商売って本当は、平和のためのもの【ヒプノセラピー体験談】
ヒプノセラピーで、こんなことを教わりました。
「商売って、本当は平和のためにあるんだよ。片方だけが儲かったりするのは、商売じゃない。商売がうまくいき、双方がきちんと利を得られるようになれば、戦争なんかはなくなるんだよ」
今日はそんな、ある体験記です。
★古き西アジア。乾いた村の美しい娘
乾いた土地は、耕しても耕してもすぐには肥えません。
村では織物を作っていました(本当に出来のいい、美しい絨毯でした)。
その糸は羊の毛が主な材料でしたが、羊を養えなければ、そもそも作っていけません。
まずは暮らしていけるだけの食料、飼料。
その確保が急務だと、皆で工夫と知恵を凝らし頑張っていました。
そんな矢先、村に、
道に迷ってたどり着いたらしい、
商人らしき人相の悪い旅人(キャラバン隊)がやってきます。
正当な値ではない額で、村の動物や生産品などを寄越せと脅しました。
我々はきっぱりと断りましたが、商人たちは無理やりに奪い始めました。
私(スインシャ)は止めようとしたのですが、相手の中心人物は今度は私に目をつけます。
どうやら、私は若いのと、見た目が美しかったようです。
捕まって、一緒に連れて行かれてしまいました。
★売られたのは西の都、バグダッド
盗賊まがいの商人は、私を傷つけることはありませんでしたが(商品価値が下がるためと言っていました)、大きな町へ来るとすぐに、大きな屋敷に私を売りつけました。
私はある大きな屋敷の下働きの娘として暮らし始めます。
仕事は料理や買い物、掃除など。今でいうお手伝いさんです。大勢の娘がいました。
仕事は苦ではなかったものの、根が真面目なせいか、私はあまり愛想がいいほうではなく、これといった友達も作らずに黙々と働きました。
頭の中にあるのはいつも、残して来た村のことでした。
村の皆はどうしているのだろう。無事だろうか。心配しているだろうか。皆いま、ちゃんと暮らしていけているだろうか。
そんなことを考えながら、年を取っていきました。
その屋敷を解雇されたのか、逃げたのか分かりませんが、私は町を出て行きました。村を目指します。
でも、実はかなりの距離があったのです。連れ去られたときはラクダに乗っていたので分からなかったのでした。
私は村へ帰り着くことができず、そのまま砂漠で息を引き取りました。
★人生をもう一度やり直す
死んでから気づいたのですが、村の皆は元気でした。
私のことは心配していたようですが、他の被害は大きくなく、またやり直して頑張っていったようです。
私の弟が中心になって、皆で頑張っていったようでした。
私は、自分の心配がお門違いだったことに気づきました。
少し考えればわかることですが、
村は、私などがいなくても大丈夫だったのです。
私が心配することでもありませんでした。
私は、何のために生き、何のために死んだのだろう……
そんな風に、自分の存在意義をなくしてしまいました。
私なんかは、最初からあの村にいなくてもよかったんじゃないか?
そんな風に思ってしまいました。
すると、死後の世界に村の人たちの顔が浮かびました。
「そんなことない。あなたが織物を褒めてくれたから、私たちは嬉しかった。やる気が出た」
「我々は、あなただからついていきたかった。ともに頑張ろうと思えた」
「あなたが、我々とともに喜んだり、泣いたりしてくれるあなただったから、我々は村を作っていけたんだ」
そんな声がたくさん聞こえてきました。
私は泣きました。
私は、いなくていいわけじゃなかった。
でも、もっと違う生き方もできたんじゃないだろうか。
もっと自分を出して生きていけたんじゃないだろうか。
せめて一度、村に帰りたかった。
そこで、「今の私」は、スインシャに声を掛けました。
「ねえ、もう一度、人生をやり直してみない?」
スインシャはやり直したい、と言いました。
★出会ったのは旅商人の男性
スインシャがやり直して戻ったのは、バグダットの都。
お使いに出かけたときに、人と思い切りぶつかってしまいます。
頭に載せた壺を落としたスインシャを抱き起し、謝って来たのは、背の高い若い男性でした。
その男性は、一目でスインシャに恋をしたようです。
のちに彼は言います。
「内側から、知性がにじみ出ていた」と。
彼はスインシャの屋敷の主に商談を持ち掛け、ずいぶんな値の品物と交換に、彼女を身受けします。
「お前にはそれだけの価値があるんだよ」と言っていました。
彼と結婚したスインシャは、旅をしながら様々なことを教わります。
「私がこうやって旅をしながら商売をしているのは、世界を平和にしたいからだよ」と彼は言います。
自分が身売りされたり、村にやってきた商人に買い叩かれそうになったりしていたスインシャは、呆然とそれを聞いていました。
けれど、彼とともに旅をするうちに、分かってきました。
小さな村の出来のいい品物を、町へ届ける。
決して買い叩くのではなく、正当な値段で買い、それを売る。
買ってもらえた村は、それを元手に農作物の種を買えたり、商売の道具を増やしていける。
それは、村の自立へともつながる。
売ってもらえた町の人も、良い品物に喜んでいる。
彼が来ると、町の人も村の人も喜んで笑いました。
相互繁栄。
お互いにお互いを高め、育てていく。
いや、育んでいく。
「これが商売なんだ」と思いました。
★村へ
自分の村へも行きました。
スインシャの姿を見て、村人は喜んで走り出てきました。
事情を説明したのち、村の織物を見て夫である男性は唸ります。
本当に良い品物だ、これは町へ売らなければ、と。
スインシャがいなくなってからも頑張ってきた村は、彼のおかげで販路が築かれ、さらに発展していくことになります。
スインシャはそれからも彼とともに旅をし、お互いに学び合い高め合い、商売を続ける生涯を送りました。
★それで
商売のなんたるかを知ろうと
ヒプノをしたわけではなかったのですが、
結果的にはこんな感じの内容が出てきました。
(男性観や美醜観にも関わっていたようです)
すごく興味深く、勉強になった回だったなあと思いました。
面白かったので夫に話したところ、経済学で同じことを言っているよと。
例えば池上彰さんが講座で言っていたそうです。
私は経済学を勉強したことはなかったのですが、結果的には現地で見聞きして勉強したようなものだったわけです。
面白いですよね。
それでは、最後までご覧いただき、ありがとうございます!