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【中国留学】オンライン期末試験を受けてみた

6月末をもって、2学期にわたる中国留学が終了した。
後期は帰国しオンラインにて授業を受けており

中間/期末 試験も、
もちろんオンラインだった。

TOEFLなどでも導入され、何かと話題なオンライン試験。
日本の大学もそろそろ期末にさしかかる今、
この未曾有の事態に、先例として少しでもフムフムと思ってもらえたら幸いである。

試験科目(語学試験の場合)

私は語学を中心に学んでいたので、その試験について。

以前も書いたが、オンライン化により科目数が減り(学費も減額)、
言わずもがな試験や単位も減った。


前学期のオフライン試験は、

  📖 精读 (文法・読解)
  👀 泛读 (速読)
  👂 听力 (リスニング)
  ✍️ 写作 (ライティング)
  🗣口语 (スピーキング)
              
        ( & その他選択科目)

に分けられて行われたが、


今学期のオンライン試験は、

  📖 精读( &  👀泛读)  
  👂 听力        
  🗣口语                      

の3つとなった。

また、同じ科目でも中間と期末は別の先生が担当していて、
その試験もそれぞれ個性があった。


試験方式

 📖精读  &  👀泛读  (文法&速読)


超星
というアプリを使い事前に通知欄に届いた試験を開ける。もちろん、管理者である担当教員により、試験開始時間まではアクセスできない仕様に設定されている。


ちなみに、この通知欄を通して模擬問題も配られた。
通信に問題がないか、どのように回答するのか、といったことが事前に確認できるのは、とても重要なことだ。

設問について言えば、
PDF配布されていた教材に沿った内容も出たが、まるっきり同じというのはほとんどなく、初見の文章が多く出題された。


基本的には4択、選択肢なしの穴埋めなどで、作文は出ず。
自動採点できる形式のものがほとんどで、実際、試験後すぐに採点が終わったと伝えられた。
これは、オンラインならではの利点ではあるかもしれない。


👂听力  (リスニング)


授業ではいつもZOOMを使っており、そのルームを開いたまま、超星アプリ上で模擬試験を受けた。

そのため、模擬試験中に問題が発生すれば、ZOOMのマイクをONにして先生に伝えた。
模擬試験の音声が途絶えたとき(回答を記入しているとき)のみ、他の学生のZOOM音声が聞こえるため、特に設問が聞き取りにくくなることはなかった。


本試験中はZOOMは用いず、通信上など何か問題があれば、直接 担当教員に連絡をした。

設問の音声は、アプリの仕様上(?)、複数回再生できた。


期末試験は、
パソコンの声を聞き、パソコンに声を聞かせるという方式だったが、
中間試験は、
担当教員と1vs1直接電話をした。
👂听力と🗣口语 の合体である。


実際の会話なので実力がはかりやすく、
少人数クラスならこれもアリかもしれないが、
学生は1回でも先生は何人とも話すので相当ヘトヘトになられるだろうし、
数値的評価基準が曖昧になりがちというデメリットもありそうだ。


🗣口语(スピーキング)

これまた超星というアプリを使って行う。


もともと解答欄に音声を入力できる仕様になっているため、 🗣口语 ではそれが利用された。といっても、音声が文字起こしされるのではなく、解答欄のマイクのマークをクリックし、録音するだけだが。


試験2回前の授業内で、マイクが使えるか確認し、
試験直前の授業内で、模擬試験を一斉に行った。

試験内容としては、50分間で、5つの設問に対して、それぞれ4分間以上口頭で回答するというもの。また、いくつかの指定の語句を使う必要がある。


うち3問は、授業内で扱った話題に関する発展的な問い、
うち2問は、大問1つにつき3つの選択肢の中から任意の1つに答える問い
であった。

これは個人的な問題だが、私は母語でも会話はドギマギしてしまうタチなので、いきなりアドリブで答えろと言われても困っちゃうのである。これは対面かパソコンかとかそういう問題ではない。まあ試験なので困っちゃうとか言っている場合ではないのだが。


ちなみに、中国で対面授業を受けていた前学期も、🗣口语 の試験はパソコンに向かって録音をするという形式だった。
(大学の試験会場教室内にあるパソコンに向かって録音)

在宅オンライン試験だとまわりの雑音が聞こえないので集中しやすく、個人的にはむしろ良かった。



トラブル&注意点、  改善方案

▼試験時間は残り何分か?

私が受けた試験フォームは、設定時間が終わると自動的に閉鎖・提出される仕組みだった。しかし、試験時間は90分間だったにも関わらず、フォーム閲覧可能時間が120分に設定されていたため、開始90分を過ぎても閉鎖されなかったようだ。
(おそらく前後の通信トラブルに備えて)


制限時間は表示されるものの、うっかり90分間過ぎたあとに提出してしまった学生がいた。そのあとで先生がグループチャットで「90分過ぎてから提出した人は0点ね!」なんて追い打ちをかけるもんだから、その学生はもう苦笑するしかない。現地風に言えば 我太难啦... という感じである。


▼回答は提出できているか?


これは私自身の話だが、🗣口语 の試験で、「録音のアップロードが完了」と表示されたにも関わらず、録音の記録が残っていなかった。

再度録音するも、またもや正常にアップロードされず。
これはマズイ。通信の問題か? 模擬試験の時は正常にできていたのに。
焦って焦って汗をダラダラかきながら、担当教員に連絡する。

しかし先生も「とりあえず先に次の問題やってて」としか言いようがない。
試験終了後に確認してもらったところ、一つも正常にアップロードできていなかった(泣)

まずい、貴重な単位が…チャララ〜ン↓という感じで青ざめたが、その直後、スマホで録音して直接教員に送るように指示され、なんとか不戦敗は免れた。


これをご覧になっている、

みんな、
Wi-Fiや通信状況はよくよく確認しよう。普段問題なくても。

先生方、
当日、異常が発生するかもしれないので、すばやく通じる連絡手段は必須です。普段問題なくても。



不正防止について

私の試験は持ち込み不可だったのだが、不正防止策は特にとられていなかった。カメラもオフだった。

強いて言えば、試験のはじめに「不正行為はしない」と署名したくらいだ。
完全に性善説である。


設問は、選択肢のない穴埋め問題や、初見の話題でアドリブ口述する問題など、不正しようにもできないだろうものばかりだった。教員との電話による🗣口语 の試験は、その最たるものだろう。自分の意見を述べるものは、オンライン試験に適している。
在宅オンライン試験では、設問の工夫が命と言えそうだ。


ちなみに、人曰くカメラをONにして受ける試験もあったと聞く。
カメラによって、実際にどこまで行為を監視できるかは断言できないが、パノプティコンとしては機能するかもしれない。


オンライン試験は、やはりどうしたってあくまで性善説に則る必要があり、(監視システムを利用している場合もあるが)
試験よりレポートの方が無難というのも理解できる。


しかしオンラインにはオンラインのメリットがあることも知ってしまった以上、ウィズ・コロナ 改め ウィズ・オンライン講義 時代の到来は免れない。オンライン試験の拡大も考慮し、対応してゆくべきだろう。


余談(オンライン卒業式)

このオンライン期末試験を以て私の留学は終了したわけだが、なんだか あまりにあっけなく幕を閉じてしまった。
終わった実感が湧かない。これは名残惜しさの常套句ではなく、本当に実感がないのだ。なんなら うっかり、また いそいそと授業準備をしてしまう。なぜだろう。そうだ、修了式がないからだ。
(本来ならば現地で行われるはずだった)


一方、現地の学生向けには、オンライン卒業式が行われたそうだ。しかし今夏卒業の友人は、危うく忘れかけたらしい。式典のメモリアルという要素が、式場というハコがなくなることによって、薄らいでしまっている。式典の本質を成すものは何かということがわかる一例のように感じた。


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