ポリティカルコレクトネスと差別、言葉
「ポリティカルコレクトネス」っていう言葉は、随分前に村上春樹さんのエッセイなどで取り上げられて知っていましたが、日本でも最近すごく議論されてますよね。こうなってみると、春樹さんが以前から危惧?されていた状況を肌身に感じるようになりました。
私の息子がブラジルに留学しているのですが、生まれてこのかた半径20キロ位しか居住エリアが変わってない土着民(←この言葉も人によっては差別用語らしい)の私は、異国の地の文化とか人種に興味津々。息子に
「外人さんってどう?人種とかでいろいろ違う?」
と尋ねたところ、
息子「ハーフの人って、なんか肌がぴかぴかしてるんだよね〜。どことどこのハーフ、とかじゃなくて、ハーフの人はみんな。あれどうしてだろ。」
息子「あと、黒人の人はなんかにおいが臭い。理由はわからんけど。でもこれは外で言ったら、警察に連れて行かれるってホームステイ先の人から言われた。」
との返事が。
あとで家人に聞いたところ、ブラジルには人種差別禁止の法律があるそうで、程度によるけど警察に捕まることもあながち嘘ではないようでした。
それで、そういう差別につながることを「言う」行為と、実際「臭い」という感覚、この間を埋める何かがあるのかな、と考えこんでしまいました。
やっぱり、「臭い」のを「臭い」って誰にも言ってはいけないのは、マナーとしてはわかるけど、言えないのはやっぱりツライと思うのです。感覚を言葉にしちゃいけないというのは、、、でも「臭い」とは感じてるわけです、心の中では。
とはいえ、「黒人は臭い」って言ったら、やっぱり差別っぽいですよね。ポリティカルコネクトネスにも反している気がします。
ネットで調べたところ、黒人はワキガ率が他の人種より高い、との記述もあり、息子の感じたことは事実ではあると思うんです。でも言っちゃダメ!!
う〜ん、なんかもやもやする。
ダイバーシティってそういうことも含めて受け入れていくことだよ、って回答もネット上にありました。ブラジルは「人種のるつぼ」と言われてる国なので、そういう意味ではダイバーシティの先駆けの国なんですよね。
でもでも、そういう差別的発言を法律で取り締まるっていうのはどうなんだろう。そうでもしないと、やはり差別ってなくならないのかなあ。どうも私は言葉を取り締まることにすごく抵抗があるみたいです。
日本は少なくとも、言葉に関してはマナーとか公序良俗の範囲でおさめておいて欲しいなあと。
法律で取り締まるようなことがないよう、切に願っています。