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NHKラジオ まいにちフランス語〜ラ・ブリュイエール『ひとさまざま』〜のメモ

この数年、NHKラジオ『まいにちフランス語(応用編)』を聴いている。2024年10〜12月のシリーズは『Art de la paroleを学ぶ〜ラ・ブリュイエールを読む』だ。17世紀の作家ジャン・ド・ラ・ブリュイエールの『ひとさまざま』を扱っている。
もう300年も前の古典だが、先日の放送を聴いていてはっとさせられた。ここ最近感じていた胸の中の重たいモヤモヤが消えていくようだった。巻き戻してもう一度聴き、解説をノートに書き留めた。
番組中で、出演者の先生お二人が日本語とフランス語を織り交ぜながらテクストについての深い考察を解説していく「Explication de texte」というコーナーがある。そこで話されていたことが思いがけず自分の琴線に触れたとでも言えばいいのだろうか。
番組で話されるフランス語が全て教材中に文章化されているわけではなく、放送が終わったらその言葉を後で見返すことができなくなってしまう。だからディクテ(書き取り)をしてここに残しておくことにした。答え合わせができないので、間違っている箇所があるかもしれない。

第13課

La Bruyère a dit «continuez à penser que Timagène n'est pas un homme stupide, qu'il est intelligent.»

NHKまいにちフランス語 2024年11月21日放送

放送の解説+私なりの和訳:
ラ・ブリュイエールは言う。「考えることをやめてはいけない。ティマジェーヌは愚か者ではない、賢いと。」(権力者はティマジェーヌのことを愚か者だと言ったが、「あなた」はそれが間違いだと知っている。しかし、ラ・ブリュイエールは「あなた」にその権力者に反論することを求めない。ティマジェーヌに対する自分の考えを変えないこと、それだけを求めている。)
キーワードは
la conscience 心の中=良心
だ。心の中で思うことを曲げない、自由に自分自身の判断で考えるということだ。
Osez seulement penser.
考える勇気ただそれだけを持て。(偉い人に反抗することは、心の中でさえ勇気がいるものだから。)

第14課

La seule et unique chose que la Bruyère demande, c'est de résister mentalement dans sa conscience aux paroles du grand. Il ne s'agit même plus d'être fidèle à ce qu'on a pensé, il s'agit tout simplement  d'être fidèle à ce qu'on a vu. Comment pourrait-on au fond blâmer l'homme de cette pression qu'exerce lourdeur sociale sur sa propre conscience?

NHKまいにちフランス語 2024年11月22日放送

放送の解説+私なりの和訳:
ラ・ブリュイエールが求めることはただ一つ、良心に従って心の内で権力者の言うことに抵抗することだ。これはもはや自分の考えを曲げないということですらなく、ただ自分が見たものを信じるということだ。社会的な圧力が彼の良心に影響を及ぼすからといって、どうしてその人を非難できようか。

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