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【自分と向き合う】けど、【考えない】修行中。

【自分と向き合う】で検索してみると、「自分と向き合う怖い」とか「自分と向き合う辛い」とか
「自分と向き合うどうやって」と出てきた。

どうやら、私のように自分と向き合うことに苦戦し、人生をこじらせている人が多そうだ。

私はずっと自分と向き合うことができなかった。

そのせいで40歳過ぎまでかなり迷走していた。

なのでごく最近までかなり人生をこじらせていた。

自分と向き合わざるを得なくなったのは病気のおかげだった。

私は娘が幼稚園入園前に関節リウマチを発症した。

病院には行かず、未治療のまま12年間過ごした。

自分で色々なことを調べ、全て我流でやってきた。

良くなりたい一心でありとあらゆることを調べた。
東洋医学、自然療法、スピリチュアル…

精神的な問題が体に大きな影響を与えていることに気付き、自分の生い立ちまで遡って親との関係を見直し、原因を辿っていった。

加藤諦三先生の本を読みあさり、自分が生まれ育った環境が人の心の基盤になっているということを知り、「機能不全家族」という言葉を知った。

私の生まれ育った家族は「機能不全家族」だった。

そこから、心の中での母親との闘いが始まった。
12年もの間、病院の治療を受けなかったのはそこの原因が大きい。

受診拒否、未治療を続けていく中で、今の医療の闇や薬の体に及ぼす悪影響、不必要に医者は患者に薬を与えている、そもそも病院や薬は必要ない、など様々な情報に振り回され、当時はそれらの情報を受診しないことの糧にして、自分の心を支えていた。

結果、私は母と同じ膠原病の全身性エリテマトーデスになってしまった。

膠原病というのは、全身のあらゆるところに炎症が起こる病気で、リウマチも膠原病の一種だが、
全身性エリテマトーデスはその中でも難病に指定されている。

私は体調が日に日に悪化していっても、なかなか病院に行かなかった。

病院に行きたくないとか、ちゃんと治療を受けたいとか、そんなことさえももう何も考えられないくらい病状は悪化していた。

本当に極限までいくと自分が誰なのか分からなくなるくらい何も考えられなくなった。

どうにもならなくなり、大学病院に行った時には
今この瞬間に急変して死んでしまってもおかしくないと医師に言われるまでになっていた。

血液検査の数値は正常値の桁を2桁もオーバーするほどで、こんな数値は見たことがないと言われた。

私はずっと自分のことをよく分かっていると思っていた。
体のことも含め自分のことは自分が一番よく分かっていると。

治療を受けず、ひたすら病気の原因を考え追求し続けた12年。

全ての原因を自分の外側に探していただけで、完全に自分のことを無視していたのだと思う。

治療を拒み、色々なことを調べて知識や知恵をつけ、我流を貫くことで自分を分かった気になっていた。

自分を知り尽くしているからこそ私は未治療を選択し続けていられるのだと、そう思って疑わなかった。

原因を外に探し、ただひたすら毎日そんなことを考えていたのだと思う。

入院し死を身近に感じるまでになってみて、やっと本気で自分のことをきちんと考えるようになった。

入院中に受けた強い治療で、薬の副作用が激しく出てしまい、薬物中毒者のようになったことがあった。
壮絶な体験だったが、そこで初めて私は本当の自分に会えた気がした。

それからは原因を外に探すのではなく、自分の中に探すようになった。

向けていた視点の先を外側から内側に変えたのだ。

自分の内側に目を向けると、外側の原因を探したり追求しなくなっていった。

外側に目を向けていた頃は、自分が信じられず
自分で自分を支えることができなかった。
だから、自分以外の人への依存心が強く、何か起きればすぐ人のせいにし、人に頼り、人に当たっていた。

だが自分の内側に目を向けてゆくと、自分を大切にできるようになった。
自分が好きになったし、よく言われている「自分を愛する」ことができるようになった。

一番大きいのは、自分で自分を頼ることができるようになったことだ。
自分を信頼していられることの安心感は、生きていることそのものの幸福感に繋がり、安定した自分になることができた。


【自分と向き合う】ために、色々なことを検索して知識を集め、考えたつもりになってはいないだろうか。
検索して知識を得たり、そのことについて考えたりすことで、自分は【自分と向き合う】努力をしていると満足してはいないか。

考えても検索しても絶対に【自分と向き合う】ことはできない。

考えることは無駄とは言い切れないが、もしかしたら本当はとても無駄なことのかもしれない。

少なくとも【自分と向き合う】ことの邪魔になり、考えることで遠回りすることになる。

だから【自分と向き合う】けど、【考えない】。

私もまだまだ完全に自分と向き合えてはいない。

だいぶできるようにはなったが、どうしても視点を外側に向けがちになるし、自分と向き合わず、目を逸らしたくなる。

そんな時は、物理的に鏡を見るようにしている。
自分の目をじーっと覗き込み、見つめ続けるのだ。

【自分と向き合う】のは本当に難しいことなのかも知れない。

長い人生をかけてやっとできるようになるか、もしくはただひたすらに日々積み重ねてゆくようなことなのか。

まだまだ【自分と向き合う】けど、【考えない】
修行中だ。













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