#おばあちゃんの霊話〔れいわ〕
〔本文より抜粋〕
昔、亡くなったおばあちゃんが、よく言っていた事がある。
〔幽霊の事を怖がる必要はないんだよ〕
おばあちゃんは元々、霊感がとても強い人で、
深夜、自分が布団で寝ていると、枕元を訪ねてくる幽霊が来て、
何事かの話を聞いて欲しいと言ってくるのだという。
おばあちゃんはそうなると、例え眠くても静かに起き上がり、
身体が冷えて寒い時は、薄いものを羽織りながら、
その幽霊の話を、いつも穏やかに聴いていたという。
その幽霊は、昔、戦争で戦死した日本の兵隊さんや、
まるで戦国時代を彷彿とするような甲冑を着込み、
あちこちに矢が刺さり、髪がひどく乱れている、
落武者風情の人々等…。
〔ひとりの時もあれば複数の時もあったらしい〕
おばあちゃんの枕元には不思議と、
そういう人々が話を聞いて欲しくて、やって来るのだそうだ。
彼ら〔幽霊〕に共通している所は、
1.全員、顔色が〔真っ青〕である。
2.服装が当時のままであり、服が汚れていたりする。
おばあちゃんは、その後〔幽霊〕に帰って貰ったと言っていた。
今回は、おばあちゃんが言っていた幽霊の特徴を挙げてみた。
僕は彼らの事を〔幽霊〕ではなく〔ゴースト〕と呼んでいる。
1.ゴーストは、多くの人の目には映らない。
2.ゴーストは、モノに触れる事が出来る。
3.ゴーストは、話す。
4.ゴーストは、喜怒哀楽の感情がある。
5.ゴーストは、自分の事を想う人たちの下に現れる。
6.ゴーストは、人に危害を加えない。
7.ゴーストはいるか?いないか?という問いは、無意味である。
…今になって思えば、おばあちゃんが元気な内に、
もっと、たくさんの話を聴いておけばよかった。
まぁ、僕には霊感が無いから、
仮に、これらの話を知っていたとしても、
確かめようがないんだよなぁ…。
THE END