ぬこ。尊さの象徴。生きる意味。
あぐらをかいて座っていたらば、すすーっとぬこがやって来て、30分ほどうとうとと眠ってから去って行った。
寒いのが苦手だ。体調が悪くなる。目に見えて明らかに悪くなる。去年からはそれプラス頭痛も加わり、4月ぐらいまで本当につらい。あたまいたいだけではなく、吐き気を催すほど気持ちが悪くなることもある。こんなにまでしてなぜ生きていなくてはいけないのかと思うぐらいつらい。前世信じてないけど、もしあるとするならばわたしは過去南の国で暮らしていたんだろうと思う。それぐらい寒いのが苦手だしイヤだしキライだ。
だがしかし。
寒い季節になると、こうしてぬこが、暖を取りに来てくれるのだ。それも自主的に。
ぬこと共に暮らしいる方には言うまでもないことだが、ぬこはイッヌのように、ヒトの指示に従ってくれたりするタイプのイキモノではない。ぬこ自身がこの世のルールであり、気が向かないことは絶対にしない。忖度も、まあ、絶対とは言わないけれどほとんどしない。そのぬこが、自主的に来るのだ。そして、くつろいで去って行くのだ。
こんなに尊いことが他にあるか。
ぬこと初めて暮らしてから18年が経つ。既に旅立ったファーストぬこは本当に何と言うか高貴な方だったというか、とにかくぬこの中のぬこ!という感じで、抱かれるのも触られるのも好きではなかった。同じく旅立ってしまったセカンドぬこはファーストとは逆で、撫でられるの抱っこされるの大好きで、共に暮らした期間は本当に短かったのだけれど、思う存分撫で繰り回させてもらえたという印象が強い。今いるサードぬこは初めての男児。これがまあ、噂(去勢済み男児ぬこは大変甘ったれな傾向にあるという件)に違わぬ極甘ボーイ。おなじぬこ科のイキモノでも性別でこんなにデレ度が違うのか!世の中にはまだまだ知らないことがたくさんある!!と、目からウロコがたくさん落ちたぐらい驚いた。
まあそんなデレ男ではあるけれど、やはり、気が進まないことは絶対にしない。断固たる態度でしない。だからこそ、自主的に暖を取りに来てうたた寝ってくれたりすることが尊いし、この上なき幸せを感じるのだ。
今日、急ぎの予定がない日でよかった。宅配の人来なくてよかった。トイレに行きたくもならず、喉も渇かずによかった。サードぬこが居たいだけ、あぐらの上に乗せてあげることができてよかった。それだけでもう、今日は十分にいい1日になると思う。サードぬこについては分からないけど、少なくともわたしにとっては。
なぜ生きているのかが分からないぐらいの体調不良と頭痛と吐き気に見舞われる、つらくて寒い季節。なぜ生きているのか分からないけれど、敢えて理由づけをするならば、ぬこが暖を取りに来てくれるから。ぬこを暖めるために、わたしはこの冬も生きなくてはならない。