#13番ランドリー
『…おっ…空いてる、空いてる…。』
ひとり暮らしの僕にとって、コインランドリーを訪れる事は、
もはや、生活の一部になっていた。
浪人学生の身分では、洗濯機などという高価な白モノ家電には、
手も足も出ないのは、何処かわかっていたのかもしれない。
…しかし、僕が幸運だったのは、
家からすぐ近くの所に、コインランドリーがあった事である。
…少し、作りは古いのだが、店内そのものは清潔だし、
普段は、それほど人がいなかったので、
僕が利用する時間帯はいつも、全くの貸し切り状態であった。
…まぁ、近年では、物価高の影響が根強く存在し、
ここの店舗でも値上げされたから、懐が痛むばかりだった。
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