高校時代(2)

ある時、泉君がなんかの記事を見せてきた。へえ、女子高の山岳部がエベレストに登ったんだ。しかもうちらと同学年じゃん。女子なのにすごいねえ。うちら奥多摩とかなのにねえ。

「同じ山岳部で同い歳、こんだけ共通点あれば充分だろ。この子らと合コンやるぞ。」

はい?ごめんちょっと何言ってるか意味分からない。補足しておくと当時インターネットとか普及してなかったのでDMはおろかメールすら送れないんですが。ついでにいうと、同じ都内の学校だったんですが、向こうはエベレスト目標なので、インターハイとか国体とか普通の高校が参加する競技とか眼中に無くて全部不参加だったんですね。なので前回書いた都大会とかでも会った事が無かった。レベルというか次元が違う。泥門デビルバッツと神龍寺ナーガより違う。

「向こうの高校に連絡取って一緒に登れることになったわ」

まじで!?どこに!?

「高尾山」

チョモランマとか登ってる人達と高尾山!?正気!?と思ってましたが。男子4人と女子4人で普通に楽しく登山できました。意外にも向こうにも喜んでもらえて。なんでもエベレスト一筋だったので他の高校との交流が全くなくて寂しかったし、気軽に登れる山にも行きたかったと・・・そういう事もあるんだな・・・。その後も彼女らとは何回か会う事があり、高校卒業後もチラホラ交流が続いたのだった。

こんな話を纏めてくるくらいなので、泉君の行動力はハンパ無かった。即断即決即実行が基本だったし、彼が何かに尻込みしてるの見た事ない。山岳部もうちらの在籍中が一番盛り上がった時期だったらしいけど、彼の影響である所が大きい。そういう意味だと山岳部に入ったのは正解だったかなあと思う。この時の顧問の先生の口癖が「ああ、そうか」だったんだけど、それがうつって今でも残っている。副顧問の先生は若くて歳も近かったので、卒業後も友達付き合いが続いて泉君と3人で遊んだりしてたけど、最後に会ったのは10年ぐらい前かなあ。今みんな何してるんだろう・・・。

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