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エッセイ2 清明・デルフィニウム

SNSつながりのご縁でネットで初めてお花を買った。いつもは花屋さんで必ず見て買うのだけど。

デルフィニウム。農家さんから直接届いた花。その花は私の推しの舞台が配信によって全国に行き渡った日に届いた。

花言葉は「清明」「高貴」「あなたは幸福をふりまく」「誰もがあなたを慰める」水色は「あなたを幸せにします」。

わたしが大好きな推しは幸福をふりまく人で、誰もがあなたをほっとおかない。

推しがドラマのクランクアップで贈られた花束には紫にも見えるデルフィニウムがテーマカラーに使われていた。花言葉そのまんまだ。

貴方は最愛の母を亡くした。お母さんのためにお花を選ぶようになったと言っていた。いまも貴方のお母さんのところには、貴方が選んだ蘭をはじめ、お花がきっとたえないね。

舞台を通して私は命とは何か?愛とは何か?母とは?といろんなことを考えた。脚本を書いたひとも彼が母を亡くしたことにふれている。あてがきされた月の物語。貴方は生き切った。


私の母はデルフィニウムが大好きだ。私たち親子がデルフィニウムという花を認識したのは飼っていた愛犬がちらほら雪が舞った日に虹の橋を渡った時、お世話になった獣医さんからおくられた花束の中にあったのを見つけた時だ。その優しい水色に泣いたけど、心が癒された。

それ以来、母はデルフィニウムが好きだ。私も好きだ。

沢山届いたデルフィニウムを母にお裾分けしたら顔がパッと輝いた。大層喜んでくれて、飾ったよと写メをくれた。

母はあとどのくらい生きてくれるんだろう。母にもわたしにも平等に時間はふりそそいで、やがて止まる時がくる。母もわたしも。そのことを思うと震える。

耳のこと。身体が弱かったこと。育てるの大変だったろうなと思うので母との時間を大切にしたい。色々あった人生だけど、その分痛み、はわかるようになったかな…

花好きは母から受け継いだけど、母には敵わない。母はそのまた母には敵わないという。代々どんとん先細り?になる花好きだけど、花は癒されるから。たまに好きではないという人もいるけど、やっぱりあるだけで心が満たされ、疲れたりダメージ受けた心が癒されると思う。

こんなことをデルフィニウムをいけながら、つらつらと、とりとめもなくもなく考えた。

花をいける時間は自分との対話。大切なひととき。

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