力で買うのみ!

62.私はリリ。
お姉ちゃま!劇場の切符売り場に並ぶしかないわよ!ルルの勢いに乗る。
分かったわ!並ぶわ!
朝4時には現場待機よ。
ルルが司令塔になる。
ちょっと早いけど行くわ。早く寝ましょう!
私は行かないわよ。
数字が1桁の時間には起きない主義なの。
ルルは、あっさりと裏切った。

63.私はリリ
えー!一緒に来てくれないの?
1人で行けるかしら、、、。
リリはドキドキしながら眠れない夜を過ごしました。

翌朝
ジリリリー!
誰よ!朝こんな早く目覚ましかけて!
えい!止めてやる!

結果、リリはニャルサイユのハラを観ることは叶わないのでした。

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