別れは本当に突然に。
火曜日。始めて7か月ほどになる、第3外国語のおけいこの日だ。
家から急行に乗ってそこそこ時間のかかる場所までおけいこに行っている。それゆえ、もし電車などのトラブルで遅れたりしないよう、早めに家を出る。
通い始めてからしばらくは30分ぐらい前に最寄り駅に着き駅構内のドトールで時間を潰す、という方式を取っていた。ただそのドトールはいつ行ってもかなり混雑している上、ほとんどがカウンター席。のんびり寛げる感じではなかった。他にどこか……と彷徨ってみたこともあったのだが、駅構内もしくは駅ビルの中で探すとなるとなかなかここぞという店が見当たらず、しっくり来ない日々を過ごしていた。
そんな中、通い始めて5か月ほど経ちようやく、駅を出たすぐ先のところにドトールを発見。2フロアあり、テーブル席も完備。そして駅構内ほど多忙じゃないからか、お店の方がみなさん、何というかギスギスしていないというか、ゆとりがあって笑顔が溢れていてステキ。初めて足を踏み入れた時に速攻気に入り、そこをおけいこ前の安息の地と決めた。
安息の地はわたしにとって本当に心休まる場所となったゆえ、家を出る時間を若干早め、おけいこ開始小一時間前には安息の地へ到着。ドリンクを飲みながら復習をしたり宿題の見直しをしたり軽く予習をしたり、時間にゆとりがあれば本を読んだりして、とても幸せに過ごしていた。
そう。先週までは。
……などと書くとすわ安息の地閉店?などと思われるかも知れないがそうではない。
店はあった。いつも通りお店の方々もゆとりがあって笑顔が溢れていてステキだった。
ただ、いつも私が頼んでいたカフェモカだけが、忽然と姿を消していたのだ。
え、ちょっ、だって、先週まではそんな素振り一切見せず、わたしにごくごく飲まれてくれたじゃんかカフェモカ!なのに、一言の予告もなく突然すぎるんですけど。こんなこと、あっていいはずがなーい……!
メニューのカフェモカがあった辺りには「ココア」なる商品が鎮座しており、ああ……チョコ的な商品をダブらせる必要はない、冬はココアだろやっぱり!的発想か……と瞬時に理解。
わたしがカフェモカを飲む理由。それはコーヒーがあまり得意ではないからだ。ただ、カフェイン摂った方がいい方の頭痛持ち&眠気覚まし、及びおけいこで頭使うので直前に脳みそに糖分を……!ということで、コーヒー度弱め+甘み=カフェモカ。だから割と他のメニューでの代替がききづらい。
あっけに取られたまま前回は豆乳ラテを頼んでお茶を濁したのだが、来週からどうしようかマジで悩んでいます。せっかく見つけた安息の地を離れたくない気持ちでいっぱいなのだが、胃が痛くなる可能性を秘めた豆乳ラテを飲んでおけいこ中に体調を崩すのは困るし、ブレンドとココアを頼んで混ぜて飲む、みたいなことも何だかとてもばかばかしい気がするし。
ああ……わたしあなたと別れるつもりなんかこれっぽっちもなかったのに……!未練がましいけど、普段こういうこと、現実の男には一切言わないタイプだけど、戻って来てほしい、わたしの元へ……!
……帰宅して検索してみたらばドトールカフェモカロスな人が大勢おり「おお……同士よ……!」と手を取り合って涙ぐみたい気持ちでいっぱいになりました。