VCT観戦日記 ZETA vs LOUD

〇はじめに

大会に約二か月ぶりのお披露目となるZETA DIVISION。この日を待ち望んだファンも多いだろう(私もその一人)。
ZETAといえば今年4月に行われたStage1 Matersで世界3位という歴史的快挙を成し遂げ、国内外から大きく注目されることとなった。世界に日本の強さを見せつけ、今回のChampionsにも期待が集まっている。

しかし、今回のChampionsでZETAと同じBグループのチームは、世界3位の戦績を残した大会で優勝したOptic Gaming(NA)と2位のLOUD(BR)がいる魔のグループに振り分けられた。前回OGと戦った時には0-3のスコアで1マップも取れずに敗北した。

Playoffには4チーム中2チームしか上がれない為、格上チームであるかもしれないがこの初戦は必ず勝って駒を進めたいところだ。


〇ACENT(アセント)

ZETAのロースターはTENNN選手が入りフルメンバーでの参戦。病状についてはほぼ完治し、問題なくプレイが出来ているそうで良かったです:)

ZETAとLOUDが一戦交えるのは初だが、前回大会の際に交流がありユニフォームを交換したりと仲を深めたそう。また、ステージ上では微笑ましいシーンがあった。

aspas選手(左)がぬいぐるみをDep選手(右)に渡しているところ
この後ジェット同士でバチバチにやり合うのだからエモい。
(引用)https://www.flickr.com/

防衛側スタートのファーストラウンドではいきなりAメインを取るセットアップを仕掛けDep選手が1キルを獲得。その間にAショートを侵攻されたが、またしてもDep選手が抑え合計3キルでファーストラウンド取得に貢献した。
 

ケイオーのナイフで敵を抑制し、アストラのスモークを焚いてその中にDep選手が入りフェイドのホウントで敵を視認させ、一方的にスモーク抜きを狙うセット。見事、不意を突くことに成功しワンピックを獲得。

Dep選手のアセントといえば数々のスーパープレイが誕生したマップでもあり、何か起こしてくれるのではないかと期待しながら見ていましたが、早速かましてくれましたね。


特にZETAが防衛側ではアビリティーを使って得た情報をチーム内でしっかりと共有出来ており、相手がしてくる事を予測し守りを固めるサイトの決定をして、有利に試合を運べていると感じました。個人的に読みの部分が非常に冴えていると思いました。

エコラウンドではLOUD(下図:赤色)がエントリーをしてくる時にはほぼ全員がBサイト側に寄ることが出来ており、早めの取り返しで設置もさせずにエコラウンドを取得しているシーンがありました。

ZETA(エコラウンド) 3:3 LOUD(バイラウンド)


しかし、攻めてくるサイトに寄れていてもLOUDには関係なし。個人技でサイトをこじ開けたり、Less選手のラークの立ち回りで人数有利を作られるなどと流石のLOUDですね。
Dep選手がオペレーターを持ち、初手ワンピックを狙おうとしてもしっかりと射線のケアをしていたのも印象的です。

ZETA 7:5 LOUDと2ラウンド分差をつけての攻守交代。2ラウンド差がありましたがピストルラウンドをLOUDが取得したため同点となりました。
ここからLOUDの鉄壁の守りがZETAを苦しめます。

ミッド入り口からジェット(緑色)がブリンクを使い、中央リンクまで詰めると同時にリーコンボルトで敵を索敵する。アセントでは有名なセットアップでDRXが初期から得意としていました。今回LOUDが仕掛けたのはフラッシュを使わないパターンだったのでTENNN選手も撃ち合いで対応する事ができた。

防衛側のLOUDですが、ラウンド開始直後にジェットがミッドから詰め奇襲を仕掛けます。通常この作戦は画像中央のTEN選手が狩られてしまう場面なのですが、TEN選手がaspas選手を倒します。結果、ZETAが上手く対応し4vs2にまで人数有利を作りますが、世界トップのイニシエーター使いのSacy選手に返されてしまいラウンドを取られてしまいました。


その後もスパイク設置までは通るものの、LOUD全員のフィジカルの高さや緻密な連携によりリテイクされてしまいます。
7:11にまで追い込まれ、このラウンドを取られるとLOUDにマッチポイントを渡してしまう状況でSugarZ3ro選手のスーパクラッチが飛び出します。
人数不利状況、アストラとしての立ち回りが完璧でした。世界大会の大舞台でこれをしてしまうのは本当に凄いプレイヤーです。

まず、人数不利な状況で勝つ為には1vs1で撃ち合える状況を作る事が非常に大切です。SugarZ3ro選手はメイン側、敵はスパイク解除に1人、ヘブンに2人。最初にヘブンからピークしてきたオーメンを倒します。

オーメンを倒した後すぐに射線を切るように左の壁に隠れ、アストラのグラビティウェルを使用しスパイク解除を阻止します。

敵側に少し膨らんだスモークを焚いたことによって、左からピークしてもジェットからの射線を切れるようになっている。故にキルジョイと一対一になる。

Aサイト入り口にスモークを焚いて左からピークし、再び解除を始めたキルジョイを倒す。

1vs3から1vs1にまで返され、スパイク爆発の時間が迫っていたのでaspas選手としてはかなり追い詰められた状況。

ジェットとの一対一になり最後の敵も倒したスーパークラッチですが、きちんと人数不利状況での立ち回りの最適解を導き出したSugarZ3ro選手にはあっぱれです。

ランクマッチでもこういう状況が多々あると思うので、このプレイはかなり参考になったのではないでしょうか。

試合はLOUDの堅い守りを突破し切ることが出来ず8-13でアセントは敗北になりました。

追記:少なくともZETA戦は日記を作るつもりでしたがゆっくりしていたらChampionsも残り二日になっていました。大会を重ねるごとに地域全体のレベルも上がり、その状態で行う世界大会は試合の一つ一つが白熱し激闘を繰り広げられ、数々のスーパープレイが誕生するので、ずっと見ていても眠くなるどころかエナジードリンクいらずで朝まで起きていられます。ZETAは今シーズン終了してしまいましたが、アジアの希望DRXが挑み続けているので頑張ってほしいですね。(因みに私はThe Guard推し、Championsにはいないけど。)
来年からリーグが始まり、地域予選がかなり激化しそうな予感……楽しみですねぇ


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