
余韻嫋嫋(よいんじょうじょう)音楽雑記。#6
余韻嫋嫋音楽雑記。
#6. シニック / 野上陽平
「currently」より
アレンジ:金﨑圭介
※過去に書いたものを推敲せずそのままアップしているので、言わずもがな、主観です。
※メモ見たら、2023年にこの感想書いてた。
「currently」の中でこの曲が一番好きな事もあり、やたら文章量多い。
自分でも若干引いてる。・・・まぁ別にいいか。個人の感想だし。
私は何か曲を聴くときに、イントロで惹かれるパターンが割と多くて。
曲の出だしというか、掴みというか。ここで一気に楽曲の印象、温度感が決まる感じがあるので、ここで持っていかれるともうダメですね。
一瞬でその世界観にハマる。
この「シニック」はイントロの音色が特に好きで。
イントロのオルガンの音が、程よいあたたかみはありつつ、綺麗すぎずちょっと歪んでるのがいいし、ふらふら揺れてるのが、いい意味で生々しくて良い。
そこに厚みのあるコーラスが入って、Aメロに向けて一気に視界が広がる感じ・・・良きですなぁ。
あと、個人的にはシタールとベルの音とギターのワウね!たまらん。。。
ワウ、好きなんですよね昔から。
どことなく、いい意味で硬くて無機質な感じの機械音と、コーラスやオルガンのあったかい感じのバランスも抜群です。
Aメロでボーカルが入るのと同時に、周りの音がグッとシンプルになるのもいい。
それによって、野上さんのちょっと気怠そうで、どこか憂いを含んでいるアンニュイ加減がより際立ってる感じします。
(※アンニュイって本来はネガティブな意味合いだけど、それすらも魅力になってるよね。)
一声だけで人の心をきゅっとさせるとか、声だけでニュアンスが出せるとか、声単体で「艶」を感じさせるってもう、特殊能力に近い、その人が与えてもらった天稟と思ってて。
さらにそこに、メロディーセンスであったり、言葉を集めて組み立てるセンスだったり、技術力だったり、音楽を創る上で色んな要素が組み合わさってるんだから、最強やん。って思います。いやはや、羨ましい限り。
この「シニック」は特に、野上さんの声の魅力的な部分、詰まってるなぁと個人的には思います。
※人によって好きなポイントや質、音域って違うから、あくまで私の主観ね。
メロディーラインはもちろんなんだけど、曲の構成もいいんですよね。
展開が読めないというか、セオリー通りじゃない所にセンスを感じるというか。
こういうのをさらっとやっちゃう所が、野上さんだなぁと思う。
2番で1番と同じ事をやらない所もいいし、この辺からアレンジも小技が効いてるというか、色んな所にポイントとなる音色を散りばめて、遊んでる感じがとてもいい。
中間部のオルガンソロもだいぶ自由に遊んでるなぁと思ったのに、その後に被せてくるギターソロが・・・なんとまぁ大胆というか。
「え!君、今までどこにおったん!?クセ強!」みたいな。←
とにかくいい味出してる。
良すぎてちょっと笑っちゃいましたもんね。
続きまして、私の好きなシタールとベルの音でございます。
シタールの音ってすごく独特で、金属っぽい硬質な感じはありつつも、そこにふくよかな響が合わさって、何とも言えない味があるんですよね。
音そのものに余韻と表情があるというか。
それがこの曲にピッタリはまってるし、いい仕事してる。
シタールじゃなきゃダメだと思う。
中間部が終わってパッと場面が切り替わって、ラスサビに向けて盛り上がっていく所。
ここでセピアな世界が一気に色づいて、場面が一気に広がる絵がパーッと浮かぶの!私の脳内では一気に鳥が空へ羽ばたいてる!解放!
ベルの音がまた切なくて、メロディーラインの高まりと共に、ちょっとずつ音階が上がっていく所とか胸がきゅーってなるし、この音を聴くと心が救われる感じするんですよねぇ・・・沁みる。
そしてラストの所で微妙にピッチがずれてる感じが、いい感じの違和感なんですよこれが。綺麗にまとまりすぎてないのが絶妙。
この曲、とにかく好きなポイントがたくさんあるんだけど、言わずもがな、歌詞も良くてですね。
私は歌詞を書かないので分からないのですが、「恋愛」がテーマの曲って割と作りやすい気がしてて。(知らんけど。私はそう。)
「恋愛」をテーマにしたものって、聴く側が自分の実体験に詞を重ねる事も多いと思うし、全く一緒ではないとしても、「この感じ分かる!」みたいに共感もしやすかったりするから、
そうじゃないものがテーマの方が、詞を書くのも難しいんだろうなぁと思ったり。
だからこそ、こういう、恋愛がテーマじゃない曲で、歌詞のどっか一部分が刺さる!みたいな詞に出逢うと、とても嬉しくなるんですよね。
うーん、この感覚、どう言えばいいんだろうね。わからん。
(・・・めちゃくちゃ分かりにくい表現してる。よみがえれ私の語彙力!←)
ちなみに私は、「言葉は常に心を抓るから」というフレーズに衝撃を受けて、この曲が好きになりました。
初めてこの曲聴いた時、この部分がずっと頭に残って離れんかった。
元々私は、マイナスな感情を表に出すのが苦手で。
しんどいなぁとか思っても、心に蓋をしちゃうというか、それに慣れちゃってる自分もいて。
だって、痛くてもその痛みに気付かないフリをしてやり過ごした方が、絶対に楽じゃないですか。
だけど、「言葉は常に心を抓るから」ってフレーズを聴いた時に、
あ、私は心を抓られてたんだ。って何か腑に落ちたんですよね。。。
「刺す」とか「えぐる」とか、そんな大きな傷じゃないんだけど、「抓られてた」んだ。って思って。
「私、ちゃんと傷ついてたんだな。」って、自分が傷ついている事をちゃんと認めてあげられた気がして、泣きましたなぁ。浄化の涙!
悔しさや不甲斐なさとか、自分が今抱えてるもの全部、途中で立ち止まってもいいから、受け止めてあげようって思った。
なんか、久しぶりにこんなに刺さる詞に出逢った感じする。
こういう曲に出逢えたということが、心から嬉しい。
ほくほく!
シニック / 野上陽平
「currently」より
気になった方はぜひチェックを!
→ youtube で聴けますよ♫
この先も、大切に、大切に、聴き続けたい1曲です。
おわり。