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夫が発達障害だと、今さらながら分かった話。

タイトル通りなんですが
要点をまとめますと、

・夫がおそらくADHDだと分かった
(専門機関で検査したわけではないけれど)
・今まで家族誰も気づいてなかった(笑)
・結果、自覚してすごく良かった(本人談)
・その個性、特性をかなり生かすことが出来ている例かも?

……という内容です!


★きっかけ

きっかけは、私のSNSに流れてきた動画です。

ふと開いたら、一番最初にショート動画が流れてきました。
ADHDの人の物の失くし方あるある」的な動画で、海外のものでしたが編集がうまくて面白かったのです。

そこで私は夫に見せました。
「見てほら、これ、分かりやすいよ」と。
私が発達障害の勉強をしていることもありますし、夫の職場でもそういう方がいらっしゃるので、参考になると思ったのです。
それを見て、夫は言ったのです。

「これ、俺だ! 俺もこういう思考回路で物失くしてる!」

動画の内容をざっくり

・PC仕事をしようと思ったら、充電がない。充電コード取りに行こう
・コードを見つけたらスマホにチャットが。開いたら面白い話。しばらく転がってそれを眺める。(何かしようと思ってた気がするな……)
・あ!仕事するんだった!とPCデスクへ。そこで充電コードを取りに行ったことを思い出す。
・今度こそ!と取りに行き、コードを手に持って戻る。
・お腹すいたな……と思ったらお菓子を見つける!コードを脇に置いて、「ちょっとならいいよね、たくさん食べるとランチ入らなくなるし」とお菓子を器に盛り、デスクへ。
・デスクにつくと、コードがない。ああ、充電コードどこだっけ!?と最初の場所に戻るも、そこにはない。
・コードの場所が最初の位置から動いていて、しかもそれが関連のない場所なので、見つけられない

探したけど、該当の動画は見つけられませんでした

★夫の傾向を思い返す

「え! そうなんだ!」と驚いたものの、よく考えるとめちゃくちゃ思い当たりました。思い当たるのに、気づかなかったのです。

なぜかというと、発達障害といえば「2~3つのエリアで同じことが起こり、困難に感じる」という特徴があるからです。
でも夫は、仕事に関して言えば目立つようなミスもなく……というより、有能な人でした。有能過ぎてどんどん役職が上がるくらいには……。

とはいえ、私が夫と出会ったのは、お互い20代の頃。
それ以前の、幼少期の夫を私は知らないわけで。その頃はもしかしから、今より特性が強かったのかもしれません。

ちなみに、「思い当たる」内容というのは、こんな感じです。

○忘れ物・失くし物がやたら多い

・家の財布
・自分の財布
・携帯Wi-Fi
・車の鍵
・家の鍵
・クレジットカード
・会社のPCが入ったカバン丸ごと

列挙すると震えるくらい失くしてるんですが……とても運が良いので、全部何とかなってきました。本当に大変なことにはならず、だいたい私が見つけたり、届いていたり、あとで見つかったり……ばかりなのです。

○通知表に「落ち着きがない」と書かれていた(らしい)

個性かもしれないし、「多動」の特徴かもしれません。

○引き戸をきちんと閉められない

食器棚に隙間があるのがデフォルトです(笑)
だいたい私が閉め直します。

○幼少期の記憶が、ほぼない

これは、関係あるのかないのか、分かりません。
とりあえず、小さい頃の記憶が希薄なのです。びっくりするくらい。

○数字に強い

理科は特に勉強せずとも得意だったそうです。
それと、我が家では夫が家計を管理しています。
さらに、仕事の数字にもやたらと強いです。なんでそんなに分かるんだろう?と思われているようです。

○文章を読むことが極端に苦手

ディスレキシア、までは行かないようですが、文字がデザインぽく感じるようで、文章を読むのが苦手です。それでも仕事で必要だから……と頑張って読んでいる努力家です。できれば動画で見たい派です。
ちなみにメールを打つのも苦手だと言っていますが、文法の使い方はしっかりしているので努力を感じます。

○睡眠障害の傾向がある

夫は、寝ることが困難なタイプです。小さいころから気になることがあると眠れなくなるようで、本人も私も「精神的なものかな」とか「神経過敏かな」と思っていました。事実、仕事ではかなり責任のある立場です。
ちなみに、眠れないときに寝かしつけをするのは、私の役目です(笑) そうすると、だいたいよく眠れるのです。
ところで、ADHDの方の8割が睡眠障害なのだそうです。
メラトニンというホルモンの影響なのだとか。


……と、こんなふうに思い返してみると、確かに思い当たる内容があります。でも、専門機関で診断されたわけでもありませんし、年齢的にも傾向が薄くなっている可能性もあります。

ここで大事なのは、本人が「自分はADHDな気がする」と自覚した、という点です。私や周囲の人間が指摘したわけではなかったのです。


★夫が話してくれたこと


それから数日後、夫が言いました。
「俺、ADHDかもって分かって良かったよ」と。

上で挙げた「傾向」。
夫本人も努力していたことですが、完璧にはどうにもならないんだ、自分の努力が足りないわけじゃなかったんだ、と分かってホッとしたのだそうです。

「ママのところに来るお客さんも、同じ気持ちなのかもしれないね」
と言っていました。

確かにうちに来られる方は「これじゃダメかと思ってたけど、いいんだ」「傾向は活かせるんだって思った」とおっしゃる方が多いです。
自分に足りないものを数えて苦しかったけど、それは単なる「傾向」で、それを生かしていくこともできるんだ……と分かるからです。

そんな話はこちらにも


夫が自覚してラクになったことは、いくつかあります。

○ADHDの大多数の人が睡眠困難……ということが分かり、自分のせいではない(※夫は眠るためにかなりの努力をしていました)のでホッとした

○さらに、メラトニンの影響だと分かったので、朝飲んでいたEPAサプリを夜飲むようにしたら、寝つきがハッキリと改善した

○何が苦手で何が得意なのか、許容範囲などを自覚できたので、以前より思考判断がしやすくなった

○得意の自覚も増したので、さらに仕事や生活に生かせるようになった


全体的に生活しやすくなったようで、本当に良かったです。


ちなみに、自覚前・自覚後では、私や息子も夫に対する変化はありません。ずっと同じ。だって、今までと何ら変わらないから(笑)
ただ、前より忘れ物などは気を付けて見ていてあげようかな、とは思います(笑)


★知らずに生かしていた特性

ところで、私には疑問なことがありました。

なぜ、仕事ではミスや、忘れ物や失くし物をしなかったのでしょう?

質問すると、夫は次のように答えました。

①ミスするパターンってあるから、しないように先回りしてパターンを潰すようにしたり、ものすごく気をつけたりしてた

②そもそもミスするってことは、「誰でも簡単にできる状態」ではないってことだから、職場のルールそのものを「誰でもできるように」変えていった。だから結果として自分もしやすくなったのではないか


実は夫、工場以外のすべての部署を回って(自発的ではなく笑)、会社の在り方を徹底的に変えていった人間。会社のルールそのものを、よりシンプルに、合理的に、データ化、見える化し、かつホワイトに変えていった人なのです。

ははあ、「特性を生かして、周りを合わせさせる」かたちに、知らず知らずなってたわけだ……と思いました。

※「周りを合わせさせる」と書くと、非常に自己中心的に聞こえますが、まったくそんなことはありません。夫は「皆のために」仕事をし、役職が上がれば「上に立つ者が部下より仕事するべきだ」と一番頑張ってきていて、人望があります。妻から見ても、尊敬できる理想の上司なのです。

その他、仕事内容が合っていた、というのもあるでしょう。

夫は小さいころ、シミュレーションゲームが好きでした。今やっている仕事も、なんだかそれに近いものがあるのです。

もともと好きで得意なことを、仕事にしていた……という感じなのかもしれません。


★結果として


40年以上生きてきて、思わぬところで「発達障害だったかも」と分かった夫。でも、結果として「むしろ分かってよかった」となった。
そんな感じのお話でした。

ただ、私も夫も持論があります。

それは、発達障害というのは、誰しもが持っている個性の、ひとつの側面だということ

たとえば、いわゆる「一般的」な発達特性の方の一例が、こんな感じだとします。

〇という「一般的」に収まっているステータス

これに対し、発達障害といわれる方の一例が、次のようなものだとします。

〇に収まっていない

このそれぞれのステータスのバラつきが、〇という「想定の範囲」に収まっているかどうか。そういう差なんだろうな、と思うのです。

だから、振り切った能力をお持ちなことがあるわけです。
稀な値ってだけなんです。

この稀なステータスを、どう補い、どう生かしていくか。そういう面が大事になってくるんだろうなと思います。


夫は奇跡的に、不便の自覚は少なめで、生きやすい環境を得ることができましたが、イジメられた経験もありますし、家庭での理解の少なさも経験しています。転職も何度かしています。

それでも、適した場所で、適した生き方をしていくことが、ここまで飛躍的に能力を引き出すことになるんだ……という「良い例」だと感じます。
(手前味噌で恐縮なんですが、夫は本当にすごい人なんですよ)

これを読んでくださったあなたの、あるいはあなたの大事な人の助けに少しでもなりましたら、嬉しいなと思います。


最後までご覧いただき、ありがとうございます!

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さやか🌻ヒプノセラピストLila の「魔法の隠れ家」
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