英検1級二次試験のこと その3(評価とその考察)

以下の記事のつづき。
英検1級二次試験のこと その1(一次試験合否発表から面接直前まで)
英検1級二次試験のこと その2(面接試験の内容)
先日、2024年度第1回の英検1級に合格した。その二次試験の面接の様子について書き残しておこうと思う。


得点

得点は以下のとおりだった。4つの分野に分けて評価され、各分野の満点は10点、合計で40点満点になる。私の得点は合計27点でおそらくこの回の合格最低点だった。

Short speech                          7
Interaction                               7
Grammar and vocabulary     7
Pronunciation                         6

Short speech

初めての受験だったので、あのパフォーマンスで7点が妥当なのかどうかは判断しかねる。

Interaction

面接官に質問を言い直してもらったりして、あまり自分が話す時間が確保されず、話した内容もイマイチだと思っていたが、結構うまくいったと思ったショートスピーチと同じ7点だった。

Grammar and vocabulary

意識的に難しい文法や単語を使ったりする余裕はあまりなかった。細かい文法の間違いはいくつも犯していたと思う。これも7点が妥当かどうかは判断できない。

Pronunciation

発音は悪い方ではないと自負していたのに6点しか取れていないのが意外だった。私の発音が下手ではないというのは、イギリスやアメリカの標準英語っぽく調音ができるという意味である。あくまでも推測だが、英検での発音の評価は、アーティキュレーションの技術の巧拙を問題にしているわけではないのかもしれない。それよりもイントネーションや文の中でストレスを置く語の正確さを問うている可能性がある。普段からイントネーションはあまり正確でない自覚があるし、緊張のために適切な語にストレスを置くことができていなかったかもしれない。また、言い直しが多かったので、発音のセクションから減点されたことも考えられる。

各面接官の持ち点

2つ前の記事で書いたとおり、同一の採点用のマークシートを2人の面接官にそれぞれ渡す。マークシートは4分野で各1点から5点までマークできるようになっている。
つまり、各分野を1人の面接官が5点満点で採点して2人合わせて10点満点になる。

3点と4点の中間程度のパフォーマンスだった場合に、両方の面接官が3点をつけて計6点になるのか、両方が4点をつけて計8点になるのかは、合否への大きな分かれ道となる。5段階の評価に落としこむことができない場合に、2人の面接官が相談して1人は3点、もう1人は4点をつけるといった調整がなされているのかは謎だ。各分野の得点が奇数である場合は、5段階での評価で面接官の意見が分かれる、または調整がなされるくらい微妙なパフォーマンスだったといえる。

合格の要因

合格の要因を自分なりに考えて挙げてみる。

  • 自分が話すことができるトピックがあったこと

  • その場でよいアイデアを思いつくことができたこと

  • ちょうど2分間でショートスピーチを話せたこと

  • 2人のうち1人の面接官には複数の分野で4点をつけてもらったこと(おそらく3点と4点の間くらいの出来だったのに)

  • (おそらく)この回の合格基準点が27点だったこと

こうしてみると、かなり運の要素も入っていることがわかる。絶対に無理だとは思っていなかったが、3回か4回受けたら1回は合格できるかなあと予想していた。実際に受験した今振り返っても考えは同じだ。今の自分の実力だと、百発百中では合格できないが、何度かに1回、トピックや面接官との相性、そして調子が良ければ合格できると思う。たまたまその1回が最初の受験だっただけだ。

今後

1級に合格したものの、自分の英語が上手いと思うことは全くない。(むしろごく基本的な文法項目ですら理解していないことがある。)いつでも余裕で合格できるくらいの実力をつけたら、見える景色も変わるのだろうか。しばらくは英検の勉強はやらないが、もっと英語力を磨いて、近い将来再受験してみたいと思う。それでも英語を自由自在に使いこなせるようになるかはわからないが。つくづく語学の勉強に終わりはないと思わされる。

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