見出し画像

お寿司を食べにだけ金沢へ行った

一泊二日で東京から新幹線に乗って
お寿司を食べに金沢へ行った。
かねてから彼の人が
『食べさせてやりたいお寿司があるんや。』
と言うそのお寿司屋へ行く旅に出た。

東京駅の大丸で
美味しいお弁当とお酒を買って
新幹線に乗り込み、金沢までの時間を楽しんだ。
雲が多くその隙間から光の梯子が降りている日だった。車窓からその綺麗な光の移り変わりを楽しんだ。
『トンネルを抜けるとそこは雪国だった。』
まさにその通り。
トンネルを抜けたら雪国。
まだ雪深い感じはないが積もる雪は真っ白で美しい。
そして金沢に着いた時に、雪国を侮っていたことに気付いた。

寒い。

次の瞬間には顔が冷たくなってくる。
わたしのマフラーを咳き込む彼の人の首に巻いて、
金沢の街を歩いた。

翌日も霙混じりの天気。また新幹線に乗り隣の小松駅に向かった。小松にある米八というお寿司屋さんへ直行した。
能の舞台のような朱塗りの店内で全てが浄められ
美しかった。またお寿司を握っているのも
とても美しい女性だった。
初めから最後までとても丁寧で
それはそれは美味しいお寿司をいただいた。
彼の人が食べさせたいと言った意味が
本当によく分かったし、そんな彼の人の
あたたかさを大切に思う。


米八


そのお寿司屋に
ひとりでカウンターに座った女性がいた。
お酒を選ぶのにとても時間をかけて、あれこれ
聞いてから選んでいた。
お寿司が出て途中で赤出汁が出た時に

「ネギ嫌いなので抜いてください。」

作り直せってことだなぁと
その様子を見ていると
「大変失礼しました。」
と、ネギが乗っているお寿司までも作り直していた。
ひとりで来たその女性に初めから違和感を抱いていたのだが、すぐに気付いた。
怒っているのだ。
ネギを入れてあったことにではない。
日常的に怒って生きているのだろう。
美しいのにトゲがある。
なんともったいない。
だけどどうしてなのかわかるの。
わたしもそうだったから。
ナメられたくなくて、ツンとしているのが
かっこいいと勘違いしている時があった。
誰も寄ってこないし、敬遠されちゃうし
もったいないことばかりなのに、自分では高嶺の花気取りで気付かないの。
ニヤニヤしてたら人生8割うまく行く。
本当にそう思う。
赤ちゃんだって、笑ってる赤ちゃんはみんなに抱っこされる。
そういうことだ。

『にこにこ笑顔で命懸け。』
『自分の機嫌は自分で取る。』
これは彼の人のことば。
ものすごく深いところを突いている。

そして
女性は怒ってい生きている人が多い気がする。
なんでだろう。
男性が荷物を持ってくれると言ったら
『助かります。』
と、言えばいい。
ご飯をご馳走してもらったら、にっこり笑って
『ご馳走様でした。美味しかったです。』
と、言えばいい。
男女平等を高らかに叫ぶより、
ありがとうございますと笑顔で言ったら
優遇される女性性がそこにあることに
気付くのに。
媚びるのとは全くちがう事なのだ。
それが自然な形だと思えば、怒っているあなたも
うまく行くよ。
感情のことではないのだ。
うまく行くコツ。

そして年の瀬にふたりでお寿司を食べに
金沢へ行けるって面白い人生だなぁと思う。
わたしが怒っていたらやってこなかったと思う。
うれしいなぁ楽しいなぁと思えるように生きて行くと決めた瞬間から全てが変わる。

小松の米八さん
また3月に行く予定。

#小松市
#米八







いいなと思ったら応援しよう!