マイケル・ジャクソンのはなしをしよう① 私とMJ
「マイケル・ジャクソン」と聞くと、みなさんはどんなことを思い浮かべるだろうか?
レジェンドだとか、世界一のダンサーだとか、音楽史の特異点だとか、ポゥ‼︎とか。ゴシップだとか、奇人変人だとか。チャイルドスターだとか、ディスコだとか。
マイケルのイメージは、人によって本当に様々だと思う。
私にとって、マイケルは「なんかよくわからないけど、とてつもなく有名で敷居の高い歌手」だった。
それがある日突然、ガラリと変わってしまった。
一瞬にしてわたしは彼の虜になってしまったのだ。
いうなれば…マイケルが笑顔で部屋に入ってきて、突然ボディーブローを食らわせてきた挙句、優しくキスをして颯爽と部屋から出て行った みたいな感じ。
いまもその衝撃の最中にいる。
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マイケルは母のお気に入りのアーティストだった。
私のマイケルの最古の記憶は、家の中で流れているJackson5の音楽だ。
彼らの音楽は、いまも私に当時の楽しい記憶を蘇らせてくれる。
それから、東京ディズニーランドのアトラクション、Captain E.O.
いつも大興奮の母をよそに、「この人はいったい誰なんだろう…。」と思っていた。「お家で聞いてるABCの歌と同じ人よ」なんて言われても、ちっともピンとこなかった。だってABCの歌は子供の声、大画面で歌う彼は大人なのだ。
幼少期にマイケルに触れる機会は多かったにも関わらず、特段、彼自身に強く興味を持つことはなかった。
マイケルに限らず、母が聞く洋楽はどれも敷居が高いように感じていたし、なぜだか母の愛する音楽を素直に聞く気になれなかった。もしかすると、私がビジュアル系を選んだのは、母への小さな反抗だったのかもしれない。母とは違う「自分」だけの世界が欲しかったのだろう。
「素直に聞いておけばよかった」と後悔する日が来るなんて、あの頃の私は露ほども思わなかった。
今現在、当時マイケルの音楽を聞かなかったことを、ひどく後悔している。
せめて母が生きている間に、少しでも興味を持てたらよかったとも思う。
コンサートの様子や、当時のファンの熱量を、私は知ることはできない。
母はそれを知る一番身近な人間だったのだ。マイケルを愛した今、母を失ったことはこれまでとは別の意味でとても惜しい。
とはいえ、過去をいくら悔やんでも戻ってはこない。
「ある日突然マイケルに目覚めることって、あるよ」と、ある人に言われた。
そういうもんかな。きっとそういうタイミングだったんだな。と思い、マイケルに出会えたことに感謝して、彼の残したものを愛したい。
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私はダンスをやっているわけでもなければ、音楽インテリでもない。
そのうえ「マイケルのファンだ」というにはあまりにもヒヨッ子だ。知らないことは山ほどある。
だからこれから書く、マイケルの記事はおそらくひどく低次元だし、感想の域を超えないだろう。
それでも少しでも彼の素晴らしさに触れた感動を、言葉に残せたら。と思う。
2021.06.29 吉野りりこ