リリとルル。9
64.私はルル。
そろそろ、お誕生日じゃないかと思う。
2歳の。
私達、馬鹿なことしてるけど結構大人。
ケーキはアイスケーキに憧れている。
やっぱりバタークリームケーキよね、お誕生日は!
リリお姉ちゃまはバタークリームケーキ派。
私はアイスケーキがいい。
65.私はリリ。
両方買って貰いましょう。
2人でそれぞれ絵を描いてお嬢様に提出するの。
だって私達双子なんだから、2個ケーキがあってもいいはずよ!
さっ、ルル、アイスケーキの絵を描くのよ。
さらさらさらさら、、、。
出来た。うん、これなら上手くいく!
お嬢様!!
66.私はルル。
お嬢様は、首を傾げた。
私達の絵では分からないのかしら、、、。
次の日、私達の誕生日にお嬢様は、確かにケーキを手に持って家に帰って来た。
でも一個!!
どちらかがイラスト大会に敗北したんだわ、、、。
67.私はリリ。
お嬢様がケーキの箱を開ける!
やったバタークリームケーキよ!私の写実性が理解できたのね。
お嬢様は、もう一つ赤と白の柄の小さな箱を取り出す。
あれは、チョコレートでコーティングされた小さなバニラアイス6個入り。
一体何なの?!
ルルも不安げだ。
68.私はルル。
今から2人の希望を叶えるから!
えいっ!
お嬢様は、バタークリームケーキの表面にチョコでコーティングされた小さなバニラアイス6個をぶち込んだ!
これで、バタークリームアイスケーキの出来上がりよ!召し上がれ!
69.私はリリ。
わーん、私のアイスケーキはこんなんじゃ無いわっ!ルルは突っ伏した。
バタークリームケーキの中にアイスが入ってるのもなかなか、かも。
私は一口食べてみた。
濃厚なバタークリームに、冷ややかなアイス。
しっかりとしていて、それでいてしつこく無い!
フワッ、、、
目の前が!
70.私はルル。
リリお姉ちゃまっしっかりして!
お姉ちゃまは倒れたまま起き上がらなかった。
お嬢様は慌ててお医者へ行く準備をした。
これは、、、。
お医者様が腕組みして唸る。
これは?
お嬢様が前のめりになる。
ケーキが美味しすぎて失神しただけですな。
ズコッ。
お嬢様と私はズッコケた。