Vue3の状態管理でProvide/InjectとPiniaのどちらを使用すべきか【一目比較 事例】
Vue公式としては、Piniaを推奨しているようだ。
一目比較
Provide/Injectは規模が小さく、特定のコンポーネント間で状態を共有するのに適していることがわかります。一方で、Piniaは大規模なプロジェクトやアプリケーション全体の状態を効率的に管理するための機能を提供し、DevToolsでの追跡もサポートしています。
解説
Vue 3での状態管理の選択肢として、`Provide/Inject`と`Pinia`があります。これらは異なるユースケースやプロジェクトの規模に応じて使い分けられます。
Provide/Inject
`Provide/Inject`は、Vue コンポーネント間での状態共有のための機能です。これは主に親子コンポーネント間、特に深い階層にあるコンポーネント間でのデータの受け渡しを簡単にするために使用されます。
Provide: 親コンポーネントがデータや関数を提供します。
Inject: 子コンポーネントや孫コンポーネントがそのデータや関数を利用します。
特徴
ローカルなコンポーネントツリー内でのみ有効であり、大規模な状態管理には向いていません。
グローバルな状態管理ツールを導入するほどではない小規模なプロジェクトに適しています。
セットアップが簡単で、外部ライブラリに依存しない。
Pinia
`Pinia`はVue.jsの公式状態管理ライブラリの一つで、Vue 3での使用を前提として設計されています。Vuexの後継として位置づけられ、よりシンプルで効率的なAPIを提供します。
特徴
シングルページアプリケーション(SPA)のような大規模プロジェクトでの使用に適しています。
モジュール化されたストアを使って状態を管理し、各ストアは特定の機能やビジネスロジックに対応することができます。
リアクティブなデータバインディングを利用し、アプリケーションの状態が更新されると自動的に関連するコンポーネントが更新されます。
DevToolsのサポートが充実しており、状態の変更を追跡しやすい。
使用例
// Pinia ストアの定義
import { defineStore } from 'pinia'
export const useMainStore = defineStore('main', {
state: () => ({
counter: 0
}),
actions: {
increment() {
this.counter++
}
}
})
// コンポーネントでの使用
<script setup>
import { useMainStore } from './stores/main'
const mainStore = useMainStore()
</script>
<template>
<button @click="mainStore.increment">Count is: {{ mainStore.counter }}</button>
</template>
結論
小規模なプロジェクトや特定のコンポーネント間での状態の受け渡しには`Provide/Inject`が適しています。
アプリケーション全体の状態を管理し、多くのコンポーネント間で共有する必要がある場合は`Pinia`の使用が推奨されます。