家族の記憶 #03

一方の妻の方はというと、夫が家を出ていってからは、
解放感からか、彼女には次第に笑顔が戻ってきていた。

『…お母さん…最近楽しそうじゃん…。』

『…そう?…でも、本当…せいせいしてるわ…。』

『…。』

『…優美…どうしたの?』

『…私さ…今度バイトはじめるんだ。』

『…へー…何のバイト?』

『…うーん…。』

『…なに?…教えてよ。』

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