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星の海をこえた出会い【ヒプノセラピー体験談】

その日は、瞑想の段階から
既に青く鮮やかな色合いの
海や空、草木が目立っていました。

—―まるで常夏の国。なんだろう?

不思議に思いながら、
目の前の赤茶に錆びた扉を開けました。

するとその途端、
目の前がぐらんと回転。
めまいのような感覚とともに、
私は違う世界へ行ったのでした。

★青緑色の肌の人

自分の足は、
ぴちゃぴちゃとした
水の中にありました。
足はつきます。浅瀬です。
青い空、明るい青い海。
白い砂が海の底で輝く、
遠浅の海です。

ふと、自分の手に気づきました。
手が……大きい。爪も長い。
それよりなにより、
その肌は青と緑の中間のような
不思議な色合いをしていたのです。

「えっうそ!? 地球の人間じゃ、ない……!?」

ふだん「ほぉ~なるほど~」と
冷静な私も、びっくりして
ついつい「思考」で考えようとして、
はっとしました。

——いや、頭で考えても無駄なんだ。
まずは素直に感じてみよう。

私は、青と緑にきらめく肌をして、
手足は細く長く、
そして布ひときれすらまとわぬ
裸で海に入っていました。
体毛は唯一、髪の毛だけ。
黒褐色のつややかな髪が
肩の下まで伸びています。
この髪は、私が一番好きな部分でした。

地球人じゃないな。
かといって、
地球の生き物でもないみたい。
……ここは、地球なのかな?

見ているほうの「私」は、
そう思いながら空を見上げました。

空が……地球と違う。

雲がない青い青い空、
その色は地球とよく似ていましたが、
太陽がひとつではなかったのです。
太陽に似た星がひとつ。
そして、太陽より白く輝く星が、
もうひとつ浮いていました。

……これからどうしよう?

考えても分からないので、
「幸せな場面」に移動しよう
と思いましたが、
それも上手くできません。
なぜなのか、
少し感じてみてすぐわかりました。

「常に幸せ」だったからです。

彼女は(私ですが分かりづらいので仮に彼女と呼びます)、常に毎瞬毎瞬、幸せを感じていました。

海の美しさ。
揺れる波間に漂う心地よさ。
近寄ってる魚たちの動き。
陽の光のあたたかさ。
少し行くとお気に入りの密林があり、
そこで浴びる真水の心地よさ。

ここで生きることそのものが、
生の喜びと幸せそのものなのでした。

★出会い

そこで「重要なシーン」に
行ってみることにしました。
この人生を見たのには、
何かしら理由があるはずなのです。

すると、急に
大きな波がきました。
私はいつものように
波でゆったりしているところ。
驚いて波の向こうを見ると……。

そこには、銀色の
不思議なかたちの物体が
ぷかぷか浮いていました。

座薬みたいな形……(←今の私)

見ていると、中から
人が出てきました。

「いや~参った参った。
 着陸ポイント間違った」

黒髪で、銀色の服の、
地球人によく似た男の人です。
彼女は驚きましたが、
向こうはちっとも驚かず、
気さくに話しかけてきます。

そのとき私は気づきました。
彼女は、言葉・言語というものを
使っていないのです。
あーあーとか、音は出るのですが
会話というものをしていません。
でも、船から降りて来た彼には通じました。

ふと、彼が「服」を着ているのを見て
彼女は自分が裸であることを
なんとなく恥ずかしくなりました。

ちょっと聖書の冒頭に似てる……波もくるし、などと思う私。

その彼女の気分が伝わったのでしょう。
彼はごく真面目に、ていねいに言いました。

「気にしなくていいよ。
 僕は気にしないから。
 僕がこれを着てるのは、
 同じように着衣の習慣がある星へ
 行った時のためだから。
 君はそのままで、あるがままでいいんだよ」

彼女は彼の言っていることが
なんとなく理解でき、
恥じるのをやめました。

「私」は、彼に見覚えがある気がしました。
どこかで会ったような気配なのです。

そうだ。顔や見た目は違うけど
この語り口、気配は!

それは、私のガイドさんの一人でした。
見た目は違いますが、
中身は彼そのもののような感じがしました。

★ほんのひと時

それから彼女は、
彼とほんのひと時を
一緒に過ごしました。

水浴びをする姿を見て、
自分とは違う星の生き物なんだと
改めて理解しました。

「僕は、この星の外から来た」
と彼は言います。
様々な星の生態や進化などを
調査して回っているのだと。

彼女も、この星の外に
行ってみたいと願いました。
すると彼は少し困ったふうに

「それはできないんだ。
 君をこの外へ連れ出すのは
 許されていない。
 あ、でもこの星の中だったら
 一緒に見て回れるよ。行く?」

その星は、本当に
ほとんどが海で覆われていました。
地球よりもずっと
海の面積が広いのです。
陸地はほんの島程度。

昼が長く、
夜は極端に短い。
たま~に少し薄暗くなる……
それが夜、という感じ。

ほとんどが海や自然でしたが
中央部には発達した文明がありました。

「彼女」は彼女以外の人に
会ったことがなかったので
その人の多さにびっくりしました。

その星の人々は、みな穏やかで
優しく友好的でした。
進歩した科学力と自然は
きれいに融合していました。

★別れ

彼がもうすぐ帰ると聞き、
彼女は寂しそうでした。

こうやって誰かと会話し、
新しいことを教えてもらい、
新しく「知る」のは
とても楽しくワクワクし、
しかも彼はとてもいい人だったから。

彼は言います。「また会えるよ」
彼女は問います。「また来るの?」
しばらく考え、彼は答えました。

「いや、この人生 ・・・・では
 もう会えない。
 だけど、君も、僕も、
 別の人生のときに必ず会えるから。
 その時はもう、今の体じゃないし、
 この星にもいないけど……
 でも必ずまた会えるから」

「……?」

「君はとても心が美しい。
 魂が綺麗だった、
 愛に満たされていた、
 だから会えた。
 けれど君は、
 この人生を終えたら
 別な場所へ行くだろう。
 ……苦労もするし
 悲しい思いもする。
 でも、君はまたそこで
 愛を知るんだ。
 そして、僕たちはまた
 いつか必ず会える。
 必ずだ」

言っていることのすべては
彼女には分かりませんでした。
でも、いつか会える。
それを信じて、別れました。

その後も、彼女は
ずっと幸せに暮らしました。
ときどき、その
星の海を越えた知人のことを
思い出しながら。

★それが縁

天寿を全うすると、
すぐに雲のような世界に着きました。

目の前には、
私のガイドさんがいました。
そう、「彼」です。

「私たち、あそこで会ったんですね」
「そうだよ。あの後も会ってるけど、
 あそこが最初の縁」

もう、見た目は違う。
でも、中身は同じ。
泣きそうになるのをぐっとこらえました。

「君は、あのときも、今も
 とても綺麗な髪をしているね」

そう微笑まれ、思わず我慢していた涙が溢れました。

「あの星は、美しかっただろう。
 綺麗で平和で、
 幸せに満ちていた。
 君も幸せで、
 愛に満ちていた。
 ……
 地球は、とても生きづらいだろう?
 苦しみもあるし、
 自分の意思は(テレパシーで)伝わらない。

 でも、だからこそ
 その中で感じる愛に、
 輝きがあるんだ。

 この地球という星に
 生きながらも
 人を愛する気持ち。
 人を思いやれる気持ち。
 愛を受け取る気持ち。
 湧き上がる感謝の心。
 自分に何かできないか
 考える心。

 すごいことだ、と思わないか?
 これだけ苦しいなかで、
 その「光」を感じること、
 それこそが尊いと思わないか?
 
 だから皆、地球にくるんだ。
 幸せの中で幸せにひたって
 幸せということに気づかずに
 いるのではなくて
 苦しい中で
 本当の幸せに気づくために。
    苦しい中でも、愛を表現するために。

 わかるかい?
 だから、君たちはすごいんだよ。
 地球に生きる君たちは、
 ものすごく勇気ある
 チャレンジャーなんだよ。
 とても素晴らしく、
 誇りに思うよ」


いつになく、長い長い、
そして愛に満ちた言葉でした。

「君は、その
 【人の素晴らしさ】を
 引きずり出す役なんだよ。
 そのために、こういう
 いろんな経験をしてきたんだ」

「引きずり出す?
 引き出す、じゃなくて?」

「引きずり出すんだよ」

ガイドさんは、
そこでフフッと
面白そうに笑いました。


そして私、
これを書いていて気付いたことがあります。

このガイドさんは、
「フィロソフィー」と名乗っているのです。
私はいつも
フィロソフィーさん、と
呼びかけていました。

この言葉を調べてみたんです。
「哲学」だと思っていたんですが、
あらためて。

すると、
もともとphilo-=愛する、sophia=知
という意味でした。

そうです。
愛を知る。
それは、彼が語っていたことだったのです。


ガイドさんとの縁、
不思議で面白い内容でした!

最後までご覧いただきありがとうございます!😊✨

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さやか🌻ヒプノセラピストLila の「魔法の隠れ家」
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