風が吹き荒れている
FMラジオを聴いて日々を過ごしている。
目に見えないウイルスが急拡大して人々の行動が制限され、テレビはコロナの話題ばかり。
もちろんラジオからもコロナに関する話が流れてくるし、DJの皆様は自宅からのリモート放送をしている。愛聴しているBlueOceanの住𠮷美紀さんに至っては、ご自身が入院してしまい、私もショックで、回復の様子を住吉さんのインスタで見ながらウルウルする数週間を過ごした。住吉さんが復帰したときの投稿に、秀島史香さんがそっと”いいね!”を押していたのにもグッときた。
それでもラジオは話し手と聞き手がダイレクトに繋がっている感じがするし、生活の中での話題がちりばめられていてなんだかホッとする。
職場や学校に行けずに自宅で過ごす人が急増してから、ラジオを聴く人も急増したようで、ラジオから流れるリスナーからのメッセージも様変わりした。こんな世の中だから当然と言えば当然なのだけれど、日常のリズムと化しているラジオがなんだか変拍子になったようでちょっと落ち着かない。
そんなこの頃、ある曲が流れた。「うわぁーー!!」と思った。
それから、毎日毎日、いろんな番組でこの曲やこの人のほかの曲が流れてくる。いったい、日本中のラジオで一日に何回かかっているのか?と思うほどだ。
藤井風「優しさ」
いったい何者なのかググったりYouTubeでいくつか動画を見てみた。
圧倒的だった。音楽も人も。
平井堅と久保田利伸とアンジェラ・アキと大西順子を突っ込んでかき混ぜたような異才。流暢な英語と流暢な岡山弁。岡山弁も英語なまりに聞こえてくるから不思議なものだ。
MVでは松田翔太のようなオーラを発しているのに、普段の姿は母校のジャージをはいている、だたのもじゃもじゃ君。
ふり幅の大きさに揺さぶられて、殺られた、よ。
人と人が直接会うことがためらわれる中で、目に見えない電波に乗って、日本中に風が吹き荒れている。