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江口寿史展@福岡アジア美術館が最高すぎた

1.5(Sun) 9:30 a.m.

良すぎた

前日まで行くかどうか迷っていた自分をどつきたくなるくらい最高だった。
行ってみるかと背中を押してくれたのはXで高評価を発信してくれていた方々です。
(ありがとうございました。本当に。)

行ってみた結果、、、

江口先生めちゃくちゃ好き!
になった。

特に予備知識もなく、
たぶんご本人が聞いたら「◯ね!」と言われるだろうけど『キネに似てる』というフワッとした入口から展示会に興味を持ったわけで、(世に出たタイミングは江口先生が圧倒的に先です。ごめんなさい。)ここまでハマるとは思いませんでした。

キネはどちらかと言うと女性を記号として描き、一切のエロを排除しているのに対して、江口先生はエロも混ぜつつ、それでいて女性に敬意を払いながら『時代』を熱く切り取っている。
女性に対してだけじゃない。
街に、
モノに、
時の流れにすら、
敬意を払いながら、誠実に対峙されている。
時の流れとともに、自身のスキルもアップデートし続けるその謙虚かつハングリーな姿勢もまた痺れた。
もうとにかく全てが刺さりまくってしまい、
一瞬でファンになってしまった。

女性の描き方がとにかく絶妙で、良い。
江口先生の描く女性には、男性からたまーに漏れ出る清純さや処女性を過剰に求める暴力性が一切ない。
語弊があるかもしれないけど、江口先生の描く女性はなんとなく"擦れてる"。
なんかもう全部"知っちゃってる"というか。
全部分かってて翻弄してくる小悪魔的な感じ。
勝手に受信したその不思議な感覚は、完全ノーマークだったギャラリートークでの江口先生の「僕は女の子を描く時、付き合いたい女の子ではなく、自分がなりたい女の子を描いている」のお言葉でなんとなく答え合わせができた気がした。
女を消費するのではなく、
ただひたすらに追いかける無垢な好奇心というか。大袈裟に言うと崇拝に近い感じ。
薄っぺらい性の魅力で惹きつけるんじゃなくて、その奥にある、女性の強かさやしなやかさ、美しさや掴みどころのなさでグイグイ惹きつけてくる感じ。
好きだーーーーー!

そして、90年代のストリートスナップもエモすぎた。「全員、一度どこかでお会いしましたよね?」と言いたくなる既視感マックスのファッションと雰囲気。
鑑賞しながら、いつかの「時代」の答え合わせをしては「あぁ、あの時はなんだかんだ幸せだったし、今もそれなりに幸せだよなぁ。」なんて思えるんだと言うことが分かった。
あんなにも「時代」をお洒落に切り取って、私たちにアートという形で還元してくれるなんて。感謝。

最後は、全く下調べしてなかったご本人降臨のギャラリートークで個人的に刺さった言葉を記録用に。
・絵には時間を残しておくという効用があると思っている。特に最近は、景色を残しておきたいと強く思う(街の景色がどんどん変わっていくから)
・絵は多少雑な部分があってもいい。そうでないと意味がない。そうでなければ写真と一緒。
・自分は女になれないので絵で感じさせたい。
・絵で匂いを感じさせたい。
・ギャグもエロも最近規制や圧力が厳しい
・線は"情報"だから書かないようにしてる(ほうれい線とか)

他にも、企業やアーティストとのタイアップでの裏話など貴重なお話がたくさん聞けて、なんかもう幸せがすぎたわけです。

2025年は少しまた漫画の方にシフトチェンジされるとかしないとか。漫画家デビューから約50年が経過されているようですが、まだまだ変化と進化の只中にいるなんてかっこよすぎでは。

今後もゆるめに応援し続けていきたいです。

展覧会は1/12(日)まで。
https://faam.city.fukuoka.lg.jp/exhibition/21683/

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