リリとルル。10
71.私はリリ。
雨。雨。シトシト雨。梅雨は嫌い。
早く夏にならないかしら、、、。
こんな時はハワイを思い出して、、、
行った事ないけど。
ムームーを着て、レイをかけて、ウクレレに合わせて踊る。
ラジカセで波の音を流す。
それがいい!
ルル、レイを作ってウクレレを弾いて!
72.私はルル。
ウクレレなんてあるわけ無いでしょ!夏の歌でも歌いなさいよ。
夏の歌ぁ?リリお姉ちゃまは首をかしげた。
そうね、、、。
夏夏夏夏フフンフーン
アーアーアーアーフフンフーン
全然ハワイじゃないわね、、、。
お嬢様ギターは持ってないかしら。お姉ちゃまはつぶやいた。
73.私はリリ。
お嬢様、ギターはお持ちかしら、、、。
ルルはそっとお嬢様の物置部屋へ忍び込んだ。
あ、あったわ!
しかも、子供の頃に買ってもらったやつかしら、、、
咥えていくのに丁度いい。
リリお姉ちゃま!あったわよ!
私はカルメン!
へ?
さぁ、弾いてちょうだいフラメンコの調べを!
74.私はルル。
ど、どうすればいいのかしら、、、
ジャラン。
私がひとかき鳴らすと
タンタンッ!
リリお姉ちゃまがステップを踏む。
え!!えーいっ!
ジャンジャカジャンジャンジャン
オレッ!
私はムームーでフラメンコを踊った。
75.私はリリ。
雨だけど、たまには散歩もいいじゃない?
と、ルルを誘いレインコートを着て外に出かけた。
今日なら純喫茶アスカも空いていそうだからだ。
確かに空いていた。
ドアを開ける。
カランカランと音がした。
マスター、レインコートを乾かしたいの。
私はちょっと気取ってそう言った。
76.私はルル。
何をたべようかしら、、、。
カツ丼、、、。
ちょっと純喫茶にカツ丼なんてあるわけないわよ。
リリお姉ちゃまは、呆れる。
カツ丼とお蕎麦のセット、、、。
ありますよ!
マスターは、歯を輝かせて言った。
純喫茶なのに?お姉ちゃまはイメージが狂う。と頭を振った。
77.私はリリ。
私はホットケーキ。
あ、ちなみに英語ではアイアムホットケーキとは言わないのよ、
分かる?ウフフ。
メープルシロップとバター最高だわ。ふかふかして美味しい。
ズズズズーッ。
目の前で蕎麦をすすられると雰囲気が壊れるわ。
お姉ちゃま、カツ丼も美味しいわよ。
ルルは実はかなりの大食いだ。