〈ブランド特集第2弾〉 「最も責任ある企業」Patagoniaについて

世界で最も「責任のある企業」として知られるPatagoniaは、1957年にイヴォン・シュイナードが独学で繰り返し使えるクライミング用ギアの制作を始めたことから始まっています。以降、オーガニックコットンの使用やグローバルサプライチェーンの解消などを先進的に行い、サステナブル企業としての地位を高めていきました。日本でも数年前に同社のフリースジャケットが流行し、知名度を高めましたね。今回はそんなPatagoniaについて深掘りしていこうと思います。

大流行したPatagoniaのフリースジャケット
(Patagonia公式サイトより)

<Patagoniaの大まかな歩み>


1991年
自社製品で使用していた繊維の環境負荷について調査を行い、コットンの方がほとんどの化学繊維よりも環境負荷が高いことを報告。

1993年
ペットボトルを再利用したフリース製品を製造。

1994年
製品へのオーガニックコットンの使用を開始。

1996年
自社のすべてのコットン製品をオーガニックコットン100%に切り替える。

2000年初頭
衣類の原料リサイクルの一環として、リサイクル・ポリエステルでの製品開発を開始。

2011年
米国のブラックフライデー中に「Don’t buy this jacket」と題された広告をニューヨークタイムズに出す。

2015年
自社の外国人労働者についての詳細な評価を、信頼ある外部企業に委託。

2020年
Patagoniaの衣料品製造工場の39%で労働者に生活賃金を支払っていることを発表。

進展を続けるPatagonia社の取り組み
(Patagonia公式サイトより)

ファストファッションの台頭は2000年代初頭ですから、同社がこの分野の草分け的な存在であることは間違い無いでしょう。ここで、Patagoniaの信念についても触れておきます。

Patagonia社では、リサイクルを重要な営みであると捉えると同時に、最後のプロセスでもあると認識しています。

リサイクルすればそれでいいというわけではありません。4Rの中でリサイクルは最後の工程です。それには理由があります。まずは素材の使用をリデュース(削減)することが重要です。そしてリペア(修理)です。それを再循環し、不要となったものをリユース(再利用)します。最後にリサイクル(再生)です。
Patagonia 公式サイトより

できるだけ衣類をリデュースし、買ったものはリペアして長く使い、不要となったらリユースする。そこで初めてリサイクルが行われる。

当たり前のようですが、米国のリサイクルボックスの設置がかえって購買意欲を高めたという研究結果があるなど、実際にはこういった循環が生まれていないことは確かです。私たちには、クリーンを語る言葉の誤用を見極め、4Rのプロセスを遵守することが求められているように感じました。

この記事が少しでもPatagoniaやエシカルファッションに踏み込む機会になれば幸いです。

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