【医学生・研修医向け】君たちはどう生きるか - 誰も教えない医師の進路の話 - 2. 医師の人生の終着点は3種類しかない

進路を選択する上で、キャリアパスの終着点を考える必要があります。
もちろん終着点から考えるという方針自体は他業界でもよくある話ですが、医師の場合は終着点により最初の時点で選ぶべき道が大きく変わってきますので、当初の進路選択の時点から終着点をきちんと定める必要があります。

医師の人生の終着点3つとは、

・開業医
・教授
・常勤医を辞める(臨床医以外の道)

です。

「大学病院や市中病院の勤務医で一生を過ごす方針もあるのでは?」と考える先生方もいるでしょう。
しかし、後述しますが、私は勤務医の選択肢は副次的なものであり、進路選択の時点から考えるべきではないと考えています。

また、この3つにはなりたくないと思う先生も多いことでしょう。
どこかの病院でかっこよく手術している自分、救急外来を捌いている自分、世界レベルの知識を以て外来をこなしている自分などなど、普通の医学生や研修医の夢をたずねても、開業医や教授といった選択肢は出てこないのが普通です。

また、厚生労働省はこの3つの選択肢を隠すように、臨床研修の目標に「何でもできるスーパー研修医」を掲げさせようとしている事が透けて見えますし、有名研修病院の多くはまさにそうした先輩たちの姿を見せながら勧誘します。

しかしその後入局し、あるいは後期研修医に進み、専門医を取った辺りで気づくのです。

医師とは一つのことを極めんとする職業であった、と。

その1つのことが手術や研究等の医学に向かうのであれば、教授を目指すのが適切です。そして、この道は極めて成功率の低い道です。
その1つのことが外来や患者の人生など人としての患者に向かうのであれば、開業を目指すのが適切です。
その1つのことがお金に向かうのであれば、そもそも医師を選ばない方がはるかに儲かります。

ここで困ったことが一つあります。
それがこの項の最初に示したこと、即ち、

それぞれの目標に対して選ぶべき医局が違う

ということです。
詳しいことは後の項に譲りますが、例えば教授になりたいのに不適切な医局に入局すると、教授になれないばかりか方針の違いから下手をすると医局を辞め、意図しない無茶な開業や厳しい労働条件での仕事を継続せざるを得ない羽目になったりします。

仕事だけで済めば良いですが、その結果精神を病んで自殺してしまっては話になりません…とはいえ、恐らく卒後10年目以降になれば、知り合いの知り合いまで広げれば一人くらいはそういう先生の話を知っているはずです。

全く人生の無駄と言うより他ありません。

本稿は皆さんにこうした無駄な選択をさせず、将来の皆さんの人生を守ることを意図しています。

これから先はその1つ1つの選択肢について具体的に検討していきましょう。


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