大学時代(6)ボルネオ編

高校時代の山岳部とは大学時代もちょくちょく縁があったんだけど、ある時、泉君(仮名)に誘われてマレーシア、ボルネオ島にあるコタキナバル山に行く事になった。コタキナバルと言えば東南アジア最高峰、富士山より高い。この時点では富士山にも登頂した事なかったんだけど。日程は9泊10日、そんな旅行は今しかできないと思い、行く事にした。2人で。

ツアーとかでなくて自分らで国立公園に申し込んでガイド雇って・・・全部泉君がやってくれたので俺は身一つで付いてっただけだけど。正確には泉君の彼女が才女でなんでもやってくれていた。彼はめちゃめちゃプレイボーイだったんだが金持ちとか秀才とかはキッチリ本命でキープしてた、したたかな男であった。

そして東南アジア最後の秘境と言われるボルネオ島、熱帯雨林の大自然の島へ。まだ登る前、現地のホテルでたまたま「コタキナバル山に行ってきた」という日本人に会って、「ヒマラヤよりしんどかった」と言われて腰が引けるも、もう今更後に引けないので登った。結果から言うと楽勝だった。山岳部の面目躍如といった所か。初見で完全にこっちを舐めてた現地ガイドも「ベリーストロング」と感心してた。ちなみに標高1889メートル地点から標高4101メートルの山頂まで2200メートル程登った。コースタイムの半分くらいの時間だったらしい。山頂とか誰もいなかったし。富士山の山頂が人だらけな事を考えるとかなり贅沢である。

その後、山小屋に一泊して、下山。こっちはもっと早くて少し遅れて出発したガイドは追いつけなかった。現役時代から下山の速さには定評があったのだった。ラフレシアみたいな珍しい植物とか見学しつつも、2時間かかんなかったんじゃないかな。ふもとの直前で一応ガイド待って合流して、コタキナバル登山はあっさり終わった。

その後はボルネオ島で何日か遊ぶ。カルチャーショックを受けたのは町の境目がRPGに出てくる街みたいにキッチリあって、その境から外はなんも無い事だった。あと日本の漫画は20年前のボルネオ島でもたくさん売られてた。少年キャプテンとかのマイナーなのも売ってたので日本の漫画スゲーと思った。

7日目にクアラルンプールに移動。めちゃめちゃ都会でびびる。東京より都会なんじゃないかと思う。ちなみにここで生まれて初めてラブホテルに泊まった。マレーシアにもラブホテルってあるんだ。同じホテルにいた日本人に聞いた所、普通の部屋とカップル用の部屋があって、我々はカップル用の部屋に案内された事が分かった。なんでだよ。男二人だぞ。ペアルックだったけど。

翌日はサンウエイ・ラグーン・テーマパークでも行くか、とかマックで話してたら、日本人っぽい女の子二人組発見。おお、これは話しかけるチャンスなんじゃないか?とか考えていたら既に泉君は隣に座って話してたので本当に行動が早いなと思いました。しかも「明日の予定とかどーなってるの?」と聞いて相手が「マラッカに行こうと思ってるんです」と答えると「奇遇だなあ!!僕らもマラッカに行く予定なんですよ!!」秒で予定変更する。俺は「すごいな、こんな漫画のキャラみたいに即座に切り替えできるもんなんだ」とひたすら感心していた。

マラッカで一泊して彼女たちとは別れ、クアラルンプールで一泊して日本に帰ってきた。当時の記録見て驚いたけどホテルとか全部当日に探してチェックインしてた。よく無事に全部泊まれたなあ。若いってすごいな。ちなみに泉君は「外国で日本人ナンパすると成功率が高い」と味占めてその後めっちゃアジアとかアフリカに行ってた。確かアジアは制覇したとか言ってたっけな。行動力ものすごい。

あと驚いたのは、当時マレーシアの飲食店って、ストロー使いまわしてた。ゴワゴワのストローに最初ドン引きしたけど、最後の方は慣れて普通に使ってたな。日本に帰ってから熱出してしばらく寝込んだけど。その後、マレーシアには行ってないけど、あれから20年経ったし、流石に今は使いまわしてないよね・・・。


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